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ざっくりと日々の記録。

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記事一覧

20240722

一   枚 ぬ  い  で み  る

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7時間前
21

20240721

朝 鳴き始めた ひぐらし 横になったまま 窓のほうを見ると 淡い水色が 目に入り 鳴き声が うぐいすに 代わる頃 それは 徐々に 白く 白く 庭に出ると 風が触れて…

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22時間前
31

20240717

今日は 友だちの誕生日 出会ったとき 私たちは 高校一年生でした 彼女は 陸上部で短距離を走りながら かけもちで 文芸部に所属して 小説を書いていました 実は 一度だ…

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5日前
35

20240716

雨続き 洗濯物が乾かなくて 仕方なくコインランドリーへ 待つ間 街をぶらつきながら 足下を 山からの伏流水が 流れていることを ふと思い出し 暗渠となった その流れに…

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5日前
23

20240713

もう少しで 触れることが できるかもしれない そんな風にかんじたのは あのときがはじめてでした ガードレールをはさんで 隣り合わせの それは 若い牡鹿でした 長く 終…

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8日前
44

20240710

朝がきて ひぐらし カナカナカナカナ 背中から 布団の海に沈みこみ あなたの声で 目がさめて まとまらぬ 髪を何度も結いなおし 書いて消し 消しては書いて また消して …

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11日前
15

20240708

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2週間前
45

20240707

朝 いつもと同じ 穏やかな空気 でも なにかが ちがう なんだろうと どこか フワフワしていたら 沿道から 草刈りの音がして 慌てて着替えて 飛び出しました 軍手と…

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2週間前
49

20240704

ポ ケ ッ ト   の 中  に

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2週間前
44

20240702

たまに所用で 都内へ行くのですが 今日はその日で 朝から あちこち巡ろうと 楽しみにしていたところ 途中 思わぬ足止めを 食らいました 車を停めて 駅へ向かう途中 …

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2週間前
49

20240701

久しぶりの 鍾乳洞 一步踏み入れた その瞬間 ここはもう かつての場所では ないことに気づきました 広々とした空間 さまざまに変化する色彩 岩肌も一様ではなく たど…

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3週間前
52

20240628

今月も 残すところ あとわずかとなりましたが いかがお過ごしでしょうか 実は 六月は わたしが幼い頃 一緒に暮らしていた 祖父の命日があり ふだんあまり見かけない 生…

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3週間前
58

20240623

今日は 久しぶりに 会いに行ってきました わたしの いいところも わるいところも たぶん一番 知ってる人に 昔 勤めてた先の上司であり 母親代わりみたいな ひとなのだ…

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4週間前
55

20240621

朝のショッピングモール 開店時間を待つ車内で 雨粒の弾ける音を 聞きながら うたたねしていると スルスルと 手から 余計なちからが 抜けていく気がした このまま…

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1か月前
40

20240620

今日は珍しく 他の人に便乗して 三人組で山へ まだ 十歩くらいしか 数えぬうちから 早くも ついていかれぬ気配に 慌てて 腰を立てなおしました 広葉樹の なだらかな小…

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1か月前
53

20240619

今日は 駅に向かう途中 藪の中に ルリボシカミキリを 見つけました ルリボシカミキリ を見ると ふっと 思い出すのが とある博士の書いた 本のタイトルと その中におさめ…

