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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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2021年6月の記事一覧

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179: Oasis / Rockin' Chair

「ワンダーウォール」のオリジナルアーティストであるオアシスは、90年代の「ブリット・ポップ」を代表するミュージシャンであり、当時は「ビートルズの再来」と呼ばれることも多々ありました。 その理由の1つに、「B面曲に隠れ名曲が多い」という点もあったかと思います。 ビートルズのシングルB面曲は、すぐに思いつくだけでも、「アスク・ミー・ホワイ」「ジス・ボーイ」「シーズ・ア・ウーマン」「レイン」「ドント・レット・ミー・ダウン」「オールド・ブラウン・シュー」と、隠れ名曲ぞろいです。 これに対して、オアシスも「フェイド・アウェイ」「アクイース」あたりはA面にしてもいいレベルの作品だと思います。 そして、最強のB面(カップリング)曲は、シングル「ロール・ウィズ・イット」に収録されていた、この曲だと思っています。 派手さはないシンプルな曲ですが、人生をちょっと悲観的に振り返るような歌詞に、我が身を振り返って考えさせられる、そんな曲です。 元々は空いたスペースを埋めるための「B面」ですが、そんなところにも手を抜かないクリエイティヴな姿勢は見習いたいものです。

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178: The Mike Flowers Pops / Wonderwall

エンゲルベルト・フンパーディンクの「リリース・ミー」は、1949年に書かれた曲のカヴァー・ヴァージョンですが、この曲、他にもカヴァーが非常に多く、ポップ・スタンダードと呼んでいいと思います。 そんな中、1996年にリリースされたマイク・フラワーズ・ポップスのヴァージョンは、遊び心満載のパロディ・ヴァージョンで、当時よく聴いていました。 そんな彼らを一躍有名にしたのがこの曲。 タイトルが示す通り、オアシスのカヴァーですが、1995年、オアシスのオリジナル・ヴァージョンがまだチャートインしている時期にリリースされ、UKナンバー2まで上昇するビッグヒットとなりました。 イージー・リスニングというか、ラウンジ・ミュージックというか、まあ、彼らの「通常営業」ではあるのですが、MVで見せてくれる「いちいちカメラ目線」には笑わせてもらいました。

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177: Engelbert Humperdinck / Release Me (and Let Me Love Again)

ザ・バンドからの「リリース」つながりですが、ここまで変わるか?、ってくらいに、サウンドがまったく異なります(笑)。 エンゲルベルト・フンパーディンクは、60年代から70年代にかけて、絶大なる人気を得たUKのポピュラー歌手です。 その名前から、私、勝手にドイツ系と思い込んでいましたが、これはドイツの作曲家にちなんだ芸名とのこと。 この曲は、そんな彼の最初のビッグヒット(UK1位/US4位)。UKで56週連続チャートインという記録もすごいですが、ロックファンにとって、この曲は「ビートルズの連続ナンバー1を止めた」ということで記憶されています。 1967年の3月から4月にかけて、この曲がトップの座に6週居座っていたために、ビートルズ「ペニー・レイン/ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」は最高位2位に終わっています。 ビートルズの最高に革新的なシングルを抑えたのが、エヴァ―グリーンなポピュラーソングだったというのも、音楽の歴史の1ページなのでしょう。

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176: The Band / I Shall Be Released

リヴォン・ヘルム、リック・ダンコとくれば、トリはリチャード・マニュエルに登場いただきましょう。 ザ・バンドではピアノ以外にドラムも叩くなど、彼もマルチ・プレイヤーですが、最大の魅力は、やはり唯一無二のヴォーカルでしょう。 土着的で大らかというザ・バンドのイメージとは対照的な、神経質なまでに繊細な彼の歌声があったことが、ザ・バンドのサウンドの幅を広げていたことは間違いありません。 その代表と言えるのが、1stアルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』に収録されたこの曲。ボブ・ディラン作のこの曲で、彼はファルセットを使った実に印象的なリード・ヴォーカルを披露しています。 「いつの日か、僕は解き放たれるんだ」というサビのリフレインを聴いていると、本当に切なくなってきます。 最初は『ラスト・ワルツ』でのライヴ映像を貼ろうかとも思いましたが、コンサートの終わりにディランを囲んで大団円、という雰囲気はこの曲に似つかわしくないような気がして、アルバムヴァージョンにしました。 リチャード・マニュエルは1986年に自殺。1999年にはリック・ダンコが、2012年にはリヴォン・ヘルムが亡くなっており、ザ・バンドの『3枚看板』はもう誰もこの世にいないと思うと、本当に寂しいです。

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175: The Band / It Makes No Difference

