おすすめの展覧会 ~特別編 愛知県~ 国際芸術祭あいち2022 | 2022.07.30-10.10 | @愛知芸術文化センター
こんにちは!渋谷のスタートアップ企業でインハウスのWebデザイナーをしているしいのきと申します。
2022年の目標の一つ「見る目を鍛える」べく
月一で展覧会に行くを目標にしています。
今回は第8回目、「国際芸術祭あいち2022」の感想です。
▼芸術祭情報
STILL ALIVE
国際芸術祭 あいち2022
2022.07.30-10.10
01 | 国際芸術祭とは
今回グッドデザイン賞2022の2次審査で愛知を訪れたので、
このあいちトリエンナーレを見に行けたのはたまたまだったのですが、初めて「国際芸術祭」というものを見ることができたので、少し調べてみました。
アートによる地域づくりの取組みとして、国内外のアーティストが参加する芸術の祭典ということで、その年のテーマに沿った様々な芸術作品が集まる祭典ということが分かりました。
私は今年から展覧会・美術館巡りを始めたので、こういうことを全然知らなかったので、また一つ勉強になりました。
02 | 愛知の中心エリアからスタート
「愛知芸術文化センター」
搬出作業が終わって名古屋市内に戻ってきたのがすでに17時頃だったので、今回は栄駅近くにある「愛知芸術文化センター」に行ってきました。
栄駅は愛知の中心エリアで、
名古屋駅から電車で1駅?くらいですぐに着きました。
栄駅周辺は新宿と池袋と銀座を足したような、
名古屋駅よりも繁華な印象を受けました。
かなり多くの展示物があったので、
その中でも特に気になったものを今回レビューしていきます。
03 | 10F展示エリア | 河原温 I Am Still Alive
今回のトリエンナーレの主題にもなっている「Still Alive」
直訳すると「まだ生きている」。
10Fの展示会場入ってすぐに河原温さんが世界各国の知人に送った電報が1フロアいっぱいに展示されています。
写真が撮れなかったので詳しくはぜひ見に行って実際に見ていただきたいのですが、電報には全て1つのメッセージ「I Am Still Alive 」とだけ書かれています。
最初は「なんだ??」と思ったのですが、よく見てると、
世界各国で電報のデザインが全然違うんですよね。
うわ、これは面白い・・!!
と思って、なんて素晴らしい発想なんだと思いました。
今もし自分が自由研究をするなら、
世界各国の知人に協力してもらって、公的な文章のデザインが世界でどんなに違うのかを調べたいと思ったほどに、素晴らしいアイディアだなと思いました。
送られてきた知人はびっくりしたと思いますがw
いきなり「私はいまだ生きてます」ってメッセージだけがきたら「どうした!?」ってなりますよね^^;
各国の電報を見ていて感じたのは、
やはり英語圏は英文のフォントがとても綺麗で、
日本はとても形式的だなと感じました。
日本語の種類が多すぎて、きっと「フォントにこだわる」という考え方が生まれたのがここ数十年なのかな?と思いました。
河原さんはそういう意味でこの電報を各国の知人に送ったわけではないかもしれませんが、デザイナー的な視点で見るとやはりそういうアイディアや「デザインの考え方」みたいなところにとても興味が湧きました。
04 | 10F展示エリア |
ローマンオンダック 事象の平面図(Event Horizon)
こちらも今回のメイン級の展示だと思いますが、
1フロアに広々と木を平らに切った状態で飾られています。
こちら近くに寄って見てOKなので、近づいてみました。
画像でも見にくいと思うので書き出すと、
左上から
「RUSSIAN REVOLUTION」
「 WORLD WAR 1 ENDS」
「TREATY OF VERSAILLES SIGNED」
「BATTLE OF STALINGRAD」
「TEHRAN CONFERENCE」
「NORMANDY LANDINGS」
日本語で直訳すると
「ロシア革命」
「第一次世界大戦終戦」
「ベルサイユ条約の調印」
「スターリングラードの戦い」
「テヘラン会談」
「ノルマンディー上陸作戦」
もうお気づきですかね・・!?
こちらは何百年?何千年と生きている木の年輪に、
世界的な事件、歴史的な出来事が起こった年をマーキングしている作品でした。
日本の大きな歴史的出来事もありました。
地球の偉大な自然の中で、
歴史的な出来事はたった一つの細い線として刻まれていました。
これを見てきっと色々と感じ取った方も多いはず。
現代アートはいろんなアイディアと発想で感情や思考に違う見方を与えてくれるので面白いですね・・!!
