広島お好み焼き屋【皐月】の看板娘のリムは実は竜の姫巫女様でした! 第12話 病院へと着きました! (3)
第12話 病院へと着きました! (3)
だってリム達、竜神族の宮殿の執事長を務める爺やはね。
リムや姉上が産まれる以前の太古……。
この地球の上にまだ生物がいない以前から。
そう、リムの他界された父上さまや伯母上達に、叔母上が産まれる以前……。
御先祖さまの代から我が王家の一族へと忠誠を誓い。
使えている老執事長だからね。
爺やが言うことは。
母上や伯母上さま達、叔母上さまよりも。
我が家では一番信頼できる確実な言葉だから。
「セバスが言うことだから、お父様は本当に大丈夫そうね。本当に良かった……」と。
姉上がエレベーターが止まり、扉が開き──。
エレベーターから出て歩き始めたのに。
また立ち停まって言葉を漏らし、安堵するぐらい。
我が家では、竜の姫巫女達の祖父のような爺やの言葉が。
一番確実で安心できる言葉だから姉上の足も止まり。
病院の病室欄の廊下──。
それも廊下の真ん中で『ホッ!』と安堵。
自身の胸をなでおろし、微笑み始めるから。
姉上、そんなところで立ち止まったら、病院関係の人達……。
間者さんや病院の先生。
看護師さんや食事を用意してくれる人達に。
病院内を掃除してくれる人達の迷惑になるから。
姉上立ち止まらない方がいいよと。
リムが姉上へと注意をしようとしたら。
「レビィア姫様、リム姫様。さぁ、早く行きましょう。このまま、この辺りで立ち止まり会話を続けていれば皆様の御通行の邪魔になり。御迷惑をかけるようになりますら。さぁ、早く、行きましょう」と。
リムの代わりに爺やが姉上へと告げてくれた。
だからリムは爺やに。
「うん、わかったよ」と頷けば。
「はい。分りました。セバス。お父様の所に案内をしてください」と。
顔を上げた姉上は、リムの言葉に続くように爺やへと言葉を返すと。
「こちらです。レビィア姫様。リム姫様……」と。
また爺やが優しくリムと姉上へと告げてくれた。
そして爺やは、リムと姉上の道案内をするために。
先を歩き始めるから。
リムと姉上の二人は慌てて爺やの背──。
今まで何度も見てきた爺やの背をリムは見詰めながら。
(爺やの背中が以前よりも小さく見えるのは、リムの気のせいかな?)と思いつつ。
リムは物心がついた頃から見慣れている。
我が家の大事な執事長の背を追いかけるように歩く。
◇◇◇
(カクヨム)
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