『転職の魔王様』の名言に思うこと②

あなたの人生、このままでいいんですか？

来栖 嵐（キャリアアドバイザー）

毎週月曜、夜10時から放送中のドラマ
『転職の魔王様』って、観てる人少ないのかな。

“転職の魔王様”の異名を持つ
敏腕キャリアアドバイザーの来栖嵐が
心えぐる辛辣な言葉を突きつけながらも
求職者の働く自信と希望を取り戻させる
爽快なストーリーです。

成田凌さん演じる来栖さん（魔王様）の
毒舌がたまりません。

やっと第6話を観ることができたので
現役キャリアアドバイザーの視点から
今回も私見を述べてみたいと思います。

「やりたいこと」をやるために転職

第6話の転職希望者は
不動産会社でマンション販売を担当する
39歳のトップ営業マン。

自分の実績と能力に絶対の自信を持ち
現場でバリバリ働きたい彼は、なんと
出世を打診される度に転職していました。

そんな“転職王子”に“魔王様”がこう言います。

本人がやりたいことと
会社がやらせたいことは違いますからね

うーん、会社員として働く人なら
これは共感する人が多いでしょうか。

確かに、両者が完全に一致することは
あまりないのかもしれません。
唐突な担当変更、異動や転勤など
ある程度勤めれば何かしらありますからね。

そして、やりたい仕事を担当できなかったり
望む部署に配属されなかったりすると
少なからず不満や不安を感じてしまうものです。

そんなとき、転職の２文字が
頭に浮かぶ人も少なくありません。

ただ、わたしの経験（人材業界に約10年）
から言わせてもらうと
「今やりたいことができないから
　会社を辞める」
と短絡的に考えるのは
あとで後悔しやすいかな、と思います。

特に20代の若手のうちは
「できること」「得意なこと」
を増やしていく時期です。

「やりたいこと」をやろうとする前に
まずは「できること」を増やすほうが
長い目で見たときに
人生の職業選択の可能性が広がると思います。

実際に（不本意な）畑違いの職種に変わって
仕事が楽しくなったという人もいます。

自分の可能性に限界をつくらないで
視野を広げてみると、案外好転したり
大きな武器になったりすることもあります。

なりたい人物像・夢を語れるか

結局、不動産営業の彼は転職せず
管理職に昇進することを選びますが
業績不振の部下に怒りを露わにするなど
思い悩みます。

また、“魔王様”が問いかけます。

あなたはどんな上司になりたいですか？
夢はなんですか？
今の年齢の、今の立場のあなただから
言ってるんです

せっかく出世して部下を持っても
夢のひとつも語れない
あなたの人生、このままでいいんですか？

わたしが20代のとき、尊敬する社長さんから
「なりたい自分像を100個書き出す」
という宿題を出されたことがあります。

上司として、部下として、営業マンとして
どんな人になりたいか。

息子として、父親として、孫として
親友として、恋人として、先輩・後輩として
どんな人になりたいか。

自分の年齢や立場、役割に応じて
理想の人物像をイメージして、言語化して
紙に書いていくんです。

これ、めっちゃオススメです。

100個って、なかなか埋まりません。
30個ぐらいでペンが止まった記憶があります。
そこから、もう深く深く考えました。

「どんな人間になりたいか」って
自ずと「どう生きていきたいか」に
繋がっていくんですよね。

熟考の末、100個書き出したあとは
それ手帳に入れて、常に持ち歩き
ときどき眺めるようにしました。
（今はスマホに入れています）

上司として、目指すべきリーダー像を追求し
成長を止めないことを意識する。

そして、自分を変えるには
「理想の自分になりきる」ことが効果的！
って、よく聞きますよね。

なりたい自分、理想とする自分を思い浮かべたらそれを演じて、そのように振舞うことで
理想の自分に少しずつ近づいていくことができるってことですね。

自分らしく生きる

話が逸れたので、ドラマに戻します。

やりたくなかった管理職に就いた彼は
なりたくなかった上司のように振る舞ってしまい
葛藤していました。

そんな彼に、“魔王様”は言います。

どうすれば、あなたがあなたのまま
生きていけるんでしょうね

夢が見つかったなら
あとは覚悟を決めるだけじゃないですか？

この言葉に背中を押され
彼は、同じ不動産業で独立を決意します。

自分が、自分のまま生きていくために。

自分が「やりたいこと」にまっすぐ向かう
彼の清々しい表情が印象的でした。

誰かの顔色ばかり伺って
いつのまにか「自分らしさ」を失って
生活のためにと割り切って…

そんな、はたらき方は絶対イヤです。

自分の気持ちに正直に
自分の楽しいと思うことや
やりたいことを自ら選択して
生きていきたいなー
と改めて思わされた、第6話でした。

おわりに

日々さまざな転職希望者と話していると
「自分のやりたいこと」が分からず
迷走している人が多いなーと感じます。

待遇や労働条件の希望は
わりと具体的なんですけどね。

「自分のやりたいことがわからなくて」
とハッキリ話す求職者もいらっしゃいます。

もしかしたら、それは
自分と向き合うのを
ずっと先延ばしにしてきたから
なのかもしれません。

「やりたいこと」を決めるのを
先延ばししていると
きっと後悔しますよ。

あ、“魔王様”風に言ってみました（笑）

ぜひ、時間があるときに
『なりたい自分像×100個』
書き出してみてください。

当時付き合っていた彼女といっしょにやって
お互い見せあったのですが
すごーく分かり合えた気がしました。

友人たちとこれを見せ合いながら
酒を飲んだ時間も楽しかった。

そして、書いたものを意識して演じると
ほんとうに成長を実感できます。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

また（録画視聴なので遅れますが）
第7話以降も観たら投稿しますので
よろしくです。