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【ドイツ】就職方法とマインド

今回は、現在私が勤めている「ハンブルク公立音楽学校」に、どうやって就職したのかについてお話したいと思います。


1. ハンブルク公立音楽学校とは?

まず「ハンブルク公立音楽学校」とは、ドイツ・ハンブルク州にある公立運営の音楽学校です。

地方分権が発達しているドイツでは、様々な州にバランスよく音楽学校が点在しているのですが、私立または個人経営がほとんどで、公立運営の音楽学校は4年制音楽大学を除いて少ないです。

ハンブルク公立音楽学校のエントランス

公立音楽学校に勤めるメリット

公立運営の場合、給与形態も国と結んだ労働協約「Tarifvertrag für den Öffentlichen Dienst der Länder」に基づき、福利厚生社会保険がしっかり保障されています。

外国人で常勤で働いている方であれば、私のように仕事永住権を申請して、もらうこともできます。

音楽に携わる仕事や芸術関係の仕事はフリーランス職のイメージがとても強いですが、ドイツでは日本でいうサラリーマンのように、経済社会保障が充実しているので、とても人気のある職場です。

そのため多くの人が、先生になる面接試験待ちリストに数年待機しているといった現状です。

月曜日のレッスン室からの風景
近所には教会もあります♫

2. 海外就職への道のり

音大卒業後の仕事探し

私は2015年にハンブルクの音大を卒業してから、1年間仕事探し準備ビザ」をもらっていました。

仕事探しの準備としてのビザを1年間ももらえるなんて!と思うかもしれませんが、次の段階に存在する「2年仕事ビザ」取得のために、当時3つの音楽学校との労働契約を結ぶことが、条件のひとつになっていました。

オーケストラ等、他の職種でも条件として満たすこともできますが、私は音楽学校の仕事を通じた仕事ビザ取得を目指していたため、この3つの音楽学校との労働契約書を得ることが課題になっていました。

音楽学校の仕事の探し方

ドイツには「VDM (Verband deutscher Musikschulen e.V)」という、ドイツの音楽学校が登録している団体があります。

この「VDM」のWebサイトをみると、登録している全ての州の音楽学校、楽器や指揮の先生、事務や学長の仕事など、音楽学校の仕事に関係するものばかりの求人情報が日々更新されており、私は毎日チェックしていました。

ドイツのすべての州にある音楽学校のリサーチができる
心強い求人ページの一部😊

「VDM」から公立音楽学校を見つける

その時に見つけたのが「ハンブルク公立音楽学校」の求人でした。
応募してすぐ面接には呼ばれなかったのですが、その本部の学校が私の家から徒歩圏内にあったので、その時私は全ての願書書類を用意して、直接学校へ提出しに行きました。

学校へ向かう道
ドイツはどこも自然と一緒♬

3. 求人に応募する時のポイント

ハンブルク公立音楽学校への応募と5年後の面接

私は今まで、この公立音楽学校の面接に呼ばれるまでに、様々な私立の音楽学校に願書を送りました。

送った書類がそのまま返ってくることが多いのですが、この公立音楽学校は唯一、書類も返事も何も戻ってくることなく、何のリアクションもなかったので、願書を出したことも忘れてしまっていたくらいでした。

そしてその数年後…面接試験に呼ばれ、その面接の時間に、なんと約5年前に提出した履歴書の情報に間違いがないかという確認の作業が行われたのです。

提出した履歴書は常に最新情報に!

私の場合、住所や電話番号に変わりがなかったので、電話で急に来た面接の連絡をもらうことができましたが、もし引越しや機種変更などで、住所や電話番号が変わったことを伝えてなかったら、学校側は連絡が取れず、他の人に回されてしまった可能性もあります。

従って、提出した履歴書や書類は、情報に変更が起きた場合、すぐ新しい情報に合わせた履歴書を再送する必要がある、ということを学びました。

4. 仕事に関する経験は赤字覚悟で、休み期間も働く!

常にアンテナを張って、行動する

先述した通り、私は公立音楽学校に願書を送った後も時間の猶予が1年しかなかったので、引き続き私立の音楽学校の方にたくさん願書を送っていました。

毎日「VDM」のサイトの求人を見るのはもちろん、友人の引き継ぎとして紹介してもらった音楽学校で働くなど、本当に様々な場所でアンテナを張り巡らしていました。

様々な場所というのは、ドイツだけではなく日本も含みます。
ドイツでは、州ごとに定められた、春夏秋冬休みがあり、その時期は音楽学校もレッスンをやっていないので、日本で働くという形をとっていました。

ドイツ🇩🇪ー日本🇯🇵を飛びすぎて
スタンプでいっぱい💦の当時のパスポート
往来が難しくなったコロナを経験した今では
貴重な思い出の品になりました😌

日本とドイツ、どちらで働くかを考える時期

私が当時持っていたビザは2年間の労働ビザで、次更新できるかどうか約束がないビザでした。

またドイツと日本、どちらでバイオリンの先生の仕事で経済生活が成り立つのかを考える時期でもあり、飛行機の運賃や滞在費などの負担はありましたが、春夏秋冬休みには日本に飛んで、レッスンやコンサート活動をしていました。

2019年に東京・千葉で開催した
バイオリン2台とピアノのコンサートの様子🎹
お気に入りの青のドレスで演奏しました😇

この経験を通して、様々なレベルの生徒さんを教える機会にも恵まれ、その実績をハンブルク公立学校の面接でお話する機会もあったので、最終的に就職に繋がる必要な経験だったのかもしれません。

5. 仕事の縁はタイミングでやってくる

私は、公立音楽学校より規模が小さい私立の音楽学校に、願書をたくさん送ってきました。

しかし、規模が小さい音楽学校であっても、面接に呼ばれず「面接に呼ばれてないのですが……」と電話で問い合わせした後、不採用の通知を一方的に郵送で送られてきたり、学校内での面接で、契約書を手渡されていたのにも関わらず、自宅でサインして郵送する前に、契約内容に疑問を感じた部分を見つけたため、それについて問い合わせたら、急に一方的に採用を取り消されたこともありました。

公立音楽学校に願書を出してから面接に呼ばれるまで、約5年経っていたのですが、その間にたくさんの経験がありました。

私立の音楽学校で働いて、多くの生徒さんのレッスンを見る能力や体力が培われたこと、そして日本とドイツで、様々な年齢・レベルの生徒さんのレッスン経験を積めたことが、現在の就職に繋がっていたのかなと思います。

仕事の縁は、相手側から「継続できる、一緒に働ける」と判断されれば、そのタイミングの時に、ちゃんと訪れる!と感じました。

どんな仕事であっても、継続することがとても大事だと思うので、まずは常に興味を持って、家でも外でも、できることは何でも行動に移すことが大事だと思います。

公立音楽学校の廊下
自然とのコントラストが素敵😊

今回は私が経験したドイツでの就職方法就職に必要な日々のマインドについて書いてみました。

今後、書いてほしい記事のリクエストや、ご質問などありましたら、コメント欄に記入していただけると嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございました😊

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