育児と親育ち(小児科にて)
先週の話。
高校生息子がどうにも体調が悪い。
ずっと咳が止まらず、本人もとても苦しそう。
(コロナではない)
高校生なので「内科」を受診しようと思ったが、市内で評判の【見立てのいいじいちゃん先生】のいる「小児科」を受診した。
小さい頃一度やっただけだが、何となく「アレルギー」か「肺炎」のような気がしたので血液検査をしてもらった。
今日はその結果を聞きに行ったのだった。
1.手が当たった(痛かった
さすが人気の小児科だけあって、待合室に入りきれず玄関や外まで患者の子どもと親があふれていた。私はネットで予約をして、診察終了時間ギリギリに行ったのだがまだその状態だった。
(やっぱすごい人気だなぁ・・・)
小児科に子連れではなかった(親だけ結果を聞きに行ったため)私はとても浮いていた。受診する子ども達も待たされて退屈なのか暴れたり、泣きわめいたり、本を読み漁ったり。まぁまぁ、親も大変そうでした。
感染症室(別室がある)も溢れかえっていた。
親御さんたちは、自分の子どもが他の子やモノに触れないように必死で止めていた。コロナがなかったころも、(小児科はこんな感じだったかもなぁ…)と思いつつ眺めていたら。
「こら!〇〇!やめなさい!なにやってるのーー!!!!」
と言っている大きな声が待合室に響き渡る。
ようやく歩き始めて色んなものを触るのが楽しい2歳くらいの女の子(以下妹)と幼稚園の年少さんくらいのわんぱくな男の子(以下わんぱく君)と
おなかの大きな妊婦のお母さん。髪の毛は完璧にカラーリング(ところどころメッシュをいれてあって)お化粧も綺麗になさっておいでで。
子育てが大変だろうけど、身なりにも気を使ってすごいなーと思った。
お母さんは苦しそうだったがずーっと2人を追い回していた。
そして大きな声でずっとしゃべっていた。
(妊娠してるし、大変だよなぁ・・・)
そう思っていたとき
「バチン!」
いきなり私は右腕をはたかれた(笑)
びっくりして見ると待合室の椅子からジャンプしている子がいて、その子が手を思いっきり振ってジャンプしたので私にあたったのだった。
わんぱく君だった。
当たったのに気付いていなかった。
痛いそぶりもしたけれど。気づかなかった。
(ああ、この子は他人との距離感がわからない子なんだ・・)
そう思ってみていた。
その現場をお母さんも見ていた。でも「すみません!」の一言もなく。
(そこに座ってるから悪いんじゃん)みたいな顔して睨まれてしまった(笑)
・・・・。
(まぁ、そうだよね。自分のことで精いっぱいだよね。妊娠してるもんね)
と思っていた。
子どもと妊婦に優しい社会であるべき。
いつもそう思っているのだけど・・・・・・・・
2.腑に落ちなかった
小児科で退屈して動き回る子どもがいるのは仕方がない。
手が当たったのは仕方がない。わざとじゃない。
子どもだもの。というか気にもならなかった。
だけどずーっと「ダメ!」「やめて!」などと言いながら子どもの頭をたたいていたお母さんがとても気になった。
妊婦さん、もうすぐ生まれそうなお腹。精神的にギリギリなんだろうと思う。子どもを追いかけまわしながら何度も何度も深いため息をついていた。
うーん。なーんか。ちょっと違うなと思ってきた。
小児科で自分の子が退屈して暴れちゃうの、確かに気になるけれどさ。
周りもみんな同じような感じだった(走り回る)し。
それより子どもをヒステリックに叱っている声のほうがうるさくて迷惑だったのよね。多分それには本人気付いていない。
耳ふさいでいる子もいたんだよね・・
3.気になったこと
妊娠中感情の起伏が激しくなったり、先に生まれている子どもたちが赤ちゃん返りをしたりするのが煩わしいこともわかるんだけど。
ちょっと𠮟り方が尋常じゃなかったから気になった。
・相談する人いるのかな?
