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東大王にも解けない?難問クロスワード

回答はXよりDMにてお願いします。 【注意事項】 ・ヴァ行の音はバ行に統一します。 ・ギリシャ・ローマ神話の固有名詞は長母音でなく短母音を使用します。 ・『聖書』の登場人物については、日本聖書協会の『口語訳聖書』に準拠します。 ・外国語の固有名詞の日本語表記にはゆれがありますが、クロスする言葉に合わせて下さい。 【ヨコ】 1. ギリシャ神話の女神でアポロンの姉妹。 5.○○○・スティーブンソン。バージニア大学の超心理学者で生まれ変わりを研究。 7.ジョン・○○○

    • 火曜日のルリコ(14)

       金曜の夜、キール大統領の乗ったエアフォースワンは、予定通り羽田に到着した。  羽田から都内のホテルまでの道程は、何十台もの車列が一切停止することなく疾走できるよう信号の操作が行われ、ホテルのチェックインも無事終了した。  大統領はホテルで着替えただけで、火野総理との会食会場となっている、都内の有名寿司店に向かった。  この夜、警備陣の大多数が羽田とホテル、寿司店周辺に配置されたため、翌日行事が予定されている四ツ谷の赤坂迎賓館周辺は、比較的警備が手薄になった。  とは

      • 新年クロスワード

        回答に際しての注意事項は以下のとおり。 ・ヴァ行の音はバ行に統一します。 ・ギリシャ神話の固有名詞は長母音でなく短母音を使用します。 ・『聖書』の登場人物については、日本聖書協会の『口語訳聖書』に準拠します。 ・外国語の固有名詞の日本語表記にはゆれがありますが、クロスする言葉に合わせて下さい。 【ヨコ】 1. 今年の干支。 3.晴明紋の通称。 5.聖母マリアの父親。 7.鬼を払う節分の宮中行事。 9.○○○神殿。サウジアラビアのメッカにあるイスラム教の聖

        • 火曜日のルリコ(13)

           外へ出ると、とにかく救急車を呼んだ。ほどなく駆けつけた救急隊員には、友人か゛酒を飲みすぎて意識を失ってしまった、と当たり障りのないことを話した。  三人の服が埃だらけだと指摘されると、優子を抱えて歩いている途中、ビルの隙間のごみ置き場で転倒したのだ、ととり繕った。  言い訳を信じてくれたのかどうかはわからないが、いずれにせよ救急隊員からは、それ以上の追求はなかった。  救急車の中で、ルリコは優子の白い手首がむき出しになっているのに気づき、そっと袖のボタンを留めてやった

        東大王にも解けない?難問クロスワード

          火曜日のルリコ(12)

          「どうしたの、アリー。遅かったじゃない」  女性客は、わざとらしく頬をふくらませたが、目の辺りは笑っていた。 「すいません。なにしろ、初来店でスードン入れてくれるお客さんがいたんですよ。店長としては、一言挨拶しないわけにはいきません」 「ま、うまいこと言って。若い娘のご機嫌とってたんじゃないの。私もまた、ドンペリ頼もうかしら」 「そんな必要はありませんよ。なにしろあなたは特別ですからね。今日はあなたに、俺からのプレゼントも用意してますよ」 「あら、うれしい、なにかし

          火曜日のルリコ(12)

          火曜日のルリコ(11)

          「じゃ、待ってる間、友達に電話させてもらうわ」  優子はバッグの口を開けて、携帯を取り出した。 「あ、ルリコ、そう、優子よ。今お店なの。お目当ての店長はまだだわ。でも、すぐに来てくれるわ。え、大丈夫よ。そんなことないわ・・・」  優子は、わざと嬉しそうな素振りで話した。もちろん、内心はかなり緊張し、心臓が高鳴っていた。でも、悟られたら負けだ。  すぐに、店の奥から、あの顔がやってきた。  実物を見ると、やはりスラリと背が高く、写真よりずっとイケメンに見えた。そう見え

          火曜日のルリコ(11)

          火曜日のルリコ(10)

           ルリコはこの日、まったく寝付けなかった。  ムーは眠そうな目をしながらも、パソコンを開いているルリコに付き合ってくれた。  自動車事故で母親を殺されたくらいで、その国の大統領まで殺すなんてことがあるのだろうか。  確かに優子は、そうとう勘の鋭い女性だし、それなりの論理的思考も駆使しているようだ。こうした才能は、きっと彼女のキャリアに役立っているのだろう。  しかし、松村が由紀奈夫人を操ってキール大統領を殺そうとしているなどという結論は、ルリコにはかなり行き過ぎている

          火曜日のルリコ(10)

          火曜日のルリコ(9)

           こいつ、かなり小心者らしい。そういえば、病院での警官に対する態度もけっこう卑屈だった。 「でも、本当にアメリカ大統領が日本の総理夫人に殺されたりしたら、ただじゃすまないわよ。また戦争になるかもね。また原爆を落とされるかも」  優子は、職業上の鉄面皮を装っているが、それでも声に、少しばかり力がこもっていた。 「でも優子さん、何で松村は、そんな恐ろしいことをやろうとしてるんでしょう」 「ルリコが言ってたの。松村の母親と弟は、ある大使館の車と衝突して死んだって。この大使館

          火曜日のルリコ(9)

