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大嫌いだったメイクと自分の顔を、コスプレで好きになれた話

ちょうど一年前、こんな記事を書いた。
大学生になると周りの子はみんなメイクをしていたが、私はどうしても苦手で、ほぼ常にすっぴんだったという話だ。

それはつい最近まで続いていた。一人で出かけるのならすっぴんマスクなしでも全然平気だった。メイクに興味がないわけではないけど、どうしていいかわからなかった。

しかし、ひと月前に事態は一変した。コスプレを始めたからだ。
コスプレのためにメイク系YouTubeを見て、足りないコスメを買い足して、日に何度もメイクを落としては練習に励んだ。

楽しかった。絵を描くことでもなく、文章を書くことでもなく、ギターを弾くことでもなく、まったく新しい創作的な趣味を始めたのは随分久しぶりだった。
どんどん仕上がりが向上していくのが目に見えてわかる。どんな趣味でも、始めたての頃の伸び率は著しい。楽しくて仕方がない。

今日は朝から暇だったので、家でコスプレをして自撮りをたくさん撮った。(通称・宅コス)
どんなポーズをしたらキャラクターらしいか。どんな角度で、どんな表情をすればより写りが良く見えるのか。
明らかに以前宅コスをしたときよりも良くなっていた。メイクも、ポーズも、表情も。

コスプレとは幅広いスキルの要求される趣味である。
衣装や小物を自作する裁縫・工作スキルであったり、ウィッグをカット・セットするヘアメイクのスキル、舞台メイクに近いゴリゴリのメイクをするスキル、キャラクターらしく振る舞う演技力。
とにかく、普通に生きていたら経験できないことを山ほど経験できる、実に奥深く面白い趣味なのだ。

いつもすっぴんだった私は、今ではメイクをするのが毎日の楽しみだ。
今日はふわふわのスカートだから可愛らしいメイクにしよう。今日はメンズライクなコーデだからメイクもメンズ風にしよう。明日はどんなメイクにしようかな……。

初期投資はかかったけれど、コスプレを始めて本当に良かったと思う。毎日が楽しくなったし、大嫌いだった自分のことを好きになれた。

誰にでも打ち明けられる趣味ではないし、苦手な人はコスプレ写真が目に入るだけで嫌だと思う。(かくいう私がそうだった)
でも、もし少しでも興味がある人がいたら、やってみたいと思うのなら、新しい自分に会ってみてほしいと思う。

私はコスプレに出会って、自分の容姿をやっと肯定できるようになったから。

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