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1か月前
48
20240721

20240721



鳴き始めた
ひぐらし

横になったまま
窓のほうを見ると

淡い水色が 目に入り

鳴き声が
うぐいすに
代わる頃

それは 徐々に 白く 白く

庭に出ると 風が触れて

洗い上がりの洗濯物に

バッタが一匹
飛びついて

シーツの白に
緑が映えて

見つめていたら

思わず時間が
止まるよう

それから

緑を手に乗せ
甘噛みされて

はじめて

ここ数日の忙しなさから

ようやく

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20240717

20240717

今日は
友だちの誕生日

出会ったとき
私たちは 高校一年生でした

彼女は
陸上部で短距離を走りながら

かけもちで
文芸部に所属して
小説を書いていました

実は
一度だけ
彼女の小説の
登場人物になったことがありました

授業をボイコットする
主謀者みたいな役だったので
ちょっとびっくりしたけど

休みがちで
教室にいることの少ない私を
思い出してくれていることが
嬉しかった

彼女とは

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20240716

20240716

雨続き

洗濯物が乾かなくて
仕方なくコインランドリーへ

待つ間
街をぶらつきながら

足下を
山からの伏流水が
流れていることを
ふと思い出し

暗渠となった
その流れに沿って
歩いてゆくと

その先には神社があり

気まぐれに
白い鳥居をくぐりました

雨だけど
人がぽつりぽつり

柏手の音が響く中
自分でも打ちながら

人によって
音がさまざまで
面白いなと思ったり

帰り道

も一つ

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20240713

20240713

もう少しで
触れることが
できるかもしれない

そんな風にかんじたのは
あのときがはじめてでした

ガードレールをはさんで
隣り合わせの

それは
若い牡鹿でした

長く
終わりの見えない
当時の生活に

終止符を打ちたくて

いつものパンプスを履いて
自転車で向かった先は

駅ではなく
まだ行ったことのない
山でした

誰かの
歩いたはずの道を
たどりながら

岩肌をなで

鎖場を越え

傾きか

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20240710

20240710

朝がきて
ひぐらし
カナカナカナカナ

背中から
布団の海に沈みこみ
あなたの声で
目がさめて

まとまらぬ
髪を何度も結いなおし
書いて消し
消しては書いて
また消して

夕になり
またひぐらし
カナカナカナカナ

20240707

20240707



いつもと同じ
穏やかな空気

でも なにかが ちがう

なんだろうと

どこか
フワフワしていたら

沿道から
草刈りの音がして

慌てて着替えて
飛び出しました

軍手と鎌を
片手に走り

どんな顔して
誰に話しかけたらいいのかと
思いながら駆けつけると

ご近所の方々は
もう帰支度を
はじめるところでした

一番近くにいた人に
遅れてすみませんと
頭を下げて

一人でもやろうと
草をいじ

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20240702

20240702

たまに所用で
都内へ行くのですが

今日はその日で

朝から
あちこち巡ろうと
楽しみにしていたところ

途中

思わぬ足止めを
食らいました

車を停めて
駅へ向かう途中

少し時間が早いからと
立ち寄った公園で

一本の木のそばに
さしかかったときのこと

こんなに
よいお天気なのに

ぽたりぽたりと
しきりに音がして

なんだろうと
梢を見上げると

目の中に何かが
落ちてきて

それは

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20240701

20240701

久しぶりの
鍾乳洞

一步踏み入れた
その瞬間

ここはもう
かつての場所では
ないことに気づきました

広々とした空間

さまざまに変化する色彩

岩肌も一様ではなく

たどりついた
その場所は

記憶には
定かではないけれど

どこか
胎内を思わせるものでした

なめらかな凹凸を
目で触れながら
身を任せられる場所を探し

しばらく
放心していると

どこからか
あたたかい風を かんじ

ぽち

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20240628

20240628

今月も
残すところ
あとわずかとなりましたが
いかがお過ごしでしょうか

実は

六月は
わたしが幼い頃
一緒に暮らしていた
祖父の命日があり

ふだんあまり見かけない
生きものを目にして

祖父が会いに来てくれたのかな?
なんて思うことが何度かありました。

そんな流れで
今日は祖父のことを
すこし書きたいのですが……

祖父は
埼玉の田舎の生まれで

前橋、山形、長崎と
単身転々としながら

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20240623

20240623

今日は

久しぶりに
会いに行ってきました

わたしの
いいところも
わるいところも

たぶん一番
知ってる人に



勤めてた先の上司であり
母親代わりみたいな
ひとなのだけど

たぶん

お互いに

大好きで 大嫌いで

数年前に

今思えば
ささいなことがきっかけで

もう一生会うことないかも

なんて思っていたけど

今日は

あの人に
どうしても会いたかった

そうして たぶん
叱って

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20240621

20240621

朝のショッピングモール

開店時間を待つ車内で

雨粒の弾ける音を

聞きながら

うたたねしていると

スルスルと

手から

余計なちからが

抜けていく気がした

このまま

開店時間になっても

ずっと このまま

微睡んでいたかった

たのまれた

おつかいは

今日発売の新刊の

漫画を二冊

うん わかってる

引き受けたことを

一瞬 後悔し

眠気と

少しのやるせなさを

音も

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20240620

20240620

今日は珍しく
他の人に便乗して
三人組で山へ

まだ
十歩くらいしか
数えぬうちから

早くも
ついていかれぬ気配に

慌てて
腰を立てなおしました

広葉樹の
なだらかな小径が

次第に
針葉樹の斜面にかわり

傾斜が急に
なる度に

また
腰を立てなおし

踵で地面を
捉えなおす

軽く顎を引いて
呼吸を深く保ちながら

首はできるだけ自由に

最適な
次の一歩を
探しながら

ときには
鹿の

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20240619

20240619

今日は
駅に向かう途中

藪の中に
ルリボシカミキリを
見つけました

ルリボシカミキリ
を見ると
ふっと
思い出すのが

とある博士の書いた
本のタイトルと
その中におさめられた
お話の一つ

それから

そのお話を一緒に読んだ

当時中学生だった

ある男の子のこと

彼とは
わたしが二十代半ばに
田舎の家庭教師を
していたときに
出会い

ほんの一時
姉と弟みたいに
過ごしたのだけど

ある

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