「一緒に」は主に女の子に有効、「驚かす」は男女ともに有効

YouMeさん、海外から来ている子どもたちに日本語を教えるボランティアをしている。それで感じるのは「男の子は基本、落ち着きがない」という。女の子は比較的大人の言うことを聞き、まじめに取り組もうとするけれど、男の子はすぐにトイレに行きたがり、勉強せずに済ませようと逃げまくるという。

そこでYouMeさん、一計を案じた。「ありゃこの課題は、君には難しいかなあ」。すると、普段落ち着きのない子が、時間になってもやめようとせず、「そろそろ終わろうか?」と声をかけなければならないほど、集中して取り組んだという。

女の子は「今日はこれをしようね」というと、素直にそれに取り組もうとする子が多いという(もちろん例外もいる)。ところが男の子に同じように言うと、大半が何とかして逃げよう、ごまかそうとするという(もちろん例外もいる)。男の子は、基本、大人の言うとおりになどしたくないらしい。

けれど、男の子は「大人の意表を突く」、つまり「驚かす」のが好きな子が多い。だから「これは君には難しいかもしれない」と伝えると、俄然やる気を出し、何とかして解いて見せ、大人を驚かそうとする。事実驚かせることに成功すると、ますます驚かそうとのめり込む。

女の子は「一緒にやりましょう」というのが好きな子が多く、先生の言うとおりにすることが多い。どうやら、一緒の時間、一緒に取り組むという「共感」が好きな子が、女の子には多いらしい。ところがこの要素、大半の男の子には弱い。それより遊びたい。誰かを驚かしたい欲望が強い。

だから、「これちょっと、君には無理だと思う」と言うと、「なめんじゃねえよ、やったろうじゃないか」と、男の子は燃えることが多い。やり遂げたところで大人が驚くと、「俺はまだまだこんなもんじゃねえよ、次もってこいやあ!」みたいな感じでさらに燃え上がる。

女の子は「共感」(一緒にやろう)で乗り切れることが多いのでついついそれで指導してしまうことになってしまいがちだけど、実は女の子にも「驚く」は有効。少しビビりなところがあるので、「少し難しいかもしれない」と言う場合も、あまり脅さない程度の優しい感じにしたほうがいいけど。

「これ難しいのに、よくできたね!」と驚くと、女の子も嬉しそうな顔になり、もっとやってみたい、と意欲を燃やす。男の子も女の子も、やる気を引き出すのなら、その子の実力を見極めたうえで、その子ならできると踏んだ上で、「少し難しいかも」と言って課題を渡すと、どちらもやる気を出す。

そして「できた!」と子どもが言ったとき、「えー!できたの?やるじゃーん!」と驚くと、子どもは嬉しそうな笑顔を見せる。もっと難しいのよこしなさい、となる。ゲームをクリアしたら、さらに難しい局面へと進みたくなるのと同じ感じ。

女の子の指導に慣れていると、比較的素直に言うことを聞いてくれるので、同じやり方を男の子に適用しようとしてしまうけど、どうも男の子はそれだと乗らないことが多い。上手く乗せるには、男女の違いにかかわらず、大人が驚く形になるアプローチがどうも有効であるらしい。

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