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澪標 [完結]

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「ピアノを拭く人」の番外編です。彩子の同期 鈴木澪が主人公で、コロナ禍の恋愛も描いています。
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#ピアノを拭く人

澪標(みおつくし)   プロローグ

澪標(みおつくし)   プロローグ

 スクリーン越しに、同期の彩子と透さんの笑顔がはじける。彩子は白無垢から純白のウエディングドレス、透さんは紋付羽織袴からタキシードにお色直しして画面に現れた。長身の2人には、和装も洋装も映える。

 透さんの右腕と左腕には、白豆柴犬の胡桃と、茶白猫の柚子が、安心しきった眼差しでそれぞれ収まっている。彩子が2匹の頭を撫でながら、注意を画面に向けようとする。子供を持たないと決めた2人が、保護団体から迎

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澪標 16

澪標 16

 彩子がZoomで話したいと連絡してきたのは、木々が色づいた晩秋だった。 

「すーちゃん、久しぶり!」

 画面の向こうの彩子は、しばらく会わないうちに、かなり髪が伸び、ますます綺麗になっていた。

「久しぶりだね、彩子! 元気だった?」

「元気、元気。本社はずっとテレワークなんだよね?」

「そう。通勤しなくなってから、太らないように、週2-3回はウォーキングしてるよ。ところで、話したいこと

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澪標 エピローグ

澪標 エピローグ

 Zoom画面の向こうで、少々お疲れ気味の彩子が手を振っている。背景に映るアンティークな掛け時計は、ただ同然で購入したという古民家の部屋に気持ちよく調和している。

「すーちゃん、今日は本当にありがとうね」

「こちらこそ、2人らしい素敵な結婚式に参列させてくれてありがとう。幸せパワーをたくさん分けてもらったよ。いま、透さんは?」

「店で明日の仕込みを手伝ってる。また、ゆっくり紹介するね。コロナ

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海の静けさと幸ある航海 前編

海の静けさと幸ある航海 前編

※ 本作は、may_citrusの「澪標」と「東雲の幻」、さくらゆきさんの「ただよふ」、 「新しい航海」に続く話です。

冬の日本海での別れから、約30年を経て結ばれた鈴木澪と海宝航のささやかな結婚式、お披楽喜後の会話をつづる短編(前中後編と続きます)になります。

 本作だけでも楽しんでいただけるように書きましたが、事前に以下の2作を読んでいただければ、より楽しめると思います。

登場人物

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海の静けさと幸ある航海 中編

海の静けさと幸ある航海 中編

登場人物
海宝(旧姓 鈴木) 澪(60): 主人公

海宝 航(71): 澪の夫 前妻(実咲)が亡くなった後、澪と再婚

志津 芳実(71): 航の同僚で大学時代からの親友 

竹内 翔真(60): 澪の会社同期 

吉井(旧姓 水沢) 彩子(60): 澪の会社同期  

吉井 透(73): 彩子の夫 

海宝 千洋(67): 航の弟

海宝 航平(46): 航の一人息子 

海宝 美生(

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海の静けさと幸ある航海 後編

海の静けさと幸ある航海 後編

登場人物
海宝(旧姓 鈴木) 澪(60): 主人公

海宝 航(71): 澪の夫 前妻(実咲)が亡くなった後、澪と再婚

志津 芳実(71): 航の同僚で大学時代からの親友 

竹内 翔真(60): 澪の会社同期 

吉井(旧姓 水沢) 彩子(60): 澪の会社同期  

吉井 透(73): 彩子の夫 

海宝 千洋(67): 航の弟

海宝 航平(46): 航の一人息子 

海宝 美生(4

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