20240707
朝
いつもと同じ
穏やかな空気
でも なにかが ちがう
なんだろうと
どこか
フワフワしていたら
沿道から
草刈りの音がして
慌てて着替えて
飛び出しました
軍手と鎌を
片手に走り
どんな顔して
誰に話しかけたらいいのかと
思いながら駆けつけると
ご近所の方々は
もう帰支度を
はじめるところでした
一番近くにいた人に
遅れてすみませんと
頭を下げて
一人でもやろうと
草をいじりはじめると
結局
また 皆さん
お付き合いしてくださり
帰り際
ところで
どちらさまですか
と訊ねられ
ほんの少しの間をおいて
私のものではない苗字を伝えると
お相手は あぁと 一言
何か 合点がいったようで
知らないところで
また一人
「私」が複製されたような
不思議な気持ちになりました
帰宅して
一休みしていると
ポケットに
何かあるのに気づき
手を入れてみると
それは
いつか拾った
クルミの殻でした
それから
銀色の浴槽に水を溜め
ぼんやりと眺めていたら
ほの青く光り
この色は
どこから来るのかしらと
探してみると
窓の外
空が見えました
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