ザ・バンドの代表作として語られることが多いのは、1stと2ndでしょうか。 そして、6thアルバム『南十字星』(US26位)も、その2枚に肩を並べる傑作と言えるでしょう。こちらを最高傑作に挙げる人も多いのではないでしょうか。 この曲は、その『南十字星』に収録されたナンバーで、リードヴォーカルは、ベースのリック・ダンコ。 「太陽はもう輝かない/俺のドアに雨が降り落ちる」と歌われるサビの3声コーラス(リック・ダンコ、リヴォン・ヘルム、リチャード・マニュエル)は、何度聴いても心を打たれます。 エンディングのサックスは、オルガンのガース・ハドソン。本当に器用なマルチプレイヤー揃いのグループです。 このアルバムのリリース当時、バンド内の人間関係(特にロビー・ロバートソンとほかのメンバー)はギクシャクしていて、実際、これ以降は「ラスト・ワルツ」を経て解散へと向かうことになります。 そういうことを思いながら聴くと、一層心に沁みる名曲です。

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174: The Band / The Night They Drove Old Dixie Down

ロックにおいて、マンドリンはさほどメジャーな楽器ではありませんが、マンドリン・プレイヤーで思い当たるのが、リヴォン・ヘルム。 偉大なるグループ、ザ・バンドで唯一のアメリカ人(他の4人はカナダ人)である彼の本職はドラムですが、数曲で弾いているマンドリンが良い味を出しています。その代表が、1969年リリースの2ndアルバム『ザ・バンド』(US9位/UK25位)収録の「Rag Mama Rag」。 なんですが... このアルバム、ザ・バンドの曲の中で私が一番好きな「オールド・ディキシー・ダウン」が収録されているので、こちらを取りあげます。 リヴォン・ヘルムは、いつも通りドラムを叩きながら、リードヴォーカルを担当しています。 この曲は、映画『ラスト・ワルツ』の中でも演奏していますが、サビの前でロールをしながら普通に歌っているのを見て、高校生の私はビビったことをよく覚えています。 ザ・バンドのヴァージョンは、「クリプル・クリーク」のB面としてリリースされたのみですが、1971年にジョーン・バエズがカヴァーし、US3位/UK6位の大ヒットを記録しています。

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173: Steve Winwood / Back In The High Life Again

ブラインド・フェイス解散後のスティーヴ・ウィンウッドは、再結成したトラフィックやいくつかのコラボレーションを経て、1977年に初のソロアルバムをリリースします。 個人的に印象深いのが、1986年にリリースされた4thアルバム『バック・イン・ザ・ハイ・ライフ』。シングル「ハイヤー・ラヴ」がUSナンバー1になるなど大ヒットしたので、同世代の方はご同意いただけるのではないでしょうか。 この曲はアルバムのタイトル曲(最後に「アゲイン」がついてるけど)で、5枚目のシングルとしてカットされています(UK53位/US13位)。また、USアダルト・コンテンポラリー・チャートではナンバー1となっています。 サビのハーモニー・ヴォーカルはジェームス・テイラー。絶妙のハーモニーを聴かせてくれます。 そして、この曲の雰囲気を決定づけている、味わい深いマンドリンは、ウィンウッド自身が弾いています。さすが、マルチプレイヤーですね。

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172: Blind Faith / Presence of the Lord

1967年に始動したトラフィックでしたが、1969年、スティーヴ・ウィンウッドがブラインド・フェイスを結成するために脱退し、活動を休止します。 ブラインド・フェイスは、エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカー(ともに元クリーム)、リック・グレッチ(元ファミリー)、そしてウィンウッドという「スーパーグループ」でしたが、アルバム『Blind Faith』1枚を残して、あっけなく解散しています。 そのアルバムも、「このメンバーだったら、もっとブルージーなサウンドを期待したのに...」と言う評価も多く、さらに、悪名高いジャケット(この動画のサムネイルです)が物議をかもすなど、なんとも言えない「お騒がせ」感が漂います。 とはいえ、UK1位/US1位の歴史的なアルバムであることは間違いありませんし、あえてゴリゴリのブルースを追求しなかったことに意味があるようにも思います。 ゴスペル調のこの曲は、クラプトン作曲。その後の彼のソロでも演奏されていますが、個人的にはウィンウッドのヴォーカルが合っていると思います。

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171: Traffic / Paper Sun

「ペイパー」つながりで、40年ほど時代を遡ります。 この曲は、1967年5月にリリースされたトラフィックのデビュー・シングル(UK5位/US94位)。 リリースされた時期がそうさせるのか、デイヴ・メイスン奏でるシタールの音色が、実にサイケデリックな雰囲気を醸し出しています。 ヴォーカルのスティーヴ・ウィンウッドは、当時19歳になったばかりですが、スペンサー・デイヴィス・グループに参加したのは14歳の時なので、すでにキャリア5年!ソウルフルなヴォーカルは、10代にしてすでに完成されています。 まあ、それにしても、こんなMVが作られていたことを初めて知りました。Wikipediaによると、ベルギーの王立中央アフリカ博物館で撮影されたとのことです。

