見出し画像

テレビ朝日「星空ツナガルコミュニティ」と目指す、持続可能なコミュニティのカタチ

シンセカイテクノロジーズ初の著書「もうバズらなくてもいい 新時代のSNSコミュニティの教科書」の発売を記念した対談連載企画、第3弾のゲストはテレビ朝日の増澤 晃さん。

▼商品の購入はこちらから

熱量の高いファンコミュニティの形成を一気通貫で支援する「SHINSEKAI Technologies」。2023年に創業し、大手や上場企業を中心に多数の企業様を支援してきました。

その中で当社が初期段階よりコミュニティの設計・運営のサポートを行っているのが、テレビ朝日様と東京都神津島が運営する「星空ツナガルコミュニティ」です。

都心から南へ約180kmはなれた「神津島」に広がる満点の星空を通じて、多くの人と繋がるための地方創生プロジェクトとして生まれたこのコミュニティ。

島に来てもらうことだけではなく「星空」を軸に神津島との“関係人口”を増やすことを目的として、オンライン・オフラインを問わず全世界の人と双方向に繋がるためのコミュニティ運営を行っています。
従来の地方活性化コミュニティの形にとらわれない新しいビジネスモデルを模索しながらコミュニティ運営を行う「星空ツナガルコミュニティ」。コミュニティが生まれた経緯や、シンセカイテクノロジーズとともに目指す未来について、「星空ツナガルプロジェクト」の事業責任者・テレビ朝日の増澤さんとCSOの岡崎がお話します。

増澤 晃 / Akira Masuzawa
テレビ朝日 Co-Director(担当部長), Advanced Contents Business, IoTv Center
新規事業開発17年。2007年㈱ドリコムにエンジニア入社、広告プロダクトの開発マネージャー。2011年に㈱ミクシィと㈱博報堂DY MPとのJV㈱フレンゾ取締役COO。その前後に㈱博報堂DY MPにてスタートアップ連携やデータマーケティング、グローバルマーケティングを担当。 2019年より現職、インターネット・オブ・テレビジョン局にて先端コンテンツビジネス班に従事。2023年Japan Blockchain Weekメディアパートナー、NFTokyoゴールドスポンサー。Token2049シンガポールにWeb3プロダクトも発表。

岡崎 智樹 / TOMO OKAZAKI
株式会社SHINSEKAI Technologies CSO (Chief Strategy Officer)
2006年にアクセンチュア社に入社後、証券領域やアウトソーシング事業のコンサルタントとしてキャリアを積んだ。2022年にシンセカイテクノロジーズ社のCCOに就任し、コミュニティマネージャーやアドバイザーの経験をもとにコミュニティ運営のモデル開発や事業構築に従事。その後CSOへと役目を変え、全社戦略構築やMURAコミュニティの事業統括を担う。


神津島に来てもらうだけではなく、繋がるために立ち上がる

ーー星空ツナガルコミュニティは、どのような経緯で立ち上がったのでしょうか。

増澤:テレビ朝日は今年、神津島を拠点に「コミュニティ」という形で神津島と星空に関わる人が繋がるためのプロジェクトを始動しました。

神津島は、美しい夜空を守る国際認定制度「星空保護区」に東京都で初めて認定された島です。日本で唯一、島まるごとが認定を受けた神津島は、まさに天然のプラネタリウム。
満点の星空が広がっており、星が好きな人が集まって語ったり、スマートフォンでも星空の写真を撮れるような星空が広がっており星空好き同士が集まる交流の場となる可能性を秘めています。

しかし現在、神津島の課題は、来島した観光客向けの施策で手一杯であったり、将来的な人口減少による観光客の減少に対しての課題や、国内のコラボレーションを生み出す活動も難しく、貴重な資源がまさに“もったいない”状態になっているのです。

そこで東京都が推進する「東京宝島 サステナブル・アイランド創造事業」の一環として東京都神津島村とプロジェクトを始めました。最初の目標は、神津島の持続可能な発展のためにファンを増やし続ける好循環を生み出すことです。

