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必要なものを揃えていざ出願しよう ―オンラインで海外大学院に行こう! マガジン #38

こんにちは。
岸 志帆莉です。

このマガジンでは、「オンラインで海外の大学院に行く」というテーマで定期的に情報をお届けしています。

今日は大学院への最初の関門である出願をテーマにお話ししたいと思います。

大学院への出願にはさまざまな書類が必要です。なかには準備に数ヶ月から半年以上かかるものもあります。早い段階で必要なものを把握し、計画的に進めていきたいものです。

ここでご紹介する流れはあくまで一般的なものですが、イメージをつかんでいただくためにできるだけ具体的にご紹介します。実際の流れは大学によって異なるので、出願にあたってはかならず各大学の公式情報を確認してくださいね。


事前に確認すること

まず出願の前にいくつか確認しておきたいことがあります。

【出願の前に確認したいこと】
・各大学の応募条件を満たしているか
・出願の締切日および選考方法
・願書の入手方法

まず確認したいのは、自分が各大学の出願条件を満たしているかどうかです。学部時代の成績や英語のスコアなど、大学によってさまざまな条件が設けられています。特定の分野の学位や職業経験が求められることもありますので、早めに確認しておきましょう。

それぞれの大学の選考方法も確認しておきましょう。日本では締切日まで待って選考をはじめることが一般的ですが、海外では願書の到着順に採否を決めていく「ローリング・アドミッション」という方式をとるところがあります。この場合、締め切り間近に応募してもすでに定員が埋まっている場合があるので注意が必要です。

願書の中身も早めに確認しておきましょう。求められている情報を把握し、余裕をもって準備を進めることが成功への鍵となります。

必要書類および手続きについて(例)

大学院への出願には、一般的に次のような書類が求められます。

【出願書類の例】
1.願書
2.前学歴の卒業証明書および成績表
3.志望動機書(パーソナル・ステートメント)
4.推薦状(2~3枚)
5.語学能力証明書(TOEFL、IELTS等)

その他、プログラムによっては次のような書類や手続きが求められることもあります。

・各種学力試験のスコア(GMAT、GRE等)
・特定のテーマに基づくエッセイ
・職務経歴を証明する書類(自己申告でよい場合もあれば、職場からの証明等が必要な場合も)
・面接

1.願書

願書にはあなたの経歴や個人情報等を記入します。大学受験のときに記入したことがある方も多いはずです。現在はほとんどの大学で願書がオンライン化されています。国によっては統一されたシステムを使っているところもあります(イギリスのUCAS等)。

2.卒業証明書および成績表

卒業証明書と成績表は母校から発行してもらいます。基本的に英語または現地語での発行が求められます。希望の言語で発行してもらえる場合はそのように依頼しましょう。対応していなければ自分で翻訳サービスを手配します。

ちなみに過去記事でも触れましたが、大学側が指定する方式で成績を換算するよう求められる場合があります。とくに多いのがアメリカを中心に普及するGPA方式です。自分の成績表がGPAに対応していたらそのまま提出して問題ありませんが、そうでない場合は自分で換算する必要があります。

GPAについては、日米教育委員会(フルブライト・ジャパン)のウェブサイトに換算例が記載されています。その他の方式が指定された場合は、大学側の指示を仰ぎましょう。

3.志望動機書(パーソナル・ステートメント)

志望動機書は出願においてもっとも重要な書類のひとつです。あなた自身の人間性など、願書ではわからない部分を把握するための資料として使われます。

書き方については優れた指南書がたくさん出ているのでそちらに譲るとして、ここでは求められているポイントを確認しておきましょう。

【志望動機書を書く際に含めたいポイント】
・その大学やプログラムを志望する理由
(数あるプログラムの中からなぜそのプログラムを志望するのか)
・大学院を志す理由
(社会人の場合は仕事との関連も含めて)
・あなた自身の強み
・その大学に入るためにこれまで実践してきたこと
(例:大学のオープンデーに参加した、専攻分野に関連する資格を取得したなど)
・あなたがそのプログラムに対して貢献できること
・卒業後のキャリアプラン

(学習したことをどのように社会に還元するか)

志望動機書はとても重要なので、下の記事で別途くわしくお話ししています。

4.推薦状

志望動機書と並んで重要なのが推薦状です。推薦状とは、上司や恩師などあなたをよく知る人から人柄や能力について証明してもらうものです。

海外では出願にあたって複数の推薦状が求められます。大学によっても異なりますが、アメリカでは3通、イギリスやその他の地域では2通求められるのが一般的です。長さはA4一枚程度で、文末に推薦者の直筆サインをいただきます。英語圏の大学ならもちろん英語で書いていただく必要があります。難しい場合は日本語で書いていただいたものを翻訳するなど、なんらかの方法で英語にする必要があります。

推薦状は、受験者がその大学で活躍できる資質を兼ね備えているかを判断するための資料となります。志望動機と同じく、あなたの人柄や社会性など願書ではわからない面を知るために利用されます。

推薦状もとても大切なので、下の記事で別途詳しくご説明しています。

5.語学能力証明書

英語圏の大学を受験する際は、一般的に英語力の証明が求められます。TOEFLやIELTS等のスコアがよく指定されます。

語学試験は出願プロセスのなかでもとくに時間のかかるところです。前倒しで準備を進めることをおすすめします。試験を受けてからスコアが届くまで、最短でも数週間から一ヶ月程度かかります。その期間も含めると数ヶ月は見ておく必要があります。

個々の試験の受け方については、各試験センターのウェブサイトを参照してください。ここでは試験を受けるときの注意点をいくつか挙げておきます。

上を目指せばいいというものではない

語学試験のスコアは多くの場合、いわゆる「足切り」として利用されます。より高いスコアが出たからといって合否に影響するとは限りません。大学が求める基準さえクリアできれば基本的に問題ありません。あまり時間はかけすぎず、タイムラインを定めて取り組みましょう。

問題や解答用紙の形式に慣れておく

試験対策に関しては、ただ闇雲に勉強するより各試験に合わせた対策をするのが効率的です。できればその試験に特化した問題集を使うなどして問題形式に慣れておきましょう。時間管理も対策の一部です。また見落としがちなポイントとして、解答用紙の形式にも慣れておくことをおすすめします。そのためにもできれば模擬試験を一度受けてみるのがおすすめです。

すべての書類が揃ったら、指定の方法で提出します。出願料の支払いが必要な場合は忘れずに手続きをしましょう。ここまでで出願手続きは完了です。

仕事や家事の合間を縫って地道に出願準備を進めるのはとても大変なことです。無事終えられたら、ご自身の努力を十分にねぎらってあげてくださいね。

下の記事では、私自身の出願のエピソードを振り返っています。あわせてご覧ください。

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