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【小説創作論】誰もが理想の主人公を作れる方法

 こんにちは、ウェブ小説家の皐月紫音です。

 今回は〝誰もが理想の主人公を作れる方法〟というテーマで話していきます。

 前提として、今回の記事は小説における主人公とは、その時代に読者層が求めているものに寄せるべきもので、作者の好き嫌いは関係ないという考え方で創作をしている方には、あまり役に立つことはできないかもしれません。

 ですが、小説において主人公とは作者と最も長い時間、物語の世界を旅する相棒です。

 その相棒のことを好きになれずに小説を楽しむことが、あなたはできますか?

 もちろん、そこで自分の意思を殺してでも、読者に寄せてこそプロだろうという人も居るでしょう。

 しかし、私にはそれはできません。

 確固たる描きたい主人公が居て、それは需要のためだろうと決して譲ることができない一線だからです。

 もう一つ、お聞きしましょう。

 〝あなたにとって、物語の主人公とはなんですか?〟

 自分の分身、読者にとっての分身、自分にとっての憧れの恋人……様々な答えがそこにはあるでしょう。

 私にとって主人公は〝そうありたいと私と読者様に思わせてくれるヒーローです〟 

 皆さんの中にも自分の理想の主人公像があるはずです。

 それでは、それをどうしたら形に上手くすることができて、小説を飽きることなく最後まで書き切れるか。

 どうしたら、最高の相棒と一緒に完結というゴールテープを切ることができるか。

 今日は私が自分の中で、これがベストだと思えた、たった一つの方法を教えます。

 それでは行ってみましょう!!

■モデルを用意する

 理想の主人公はズバリ【モデル+好きな要素の掛け算】で完成します。

 モデルとは、その主人公の原型となるキャラクターです。
 これをあなたの好きな作品の好きなキャラクターから、選んでください。

 あなたの好きなキャラクターが、あなたのこれから書く作品の主人公のモデルとなるのです。

 この時点で、もうかなりワクワクしてきませんか?

■好きな要素を掛け算していく

 あなたの作品の主人公のモデルとなるキャラクターを選んだら、そこからは人形を着せ飾る感覚で、今着ている服(不必要な部分)を脱がせて、自分の好きな服(入れたい要素)を着せていきます。

 この時にゴチャゴチャしないように引き算はしっかりとしてくださいね。

■実際に作ってみよう

 ここで、私が実際に行ってみた例を紹介します。

 とは言っても、私がモデルにしたのは結構マイナー寄りの作品のキャラなので少しわかりにくいかもしれません。

 今回は私の作品『UnderGround Magica』の主人公クラウン・ビショップくんの制作過程ですね。

 最初に頭に浮かんだのは、不良、悪ぶってるけど良いやつ、ヴィジュアル系っぽい外見のイケメン……こんな感じでした。

 最初はなんとなく、頭に軽いイメージがあるだけで良いです。
 そこまでできたら、自分がインプットしてきた小説、漫画、ゲームなどから似た属性のキャラを探します。

 メインは一人ですが、サブで何人か候補が居ても良いです。
 私の中でヒットしたのは、大好きな東まゆみ先生の漫画『とらねこフォークロア』の主人公である乃木燈人(のぎ とうと)でした。

 モデルキャラクターを決めたら、必要な要素だけを残して自分の好きな要素、癖とも言える部分を追加していきます。


乃木燈人
残す要素
・クール系のイケメン
・柄が悪く無愛想
・喧嘩が強い
・中学までは悪評のせいで友達が居なかった
・唯一、心を開いていた姉貴分が居る
・クールだが、自分の中に譲れない信念があって実は熱い

クラウン・ビショップ
付け足す要素
・ロック好き
・サッカーが得意
・家が裕福
・年上の美人に弱い
・積極的だが、恋愛では残念イケメンになることも多い
・大切な相手には少しツンデレ気味

 この時に付け足す要素が、あまりにも噛み合わないものですとせっかくのキャラが台無しになるので注意です。

 例えば、BLEACHの黒崎一護に女好きな一面があっても、キャラクターとしては成立しそうですが、ONE PIECEのルフィやドラゴンボールの悟空にそういう要素を付け足すと、難易度は少し高くなるかなぁと思います。

 こういったミスマッチを防ぐには、モデルのキャラをリスペクトして自分が付け足すのは、あくまでもサブ的な要素にすることです。

 それでは、練習として『NARUTO』のキャラクター、うちはサスケでやってみましょうか。

 私もやりますのでサスケをモデルして自分の小説に出すつもりで、主人公を作ってみましょう。

うちはサスケ
残す要素
・クールな天才肌
・負けず嫌い
・暗い過去を引きずっている
・モテるが女性への関心は薄い

主人公
付け足す要素
・読書家
・力無きものが虐げられるのは気に食わない
・悪人を裁くのは自分のような悪人だと思っている
・最後には死ぬつもりなので唯一愛する女性であるヒロインの愛を受け入れられない
・自分の容姿の美しさは理解してるので勝利のためならば気持ちはなくてもどんな女性にも偽りの好意を見せる

 どうですか?

 結構、しっかりしたダークヒーロ像ができたと思います。
 今回はテーマが決まっていたので皆さんの好みに合うかはわかりませんが、十分に小説の主人公ができそうなキャラが生まれたと思います。

■本日のまとめとアクション

・自分の好きな作品からモデルになるキャラを選ぶ

・そのキャラから不要な要素を無くす

・自分の好きな要素、癖を足していく

・要素は詰め込みすぎないうようにする

・基本的にはモデルキャラをリスペクトして付け足すのはサブ的要素が良い


 最後になりますが、私はエブリスタでファンタジー系を中心に執筆活動をしています。

 エブリスタは、小説の書けるSNSのようなサイトです。
 是非、こちらでも繋がってください。

 小説も読んでくだされば、とても嬉しく思います!
 それでは今日も昨日よりも、少しでも前に進める1日にしていきましょう!!


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