最終的にはそうして集まったファンの人たちが島を訪れたり、小さくてもコミュニティが継続的に事業をトライして、広義の観光業の活性化を目指しています。

ーーコミュニティのトップページには「島に行かなくても星で繋がれる」という言葉がありますが、これはどういう意味なのでしょうか。

増澤:星空ツナガルコミュニティは、星空が好きな人たちと繋がることを重視しているんです。このコミュニティは神津島を起点としたものではありますが、神津島に来てもらうこと「だけ」を目的にはしていません。

というのも、持続可能な形でコミュニティを運営しようとした際「神津島」単体で訴求するのは難しいからです。

神津島は東京都心から船で片道3時間/飛行機で45分かかり自然の影響も受けやすい場所です。でも、世界中に広がる「星空」であればそれをきっかけに世界中の人と繋がることができます。島を訪れることができなくても、星空に思いを馳せたり、好きという気持ちを身近で発散したり。そんなふうに繋がり続けることができる、優しい世界を実現したいのです。

岡崎:地方創生プロジェクトやコミュニティなど、地元の方による地元を活性させるためのプロジェクトはどうしても「来てほしい」「知ってほしい」「見てほしい」という想いが先行しがちです。一方で「星空をフックに想いを馳せてほしい」というスタンスで運営しているのは星空ツナガルコミュニティの特徴ですね。

持続可能なコミュニティには新しい種が芽生える「余白」が必要

増澤:このコミュニティでは、島のイベントに来てもらうなど目に見える形でコミュニケーション「だけ」を追い求めていません。神津島の人たちを思い浮かべたり――遠くからでも神津島に関われるようなコンテンツを作ろうと考えました。

また、プロジェクトでは初期からさまざまな事業者さんとタッグを組みながら設計や運営準備を行ってきました。シンセカイテクノロジーズも、その一員ですね。大手企業のコミュニティ構築や活性化に関して経験が豊富なことはもちろん、Web3などの新しい技術にも積極的に挑戦されています。

私たちが今後どのような取り組みをすることになっても一緒に盛り上げてくれそうだと思い、支援をお願いしました。

岡崎:地方創生に関するプロジェクトは、僕らも初めての取り組みでした。地方創生をテーマにしたコミュニティ施策は成功事例が少なく、厳しい道のりになるだろうと感じました。でも同時に、絶対に成功させて社会全体から注目される取り組みになってほしいと意気込んだことを覚えています。

ーーシンセカイテクノロジーズ出版の『SNSコミュニティの教科書』では「適切なコミュニティスタイルを決めることが、成果を出すコミュニティ作りにつながる」と書かれています。星空ツナガルコミュニティはどのようなコミュニティスタイルなのでしょうか。
岡崎:全国の星空関連の事業者の方や新しい体験や観光に興味がある方々を巻き込み、何をするのか一緒に考えるところから始める「共創型のコミュニティ」ですね。(書籍では他にも6つのスタイルを紹介しています。)

というのも、星空コミュニティはあえてコミュニティのゴールや詳細な活動内容を決めていません。神津島やコミュニティが持続可能な形で発展するには、コミュニティ自体がビジネス最大化のキッカケや新たなアイデアの土壌である必要があるからです。

コミュニティを継続的に運用するには、他の団体とコラボレーションしたり、メンバー同士がイベントやプロジェクトを企画したりと、運営者がいなくとも勝手に新たな取り組みが生まれるような状況が求められます。そのためには“活動の余白”が大事なんですよね。

増澤:こうした背景もあり、星空ツナガルコミュニティは「星空」という広い枠組みで人を集めています。星空が好きな方や星空を通じた遊びを企画したい方は誰でも歓迎するスタンスで運用されています。

ーーコミュニティの始動から3ヶ月が経ちましたが、現在はどのような方々が集まっていますか?

