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他人と過去は変えられない

人間関係の悩み


派遣会社でベテランになってくると、
ひとりで100名以上の派遣社員の方々を担当するようになります。
私の担当領域は事務派遣ですので、
ほぼ20〜50代の女性たちです。

担当企業に対する営業活動だけではなく、
働く派遣スタッフさんの就業フォローも大事な仕事です。
人間関係や業務環境に関する不満や愚痴を聞き、寄り添いながら、励ましたり助言したり、
問題解決に導くためのサポートをします。

派遣社員の皆さんが訴える不満はさまざまですが、やはり人間関係に関する悩みが多いですね。

「挨拶したのに返してくれない」
「質問してるのに回答が遅い」
「頼んだのにやってくれない」
「自分にだけ厳しく接する人がいる」
「注意してもミスが多い人がいて困っている」
「担当外の仕事を依頼される」
「仕事をさぼってる人がいて不快に感じる」
「私は嫌われている(と思う)」

などなど、枚挙にいとまがありません。

変えられないもの


会社組織や人間関係に不満を感じたとき、
または聞いたとき、私の胸中に去来する言葉があります。
私が師匠と仰ぐ経営者の方からいただいた言葉です。

当時の私は新人マネージャーとして、
営業メンバー8名と業績目標の達成を目指し邁進していました。
プレイングマネージャーだったので、
率先垂範の行動を示しながら、
メンバーの育成支援やモチベーション向上にも注力しているつもりでした。

ただ、2名のメンバーにやる気が感じられない。
教えたこともやらないし、行動量も足りない。
個人目標を2ヶ月連続で未達成なのに何食わぬ顔。

私は体育会で育ってきたので
厳しく指摘しようかとも思いましたが
ぐっと堪えて我慢。
過去に私からのプレッシャーを感じて
ある若手が退職してしまったことがトラウマだったんです。

「営業って、やっぱり向き不向きがあるのかな」
「やる気がないやつのことは、あきらめるか」
「能力の高いメンバーだけ育成すればいいか」

などと悩んでいました。

そんなとき
師匠が飲みに連れて行ってくれたんです。
苦しい現状をありのまま相談すると
うんうんと頷きながら聞いてくださり
話してくれました。

「矢印は常に自分に向けな。
まず自分のやり方や自分の能力に問題があると考えるんや。相手のせいやなくて自分に悪いところはなかったか?
他人を変えようと思う前に自分を変えることを考えな。
意識、言葉の使い方、関わり方、日々の振る舞いの全部や。そいつを伸ばすために、自分はどうあるべきか。そいつのためにできることは他にないか。すべてをやり尽くしたか?愛情をもって接してるか?よく自問するんや。本気になって一人ひとりの人間の可能性を信じてやらな」

あ、師匠はバリバリの関西人です。

変えられるもの


これだけはよう覚えときや。

『他人と過去は変えられない、
 変えられるのは自分と未来だけ』

いかつい師匠がウイスキーを飲みながら
そう教えてくれたときの映像を今も鮮明に覚えています。
私にとっては、衝撃的な言葉でした。

周囲を否定しても何も始まらない。
私は困難なことを他人や環境のせいにして
「あいつが悪い」「できないやつが悪い」
と心の中で思っていました。
「条件が変われば」とか「人を変えてくれれば」と考えていたのでは、好転しないのも当たり前かもしれません。

変えることができるのは自分だけです。
自分の言い方や考え方ひとつで、
相手も組織も結果的に変わり、未来もより良く変えることができるということを知りました。

わたしは量子力学に興味があるのですが
いわゆる『引き寄せの法則』といわれる
「自分が常に意識を向けていること(ほぼ無意識)が現象化する」という話にも通じるものがありますね。

「なぜあいつはできないんだ」
「なぜあいつはやらないんだ」
と考えれば考えるほど、それが実現されていくんだと思います。
それまでは、口頭やメールで伝えた指示通りに対応してくれない人に対して
「あれだけ言ったのに」とか「動いてくれない」と考えていました。
矢印が完全に相手に向いていたんです。

見方を変えると、こちらが伝えたと思っていても、相手がきちんと受け取って理解していなかったのかもしれない。
指示したことの必要性や意味などの説明が足りず、納得していなかったのかもしれない。
相手が実行する気になるところまでを自分の責任と考えよう、自分のアプローチを変えてみようと思いました。

私がそんな風に考えられるようになってからは、チームの空気が変わり、強い組織になっていきました。

私が変えると決めたこと


相手を変えようとする前に、自分を変える。
私の場合、特に2つのことを意識しています。

常にポジティブな言葉を使う

「一流と言われる人は意識して良い言葉を使い、普通の人は無意識に悪い言葉を使っている。人は言葉でできている。何気なく発している言葉通りの人生になっている」

不明

いついかなる時も「ネガティブな言葉を発しない」と決めています。
不満や愚痴、人の悪口や噂話なんてもってのほかです。

家族にも刷り込み続けた結果
我が家では『マイナストーク禁止』がすっかり浸透していて「寒い」「眠い」「腹へった」と言うだけで指を差されるようになっています(笑)

いつも幸せな自分でいる


まず自分自身がプラス感情でいることが大事だと思っています。
イライラしている人って、ぱっと見た瞬間にわかりますよね。
どんなことがあっても明るく元気に振る舞う。
これがコミュニケーションの基本だと考えています。

もちろん現実にはつらいことも悲しいこともあります。それでも、自分の感情をコントロールすることは“大人の身だしなみ”ではないでしょうか。

自分の感情を俯瞰的に眺めるように見つめて、ネガティブな感情が出そうになったら
「幸せだなあ」「楽しいなあ」と口に出す。
不思議といい気持ちになっていくのでオススメです。

自分が楽しそうに仕事をしていたら
周囲にも伝染するような気がしますし
同じようにポジティブ感情の人が集まってくると思っています。
これからも自分と未来をより良く、変えていきます♪

さぁ、来週もハリキッテいきましょ~

「あいつは使えない」は、チームワーカーとしての敗北宣言だ。この表現は「あの人は役に立たない」という意味ではなく『私にはあの人を使う能力がない』という意味だ。「あいつ」と指差した手の指のうち3本は自分に向かっている。

不明

#大切にしている教え

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