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【考察日誌】あなたは説明できますか?「半導体」と世界の情勢について

こんばんは、芝本です。

なかなかインテリ感のあるタイトルですね。
IT産業の世界ではおなじみの「半導体」
「よくわからないけど、最近聞く機会が多い気がする」っていう方も多いかと思います。

なぜ「半導体」のことを取り上げたかというと、先日「半導体」に関するニュースを読んだのがきっかけでした。

「半導体」の受託生産で世界最大手である台湾の企業『TSNC』が日本に製造拠点を検討している、というニュースですね。

世界最大手の『TSMC』と日本の企業と研究機関とタッグを組むことが想定されており、これが実現すると日本国内での「半導体」の製造能力が向上するとのことです。

これを読んだとき、「えっ、それって何がすごいの?」ってなった方もいるでしょう。ボクもそうでした。でも、せっかくなので、世界の情勢についても少しくらいは勉強してみるのも良いかなと思い、調べてみました。

調べてみると、なるほどと思ったので、今回はその内容をアウトプットしていきます。

そもそも「半導体」ってなんなんだ?

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「それくらいは知ってるよ!」って方も多いかと思います。
でも、他の人から「半導体ってなんですか?」って聞かれると、意外と説明できないのではないのでしょうか。

「半導体」
一定の電気的性質を備えた物質。物質には電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」とがあり、半導体はその中間の性質を備えた物質である。

(参考:日立ハイテクHP

要は、「導体」の電気を通す性質を半分くらい持っているから「半導体」なんですね。

「導体」は電気を通す物質で、いわゆる金属などが例に挙げられます。
一方、「絶縁体」は電気を通さない物質で、ゴムなどが挙げられます。
ボクの好きな漫画『ONE PIECE』にて、エネルのゴロゴロの実の能力がルフィには全く効かなかったのも、これが理由です。

そして「半導体」は、ある条件下で電気を通す物質で、シリコン、ゲルマニウムなどが該当します。他にも、「半導体」の種類はいろいろあるのですが、ここでは割愛します。

実は、一般的によく言われている「半導体」は、本来、「半導体集積回路」と呼ばれるものです。「集積回路」は、電子機器の中にある小さくて薄い黒い板のアレです。つまり、取り扱っているモノ自体は「集積回路」で、その材料が「半導体」ということになります。

「集積回路(IC)」
高度な機能を持つ電子部品の一つで、トランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオードなど、多数の微細な電子部品を一つの基板の上で連結し、全体として複雑な処理を行ったり、大量のデータの記憶を行ったりできるもの。形態が数cm角程度の小片であるため「チップ」(chip)と呼ばれる。

(出典:IT用語辞典e-Words)

ここからは、この記事の本質である「半導体集積回路」(以降、「半導体」とします)について話していきます。

この「半導体」は、身の回りのありとあらゆる製品に使われています。例えば、以下のものが「半導体」が大活躍しているものになります。

・パソコン
・スマホ
・デジタル家電
・自動車(動作を制御するシステム)
・電車の運行システム
・電気、ガス、水道など社会インフラの制御、etc…

こうしてみると、これら無しでは生活できないモノばかりですね。

なぜ昨今は「半導体」が不足しているのか?

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さて、そんな「半導体」ですが、実はここ最近、世界的に不足していると言われています。その原因について調べてみました。

1、そもそも作るのに時間がかかる
通常、「半導体」は材料を投入してから製品として出来上がるまで、3カ月以上かかるそうです。なので、急激に需要が高まっても生産が追い付かず、「半導体不足」の状況に陥りやすいです。意外に手間のかかるシロモノだったんですね。

2、コロナ禍によるテレワーク需要増加
これは言わずもがなですね。2020年から、新型コロナウイルスの影響でテレワークが世界中で広がり、パソコンなどに使う電源管理用の「半導体」がまず足りなくなりました。あまりにも急激に需要が増加したことで、「半導体」を使う自動車の生産が制限される事態になるほどでした。たしかに、この頃は店頭に並ぶいろんなパソコンが入荷待ち状態になっていた気がします。

3、需要のモデルの変化
これは、「半導体」の需要の構造が変化しているということです。これまで、「半導体」の需要の主力は、スマホ、パソコン、テレビなどの電子機器が該当していました。これに加えて、新たな成長分野として台頭しているものが産業用、自動車、エネルギー開発、インフラ関連になります。
要するに、「半導体」が使われる分野が広がったことで、生産に需要が追いつけていないという現状です。

上記以外にも、「アメリカ政府による中国企業への制裁がもとで「半導体」の調達先に制限がかかった」という出来事も「半導体」が不足している背景のひとつです。その出来事の詳細はここでは言いませんが、このような国際的な戦略にも利用されているほど、世界中で「半導体」の需要は高まる一方だということですね。

日本と「半導体」について

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「半導体」が世界で不足しているという現状が分かりました。
そして、「半導体」の需要は今後も増加し続けることも言われています。ここで、最初のニュースを振り返ってみましょう。

「半導体」の受注生産世界最大手の『TSMC』が日本を製造拠点の一つとして検討中であるということ。これが実現する場合、日本の企業と研究機関とタッグを組むことになり、今後、日本国内での「半導体」の製造能力が向上することが期待できるというニュースでしたね。

この出来事は、すなわち「日本が世界の市場で活躍するための大きなチャンス」とも言えます。

実は、日本では国家戦略として、2021年の6月に経済産業省が「半導体・デジタル産業戦略」を策定していました。これは知らなかったです。

これは、半導体産業の基盤を強化する国家戦略で、国内の供給網強化を目的としています。海外企業との共同開発・生産の推進や、国内の半導体工場の刷新などを支援するのが主な内容です。

ざっくりいうと、「国家レベルで「半導体」の生産力・開発能力を上げて、世界の市場に通用する国にしていこう」ということです。そしてまさに、今回の『TSMC』のニュースは、国家戦略で推進している『海外企業との共同開発・生産』のチャンスになりますね。

ちなみに、日本の「半導体」はかつて圧倒的な世界シェアを誇っていましたが、1990年代以降は徐々に失速し、現在の世界シェアは10%ほどにとどまっているようです。一方で、「半導体」の需要は高まり続けているので、日本産業として再びここに力を入れようと奮起しているということですね。

最近は暗いニュースが多い中、とにかく希望のあるニュースだなと思いました。

そして、こういった世界的な企業の動きというのは、日本の経済情勢にも影響してくるお話だと思います。なので、時には、難しそうな世界の経済情勢に関する動きにも目を向けて、自分なりに調べてインプットするのも良いかもしれませんね。いわゆる“世界の流行”に敏感になることは、ビジネスパーソンにとっても大事です。

そして、今ボクがこの記事を書いているように、できればアウトプットまでチャレンジするとさらに良いです。そうすることで得られる知識量が格段にあがるので、ボク自身、今後も継続していきます。

今日はここまで。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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