妊娠していて、子どもが小さくて。苦しくてつらいことをわかってくれる人が身近にいない気がしていた。ため息がすごかったので・・
・家族計画はきちんとできていたのかな?
若い時にじゃんじゃん産むのは、ありがたいことなんだけど。
自分が無理してしまうような子作り&子育てはあまりお勧めしたくない。結婚しても避妊することはできる。夫婦でその話し合いができないのはすごく問題。
昨今の実子幼児虐待死事件を見ると。
避妊せず性交渉すること=子どもを産んで大人になるまで責任をもって育てることという関係が成り立っていることが理解できていない大人が多いような気がする。
・お兄ちゃんは愛着障害(赤ちゃん返り)かな・・
子ども(わんぱく君・妹)の様子を見ていたら、まぁ2人とも色々触ったり走ったりしていたけれど。お兄ちゃんのほうはお母さんから指示を受けたことはきちんとやっていた。
「妹ちゃんが持ってきた本を片付けてきてほしい。」とか
「妹ちゃんの靴も持ってきて。」とか。
お兄ちゃんになるから、と言ってお手伝いさせるのも大事だけど。負担になってそうだった。
さらにわんぱく君が抱っこされたくてお母さんに近づいたときふりはらわれていた。
「あんたもそういうことしたいの?もうお兄ちゃんでしょ??」
と言われて。
あとお母さんのスカートの中にずっと手を入れていて
「ちょっとパンツ見えるからやめてくんない?」
とイラッとした口調で手をつかまれる。
明らかに拒絶されている。
(その反動でああいう暴れ方をしているのかな・・)と思った。
4.イレギュラーな人たちこそ親が親として生きていくための教育機会があれば
結局私は子どもの手が当たった後、なぜかお母さんに睨まれたので何も言わなかった。よくないなーと思いつつ。でも方法が見つからなかった。
壁を作られたらこちらも対応できないし。無理やりおせっかい焼くのも違う気がした。
うちは息子(高2)娘(小3)も分別のつく子になったので、わちゃわちゃ子育てっていうのはもうなくなったんだけど。
失礼を承知で必死に子育てをしている人に時々感じることがある。
(親は育っているのだろうか?)
育児の助成金がたくさん出るようになった。
それでもお金に困っている人はまだたくさんいるのかもしれないけれど。
「親が子育てによって育つ環境」はあまり変わっていない気がする。むしろ悪化しているようにも思えるんですよね。
お金さえあれば、保育園にもやれるし何でも買ってあげられる便利な時代になって親が子どものまま子育てしていないか?
むかーしむかしの古い時代では「子どもを育てたら自分も親として自然に育っていく」みたいなこと言ってた時代もありました。(笑)
まぁそんなことはない。昔も今も。
親として子どもを育てていくうえで必要な知識や情操は自然とは身につかないから、子どもの命を虐待や暴力で軽々と奪ってしまう親が増えたのではないか。
産婦人科で妊婦健診の時に「母親学級」「父親学級」というシステムもありますが子どもが大きくなってから、子育てのための相談はできても教えてくれるところは少ない。
乳幼児健診など行くと、自治体の保健師さんたちが相談に乗ってくれたりもしますけど。日本の子育てシステムにのっとって生きている人はいろんなタイミングで「子育てはなんたるか」を知る機会が多い。一方望んで妊娠しなかった人たちはいきなりイレギュラーになって、そのシステムにのれなくなってしまう。多産の場合も上の子どもは保育園退所になったりする自治体もあって。親が学ぶ機会なんて忙しくてないと思う。
そういう方たちこそ、子育てのアドバイスや相談窓口が必要なのでは??お金配りばかりでなく、そういうシステムの充実をはかる必要があるのではないかと思う。
5.余談
息子の血液検査の結果、ハウスダストアレルギーとマイコプラズマ肺炎だった。小児科で色々考えさせられる事はあったけれど、まずは息子の治療に専念しよう。医療の知識はさすがに「親の教育」だけでは持てないので病院を頼るしかない。自分自身もネグレクトや無理やり子どもを作って、などと言われないように子育てをしていきたいと思う。