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それでも生きる

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母子家庭で育ち、母が鬱病と糖尿病で仕事ができなくなった事から、私は中学生から働き始め、19歳の時、仕事中の事故で右手前腕を失いました。 右腕を失ってから、更に厳しい現実に何度も直…
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#障害者

それでも生きる(7:生きるためのリハビリ〜障害者の自覚)

それでも生きる(7:生きるためのリハビリ〜障害者の自覚)

 朝食を食べ終えてから、リハビリルームに向かうと、作業療法士さんに、右腕の痛みと付き合うためのリハビリとして、
「作業療法士さんに右腕を叩いてもらう」
 というメニューの追加をお願いした。
 『もっと激しい痛み』を体に染み込ませて、その『もっと激しい痛み』に耐えていく内に、日常の痛みを大きな痛みと感じなくさせるという意図があった。
 考え方を変えれば、日常の痛みに耐えられるだけの精神力を築くという

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それでも生きる(8:母の介護をする障害者)

それでも生きる(8:母の介護をする障害者)

 退院をして家に戻ってきた。
 安心感を得られるかと思ったら、そんな状況ではなかった。
 母の糖尿病の症状が悪化しており、歩くのが難しくなっていたのだ。
 母は、オムツを着用して生活をするようになっており、また、そのオムツの交換を母自身で行う事が難しく、自分がオムツの交換を行う事となった。

 利き手であった右手ほど、左手はまだ器用に動かせる段階ではなく、しかも片手でオムツを交換しなければならない

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