コーヒーが暴くは


 
最近どうにも子供の姿が増えたように感じる。それもあの路地裏に喫茶店ができたころからだ。怪しい、、。

---チリンチリン---

店には店主らしき人物は見当たらない。カウンターには子供が一人いるだけだ。

「なあ坊や。この店の息子かい?ここの店主を呼んできてほしいんだけど。」

「俺がその店主だ。なんか用か?」

子供のわりにかわいく見えない子だ。

「まあなんだ。とりあえずコーヒーでも飲んどけ。コーヒーは飲めるか?」

「俺は大人なんだから飲めるわ。馬鹿にするな。」

(ゴク…ゴク…)

んん?カウンターの席が近くなってないか?それに手も違和感が。

「ああっ!」カップに移っていたのは子供の姿だった。

「くそっ。子供だからと油断した!お前もほんとは大人で街の人間を子供に変えたんだろ!どんな薬を使った?!」

「いやいや薬なんか使ってないさ。それにおれはコーヒーが飲めるか聞いたじゃないか。」

聞くところによるとこの店主も知らなかったらしく今までの客もそれを飲んでしまったようだ。

「コーヒーを飲めるのはほんとのオトナだけだ。所詮俺たちは体だけが大きくなった子供に過ぎないんだろう。まぁ、オトナなんて子供の理想を詰め込んだ完璧な人間でこの世にはいないのかもな。」

 


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自分はコーヒー全然飲めるけど人によって飲める飲めないってあるよなあ、ってことと、大人って何だろうって考えた時に、結局大人はみんなが「こうありたい」と思う理想で、ほんとに大人でいられる人は少ないんだろうなという考えから書きました!

追伸
飲み物つながりで「カルピスは初恋の味」ってキャッチフレーズから何か物語つくろうとしたけどギブアップしました笑。


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