          火曜日のルリコ(8)

           久保田は、じっとルリコを見つめた。 「もう一人の、池田さんとかは、どうだったのかしら」  重い沈黙を破ったのは、優子だった。 「池田のケースも変なんだ」  久保田は、ルリコを見つめたまま続けた。 「池田は若い頃から飲食店経営に乗り出し、かなり成功した資産家なんだ。ヴィンテージの高級外車を何台も持っているコレクターとしても有名だった。最近は、自分が見込んだ若い実業家にも出資してるんだけど、そんな人物が銀座の歩行者天国にベンツを乗り入れて八人もはねたんだからね。信じら

          火曜日のルリコ(8)

          火曜日のルリコ(7)

           日曜日には、『週刊セブン』から急ぎの仕事が入った。  アイドルグループの握手会で、メンバーの一人が刺されるという事件が起き、泊りがけで盛岡での現地取材を頼まれたのだ。  キール大統領来日特集のため、編集部も人手が足りず、ルリコにお鉢が回ってきたらしい。  アメリカ大統領来日特集といっても、なにしろ『週刊セブン』なのだから、アナポリス時代の都市伝説のような武勇伝だとか、ミシェル夫人とのなりそめやデートの場所、夫人のファッションなど、国際情勢とは次元の違う内容ばかりだ。そ

          火曜日のルリコ(7)

          難問クロスワード

          超常現象関連用語のみの難問クロスワード。暇な人は遊んでください。 【注意事項】 1. 聖書の登場人物表記は日本聖書協会刊『新共同訳聖書』に準拠します。 2. ギリシャ神話の人物名は、短母音表記を採用しています(ヘーラーでなくヘラなど)。 3. 外国語名は日本語表記の揺れがありますが、クロスする言葉と合わせてください。 【ヨコ】 1.ジョン・○○○○。イギリスの霊媒バートレットの偽名。 4.『旧約聖書』の登場人物で大魚に飲まれた。 5. 古代エジプトの聖鳥。アオサギの姿をし

          難問クロスワード

          火曜日のルリコ(6)

          「私も、フセイン君の名前がどんな漢字だったか覚えていません。でも、いつも亜利君と一緒にいましたよ。うちのイチゴ狩にも、よくファーティマさんと一緒に来てくれましたよ」 「そうだったね。フセインは弟と言ってたけど、日本語がほとんどしゃべれなかったよ。いつも亜利と一緒にいて、二人で何かわけのわからない言葉をしゃべってたね。きっとイラン語なんだろうね。そのうち、少しずつ日本語を覚え始めたけど、そんなとき交通事故で死んじゃった」 「交通事故?どんな事故だったんですか」 「僕は幼稚

          火曜日のルリコ(6)

          火曜日のルリコ(5)

           久保田と別れた後、携帯から高梨という人物の番号に電話をかけた。名前を告げると、相手はこう言った。 「ああ、この間電話くれた記者の人だね。近々取材に来ると言ってたのに連絡がないので、どうしたのかと思ってたよ」  高梨は平塚に住んでおり、昔、松村亜利と同級生だったらしい。  どうやらルリコは、何らかのルートで高梨を割り出し、松村について取材しようとしていたらしい。  平塚ならそれほど遠くない。翌日の土曜日に、彼の家族が経営しているというイチゴ園を訪ねることになった。

          火曜日のルリコ(5)

          火曜日のルリコ(4)

          「久保田七郎です」  喫茶店で向かいにすわると、男は名刺を差し出した。  肩書きは「日刊イブニング記者」となっている。  つまり、彼もルリコと同じく、ものを書く職業だ。  しかし彼の勤め先は、夕刊専門誌とはいっても、大手マスコミ・グループの一端に連なっている。同じ記者といっても、ルリコには、自分より久保田の方がずっと格上に思えた。 「あ、私、白井ルリコです」  ルリコが名刺を返すと、久保田が受け取りながら言った。 「ああ、火曜の夜病院で聞いたよ。職業は作家なんだ

          火曜日のルリコ(4)

          火曜日のルリコ(3)

           新宿から山手線で品川に回り、京浜東北線で蒲田に出た。  今朝の警官は、蒲田の駅前交番勤務ということだったので、茶髪の男性の連絡先を教えてもらおうと思ったのだ。  電車はそろそろ混み始めていたが、ルリコは何とか座席を確保し、自分の手帳の破れたページを開いて眺めていた。とじ目部分にわずかに残ったぎざぎざの紙片が、確かにここにページがあったことを証していた。  私がこのページを破ったのだろうか。だとしたらなぜだろう。そもそもこのページには、優子との約束の他に何が書いてあった

          火曜日のルリコ(3)

          火曜日のルリコ(2)

           その後は最悪だった。  病院近くの喫茶店で遅めの朝食をすませたルリコは、『週刊セブン』の編集部に顔を出そうと思い立った。  ルリコは一応フリーのライターだが、『週刊セブン』からは、しばしばリサーチや取材の仕事をもらっている。今では、その報酬が年収のほとんどを占めていた。  最近編集部に欠員ができたこともあり、フリーの身分でありながら専用の机をあてがわれ、特に仕事がないときでも、何か役得にありつけないかと顔を出すのが習慣になっていたのだ。  このあたりの管理は、出版者

          火曜日のルリコ(2)