増澤:地方創生や星空はもちろん、コミュニティの運営にも興味がある方が集まっています。

初期メンバーの皆さんには、今後さらにコミュニティでの企画や運営にも関わっていただけたらと思っています。共創型コミュニティなので、責任者である僕は今後もコミュニティに携わりつつも、基本的には事業における最初のヒトのような立ち位置(=ファウンダー)でコミュニティを見守りたいんです。

日々の活動は初期メンバーやコミュニティマネージャーが中心となって、自由に「星空ツナガルコミュニティ」という土壌を耕してくれたら嬉しいですね。

岡崎:すでに何度も相談会のような集まりを開いているのですが、皆さんには参加者目線での要望や意見だけでなく、やりたいことのアイデアを本当にたくさんいただいています。皆さんの手で星空ツナガルコミュニティがどのような場所となるのか、僕も楽しみです。

「コミュニティ」が地方創生の手段の1つに。星空ツナガルコミュニティの今後

ーー星空ツナガルコミュニティは、今後どのように展開していくのでしょうか?

岡崎: まずは2024年9月に開催を予定している「コミュニティWeek」に向けて運営を行っていきます。コミュニティWeekでは神津島だけでなく全国各地で星空にまつわるイベントを開催するのですが、それぞれの企画は「星空が好きで何かをやりたい!」と考えている人であれば誰でも企画・参加ができる仕組みです。

ただイベントを楽しみたい方ももちろん歓迎しているのですが「企画もやってみたい!」と手を挙げてくれるような方が出てきてくれたら嬉しいですね。

こうして集まった皆さんは、その後もコミュニティマーケティングにおいてのキーパーソンである「KOC(Key Opinion Customer)」となる可能性が高い人たちです。KOCは商品レビューなどの情報の拡散を行う、影響力のある消費者です。これからのWebマーケティングでは、こうしたKOCの醸成によって、商品やサービスが選ばれ続けるようにすることが重要だといわれています。

9月以降はこうして集まってくれた方々と共創することでコミュニティの熱量を高めていこうと考えています。最終的には星空ツナガルコミュニティをきっかけに人生経験が広がり、予想もしていなかった未来に行き着くような――ここが生きがいだと感じてもらえるくらい密な体験ができる場所となれば嬉しいです。

ーーコミュニティが「生きがい」に。素敵ですね。

増澤:国内・海外を問わず、さまざまな企業・団体とコラボレーションしながらコミュニティを大きくしていきたいとも考えています。

星空の綺麗な他の自治体と一緒に星空ツーリズムを盛り上げるのも楽しそうですし、カメラメーカーさんと「星空を綺麗に撮るには?」というテーマでイベントを開いたり、音楽アーティストさんと音楽ナイトを開いたり…アイデアはたくさんあります。

インバウンド需要の増加に伴い、今後は地方をゆったりと1〜2週間ほど回るようなツーリズムのニーズが増えることも予想されます。そんな日本旅行のやることリストに「星空を見ること」が追加されるような未来が来たら嬉しいです。

岡崎:こうして生まれた星空ツナガルコミュニティのコミュニティモデルが地方創生の1つの形として認知され、他の地域でも同様の成功事例が生まれることも期待しています。

オンラインでも星空を通じて地域と繋がれるところ、星空や地方創生に興味のある人たちも巻き込んで初期から参加メンバーと一緒に構想をしているところ…「関係人口」に価値を置いている星空ツナガルコミュニティは大きな可能性を秘めた新しいコミュニティです。

このような方式を取り入れたコミュニティが各地で生まれ、盛り上がり、コラボレーションすることでシナジーを生んでいく…そんな状況が生まれて「コミュニティ」が地方創生の手段として当たり前のように日本全体を盛り上げる未来が来たら嬉しいです。

星空ツナガルコミュニティにも反映されたコミュニティマーケティングの実用書『SNSコミュニティの教科書』発売決定!

星空ツナガルコミュニティを運営するシンセカイテクノロジーズは、7月に『SNSコミュニティの教科書』を出版します!

CEOの大社とCSOの岡崎が、今回の「星空ツナガルコミュニティ」のような事例をはじめ、これまでさまざまな業界でクライアントの皆様とコミュニティ運営を行う中で培った、独自のコミュニティ理論・ノウハウを一冊にまとめています。

「自身のビジネスを広めるためにコミュニティを作りたい」
「コミュニティマーケティングを仕事にしたい」
という方、必読の一冊です!

購入は全国の書店またはオンラインストアから。下記のAmazonリンクからでも購入が可能です。ぜひお手にとっていただけますと幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?