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自殺を選ぶ人を減らすには?

 タレントのryuchellさんが12日亡くなった。現在警視庁は自殺を図ったと見て死亡した経緯などを調べている。お悔やみ申し上げます。
これからの記事は気分が暗くなることもありますので、見たくないい方は見ないでください。

 さて、「自殺というテーマ」はあまりブログで書くにはふさわしくないように思われるが、経営と自殺は避けて通れない、時に知らないでは済まされないこともあることなので、一度調べて見ることにした。

自殺のイメージ

 自殺者についてのイメージはどのようなものを持たれているだろうか?日本は若者が多い?経済的な理由による自殺者が多い?コロナ禍で、自殺者は増急増した?こんなふうに思われる方もいるのではないだろうか。かく言う私も実はその一人であった。

令和4年の自殺者は21,843人

 厚生労働省、警察丁が毎年発表している調査結果によると令和4年の自殺者は21,843人で男性14,746人、女性7,135人となっている。

厚生労働省令和4年中における自殺の状況

 図を見ると平成21年の32,845人から緩やかに減少を続け、令和1年に20,169人となり、令和4は21,881となり1,712人8.5%増加したことになる。因みに男性の自殺者は女性の2.1倍となっている。
 また、平成10年に自殺者が急増しているのが分かる。このときは旧長銀が不動産バブルで多額の負債を抱え込み国有化され、金融不安から橋本内閣が退陣し小渕内閣が誕生した次期である。この際には1年で8,472人も殺者が急増し、その後も高い推移が続いた。今回のコロナ禍の自殺者は急増しておらず、国による経済的なサポートはこれまでのところ前回の経済危機よりもうまく舵取りが出来ていると言える。

自殺者の詳細

 さて次に自殺者の状況について厚生労働省が警察庁と協力してデータを取っており、そこから様々なことがうかがえる。
自殺の方法 首つり 14,716人(67%)第1位
場所        13,539人(62%)第1位
同居人の有無  有 14,243人(65%)第1位
年齢別 50-59才 4,088人(19%)第1位
    20ー29才 2,479人(11%)第7位
未遂歴        4,250人(19%)第1位
          厚生労働省データより筆者が加工

自殺者の動機

1位健康問題 12,715人 41%
2位家庭問題     4,798人 15%
3位経済問題  4,681人 15%
4位勤務問題  3,018人 10%
5位 不詳   2,762人  9%
6位 交際     804人  3%
7位 学校     585人  2%
   厚生労働省データより筆者が加工 
 なお、自殺者の54%は無職である。

 また、自殺者のうち、関係者から動機を4件まで選んでもらっているため、数値は実際の自殺者を超る数字となっている。

データから何を読み取るか?

 冒頭でイメージしたように、ニュース等で若者の自殺が多い。コロ他ナ禍で自殺者が急増したなどは入らず知らずのうちに目に入ってくるニュースなどの影響が強い。実際のデータから類推するとこんな仮説が立てられる。

自殺を減らすための施策とは?

 自殺者をとにかく激的に減らす戦略をとるには戦術として以下の3つが考えられる。①無職者が多いので、希望する人には何らかの仕事に携わってもらうこと。②健康問題でなくなる人が多いので、病気の治療と供に病気と向き合うカウンセリングが重要。③同居人同士でのコミュニケーションが必要。特に男性は健康上の悩みや経済的事情を話すのが恥ずかしいと考えたりしがちであるようなので要注意。

 健康上の問題や経済的な悩みを抱えた50歳代の男性が家族にも相談できずに、ある日ひっそりと自宅で首をつって死んでいる。残された家族は一生後悔の念に駆られてしまう。データを実生活に活かして、日本の自殺者数を減らして頂きたい。



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