05 | 10F展示エリア |
パブロ・ダヴィラ 転移の調和(Armonías de transferencia)
このフロアの監視員にはなりたくないなと思うほど、
頭がおかしくなりそうな空間でした。
監視員さんは耳栓とかしてるのか?と思ってチラッと見ましたが、
耳栓なしでした。
ちゃんと時間ごとに監視員の方がフロアを変わっていることを切に願わずにはいられませんでした。
若い方だったので、もしかしたら断れずに引き受けたんじゃ・・?とその方の精神の健康状態を心配したくなるほど、数分でも居たくないような場所でした。
全然馬鹿にしているとかではなく、
作品はとてもよく考えられていると思ってピックアップしました。
独特な空間だったので説明文もしっかりと読めなかったのですが、
確か140億分の1の時間と30分の1の時間を同時に表している。。といった主旨の作品だったと思います。(曖昧ですみません🙇♀️)
砂嵐の映像は小さな数字がランダムに表示されていて、同じ数字の列が表示されることは2度とないといったようなことが書かれていたような気がします。
そちらがとてつもない時間の流れを表していて、
反対側のテープの方は、短い一瞬の時間を表現していたと思います。
この空間では時間の流れに身を預けて、瞑想するのがいい、と書いてあったのですが、とてもこの奇妙な空間で瞑想はできず、ただ時間の流れをこういった表現で表すのは面白いなぁと思いました。
06 | 10F展示エリア | 奥村 雄樹 彼方の男
こちら写真はないのですが、面白い作品で、端的に言うと、
あるアーティストAとアーティストBの作品を所々切ってつなぎ合わせたり、重ねることで、全然別のアーティストCを作り上げるという、不思議で面白い作品でした。
例えば私と他の誰かが作ったものを所々重ね合わせることで、
全く別人格の架空のアーティストを浮かび上がらせるというわけです。
こちら実は長年公に現れなかった河原温さんと、同時期に活躍した別のアーティスト、スタンリー・ブラウンさんという現代美術を牽引した2名の人格を融合させ、新たな一人の人物を生み出そうとするという特殊なアプローチの作品です。
二人のことを語っているインタビュー映像があるのですが、
主語が切り取られているので、二人のことを語っているのにまるで別のアーティストCという架空の人物との思い出を語っているように見えて、アーティストCが本当にいるかのような映像になっていてとても面白かったです。
いやぁ本当に現代アートって発想がすごい。。!!
07 | 問いかけてくる現代アートは見るのが疲れる
上の作品の時点で見るのにかなり疲れていて、
ここからはざっくりと紹介していきます。
映画や本など、何かを感じとる作品にすごくあてられる質で、
こんなに沢山の語りかけてくるアートに今まで触れたことがなかったので完全に途中で考えすぎて疲れてしまって、途中で倒れてしまわないように最後は早足で見ることになりました。
08 | 8Fの展示が見られなかった後悔
本当は8Fも見にいきたかったのですが、
搬出作業の疲れと10Fでいろんなものを見たことで考えすぎてしまって、
8Fに行く元気と体力がなく断念。。
8FにはVRの作品などもあったみたいなので、残念。。
09 | まとめ
今回初めてこんなに一度に沢山の国内外のアーティストの作品に触れることができて「芸術祭」たるものを肌で感じることができました。
そしてとても疲れた・・!!
現代アートとはこれや!!というのも初めて肌で感じたので、とても疲れました。
本展のテーマが「STILL ALIVE 今、を生き抜くアートのちから」というだけあって、生きるという事を表現するのは発する方も、受け取る方も物凄くパワーを使うんだなと感じました。
10 | おまけ ひつまぶし まるや本店
毎回展覧会の近くにあるカフェを紹介しているのですが、
今回はカフェに行けなかったので、名古屋で食べたひつまぶしをご紹介します。
名古屋のひつまぶしといえば蓬莱軒が有名らしいのですが、
中部国際空港に行ったので、
空港の中にあった「まるや本店」に行ってきました。
名古屋にもお店があるらしいのですが、そちらは並ぶそうで、
空港の中のお店は並ばずに入れると聞いてそちらに行ってきました。
ミニひつまぶしでも2900円。。!!
やはり高いけど美味い!
それではまた次回の展覧会でお会いしましょう!
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
ご覧いただきありがとうございます☺️Webデザイナーの方のためになる記事、一緒に勉強が頑張れるような記事を書きたいと思っていますので、応援していただけるととても嬉しいです。