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170: M.I.A. / Paper Planes

コーナーショップ同様、UKを拠点とするアジア系のミュージシャンに、スリランカ人のM.I.A.がいます。 父親はスリランカの武装テロ組織のメンバーで、幼い頃生き別れになり、難民としてロンドンに移ってきたという、かなり濃い生い立ちです。ステージネームのM.I.A.も、「Missing In Action」(活動中行方不明)の意味で、父親に宛てたメッセージとのこと。 そんな彼女の最大のヒット曲が、2008年にリリースされたこの曲。UK19位/US4位と、本国UKよりUSの方がヒットしています。 ザ・クラッシュの「ストレイト・トゥ・ヘル」をベースにしたトラックが印象的で、パンク・ロック好きとしては、無条件に反応してしまいます。 そして、サビの部分で、銃声とレジが開く音のサンプリング音が響いた後、「And take your money」というラップの生々しさが印象的でした。

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169: Cornershop / Brimful of Asha (Norman Cook Remix)

「コーナー・ショップ」は街角にあるお店、要は「雑貨屋」を意味するようですが、この言葉をグループ名にしたバンドがUKにあります。インド系イギリス人のティジンダー・シンを中心に、1991年に結成されています。 彼らの最大のヒット曲が、1997年リリースの3rdアルバム『When I Was Born for the 7th Time』(UK17位)収録の「Brimful of Asha」。ちなみにAshaとは、インドの国民的なプレイバック・シンガー、アシャ・ボスレのことのようです。 この曲、最初にシングルリリースされたときはUK60位のマイナーヒットでしたが、その後ノーマン・クック(ファットボーイ・スリム)のリミックス・ヴァージョンが評判となり、再リリースされ、見事UKナンバー1を獲得しています。 私、あまりリミックス作品というものにいい印象がないのですが(時代遅れな人間ですので...)、このリミックスは、テンポアップによりシングル向きのよりポップな仕上がりとなっており、当時よく聴いていた覚えがあります。 とはいえ、オリジナルのまったりした感じも良いので、ご興味のある方は、ぜひとも両方を聴き比べてみてください。

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168: The Jam / Man In The Corner Shop

また、おとといのザ・ジャム「スタート」に戻りますが、この曲を収録したアルバム『サウンド・アフェクツ』の収録曲で、個人的に大好きなのがこの曲です。 シングル・カットされたわけでもなく、ほとんど話題になることはないですが、サビの「ラ~ララ~ラ~ラ~♪」のリフレインが耳に残ります。 そしてこの曲、歌詞が印象的です。 最初は、コーナーショップにやってきた工場労働者が、工場の仕事に辟易して「自分の店を持つっていいなぁ~」と店主を羨ましがる。 次は、今度は工場のボスが店にやってきて、店主は葉巻を売りながら、「工場を持つっていいなぁ~」と工場のボスを羨ましがる。 まあ、要するに「隣の芝生は青く見える」ってやつです。 次のコーラスでは、そんなすべての階級の人が教会に行って祈りを捧げ、ここではすべての人が1つになると歌われる。 そして最後に「神はすべての人を平等に作られた」というリフレインが繰り返されます。 怒れる若者の代表として登場し、ストレートなメッセージソングを歌っていたポール・ウェラーが、労働者階級目線を忘れることなく、ひねりの効いた深みのある歌詞を書いていることに成長の跡を感じます。 当時ポール・ウェラーはまだ22歳。すごいとしか言えません。

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167: The Smokin' Mojo Filters / Come Together

今日6/18は、サー・ジェームス・ポール・マッカートニー79回目の誕生日。せっかくなので、ポール・マッカートニーにもご登場いただくように「強引に」つなげます。 元ザ・ジャムのポール・ウェラーが、ポール・マッカートニー、ノエル・ギャラガー(オアシス)らと結成したスーパー・グループのシングルがこの曲。 1995年リリースのチャリティー・アルバム『The Help Album』に収録され、その後シングルとしてもリリースされました(UK19位)。 ビートルズのオリジナルでは、ジョン・レノンがヴォーカルですが、ポール・ウェラーのヴォーカルも渋くて、なかなか味があります。 オアシスはまだデビューして日が浅く、この直後に2ndアルバム『モーニング・グローリー』をリリースするのですが、偉大なる2人のポールと並んで、ちょっと緊張気味のノエル・ギャラガーが微笑ましいです。 そんな後輩たちと楽しそうに演奏するポール・マッカートニー。昨年もソロ・アルバムをリリースするなど、精力的に活動を続けています。 その音楽への情熱を、見習いたいと思います。

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166: The Jam / Start!

ビートルズ「タックスマン」のギター・リフとベース・ラインをほぼそのまま拝借したのが、ザ・ジャムが1980年にリリースしたこの曲。 5thアルバム『サウンド・アフェクツ』(UK2位/US72位)からの先行シングルとしてリリースされ、彼らにとって2曲目のUKナンバー1となっています。 リフはそっくりですが、コード進行やメロディーはまったく似ていないので、「パクリ感」はないですね。 ザ・ジャムと言えば、パンクやモッズのイメージが強いですが、ビートルズからも強く影響を受けていて、未発表のデモ音源では、ビートルズの「アンド・ユア・バード・キャン・シング」のカヴァーを聴くことが出来ます。 もっとも、70年代以降に登場したUKのバンドで、ビートルズから影響を受けていないというのが、ほぼほぼ不可能なことではありますが。