見出し画像

今朝見た夢と散歩とコーヒー

悲しい夢を見た。
4年前に相手から突然連絡を絶たれたきり繋がりの切れた、高校時代の大切な友達の夢だった。

夢の中で、彼女はなにかの病気で入院というか、休養している。
私は彼女が不在の間に、その施設を訪れ、彼女が書いたノートを盗み読みする。
しかしそこで彼女が帰ってきてしまい、私はまた強く拒絶されるのだ。

ここが夢特有のよくわからない要素なのだが、ノートには日記だけでなく、楽譜が記されていた。彼女が作曲した曲だ。ピアノ曲なのだが、おかしなことに、多くの曲が主旋律も副旋律もヘ音記号なのだ。作曲ができるなんてすごいなぁと思ったが、よく見ると単純な和音で構成されていた。
日記についてはなにも記憶に残っていないのに、現実では音楽をまったくやらない彼女の書いた楽譜のことばかり鮮明に覚えているのが、夢の不思議なところである。

悲しい夢ではなくて変な夢の話になってしまった。

4時に目が覚めてから眠れなくなった。外の空気に触れたくて、5時頃に散歩に出ることにした。昨日着たまま寝たパーカーの中にブラトップを着て、ショートパンツをジーパンに履き替えて、ぺたんこのサンダルを履いた。ジーパンのポケットに、鍵とスマホと文庫本を突っ込んで。

普段ねぼすけなので、たまに早く目が覚めると散歩に行きたくなる。
朝の空気は透明で、まだ誰も吸っていないような気がする。足跡のつく前の雪みたいな。
歩いていると、小さなかばんを肩にかけて散歩しているご婦人を何人か見かけた。自転車の人もいた。犬は見なかった。

近所の公園に行った。ありふれた、古ぼけた公園だが、昼間行くとたいてい子どもたちや老人がいるので、誰もいないのは新鮮だった。切り株に座ろうか、ブランコに座ろうか迷った挙句、普通にベンチに座った。
本を読むつもりで来たのに、10分くらいスマホをいじった。虫がたかってきてうっとうしかったので、結局本は開かずに帰った。

帰り道、私のお気に入りの紫陽花の前で、立ち止まっているご婦人がいた。しげしげと眺めている後ろ姿を見ながら、いいですよね、私はもう少し向こうの薄紫の花が一番好きです、と心の中で勝手に話しかけ、満足して帰った。

家に帰るとどうしても熱いコーヒーが飲みたくなり、夫の寝室のドアを閉めてからお湯を沸かした。窓を開けて、朝の光と空気をいっぱいに入れながら少しずつコーヒーを飲んだ。いい朝だと思った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?