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脱炭素の影響「石油化学・セメント」編 #超入門カーボンニュートラル に学ぶ7

本記事は、ESG/SDGs/CSVに関しての個人的な学びのアウトプットです。

以前に、「ESG思考/夫馬 賢治」を読んで非常に勉強になりました(まとめ記事①まとめ記事②まとめ記事③)。ということで、同氏の「超入門カーボンニュートラル/夫馬 賢治」も読み始めました。

「第5章 カーボンニュートラル政策による各産業への影響」からの学びをまとめたいと思います。以下の13の切り口でまとめられています。今回は、6, 7についてまとめてみました。

1. 電力:全電力をまかなえるほどの洋上風力発電ポテンシャル 
こちらの記事(まとめ記事④)でまとめました!
2. 交通・運輸:EV化の流れは止まらず
3. ICT産業:AI活用でデータセンター電力消費量を40%削減
>2-3は、こちらの記事(まとめ記事⑤)にまとめました
4. 鉄鋼:製鉄大手でも水素と電炉へ
5. 非鉄金属:資源サイクルの課題克服がカギ
>4-5は、こちらの記事(まとめ記事⑥)にまとめました
6. 石油化学:進むケミカルリサイクル
7. セメント:CO2排出量を70%削減するコンクリート生産法
8. 紙・パルプ:他素材から紙製へのシフト
9. 冷媒:代替フロンからノンフロンへ
10. 建物・不動産:超高層でも鉄筋コンクリート造から木造へ
11. 食品・農業:食料増産の難易度が上がる時代にできること
12. ライフスタイル:サーキュラーエコノミーでの行動変革
13. 製品ライフサイクルアセスメント

上記の切り口は、経産省が2021年6月18日に策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン戦略」で成長が期待される14分野、として提示されているものとは少し異なる切り口となっています。

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出典:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン戦略

6.石油化学:進むケミカルリサイクル

日本で石油化学コンビナートを保有する企業は以下の9社に集約されています。

・三菱ケミカル
・三井化学
・住友化学
・昭和電工
・旭化成
・ENEOS
・出光興行
・東ソー
・丸善石油化学

プラスチックのリサイクルは技術イノベーションによりリサイクル時のエネルギーを大幅削減でき欧米で動きが活性化。

マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの2つのリサイクル方法がある。マテリアルリサイクルは、繰り返しによる劣化がある。ケミカルリサイクルは、元の原料と同等の品質実現ができ昨今注目が高まる。特に、高温溶解し不純物を取り除き、蒸留してプラスチック成分を抽出するフィード・ストック型の競争力が高まっている。BASF、SABIC、エクソンモービルなどが取り組む。

再生プラスチックは見た目上、区別が不可能なため、外部認証機関による第三者証明サービスもでてきている。素材そのものにブロックチェーン技術を活用した記録素材層層を物理的に接着する方法も開発されBASFが実装を先行

以上が、書籍での内容のまとめです。再生プラスチックのトレサビは非常に興味深いです。

ところでプラスチックはそもそも回収に関しても課題ですね。日本はプラを分別しても最終的に自治体の焼却炉で焼却されている割合が多かったりする実態があります。世界的にはリサイクルとは認められていないですが、サーマル・リサイクルと呼んだりしていて、ある意味グリーン・ウォッシュですね。

例えば、以下の記事など

プラの回収の仕組みはさまざまな取り組みがありますが、私が所属するNECのグループ会社であるNECソリューションイノベータ社はサーキュラーエコノミーに以前から熱心に取り組んでいます。再資源化事業者のアミタ社とともに以下、J-CEP(ジャパン・サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ)という取り組みで北九州、神戸で活動を始めています。

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図の出典:J-CEPホームページより

〈 加盟企業 〉アミタホールディングス株式会社 /株式会社イージーエス /エステー株式会社 /NECソリューションイノベータ株式会社 /NTTコミュニケーションズ株式会社 /ENEOSホールディングス株式会社 /花王株式会社 /クラシエホールディングス株式会社 /光和精鉱株式会社 /サンスター株式会社 /株式会社三友環境総合研究所 /シャボン玉石けん株式会社 /積水化学工業株式会社 /凸版印刷株式会社 /NISSHA株式会社 /ネスレ日本株式会社 /ハリタ金属株式会社 /株式会社パンテック /富士通株式会社 /芙蓉総合リース株式会社 /株式会社ポーラ・オルビスホールディングス /丸紅株式会社 /丸紅フォレストリンクス株式会社 /三井化学株式会社 /三菱ケミカル株式会社 /三菱商事プラスチック株式会社 /ユニ・チャーム株式会社 /ユニリーバ・ジャパン /ライオン株式会社
以上29社(2021年11月18日現在・社名は五十音順)

7.セメント:CO2排出量を70%削減するコンクリート生産法

セメント、コンクリートは生産工程で大量にCO2を発生する。原料となるクリンカは、石灰石(CaCO3)に熱と酸素を加えて焼成し、酸化カルシウム(CaO)とCO2に分解して生産。

米スタートアップ、ソリディア・テクノロジーは従来より70%CO2排出の少ないコンクリート製法に成功。セメント生産に必要な石灰石の削減で排出量を30%削減。コンクリート焼成時に水を加えるのではなく、二酸化炭素を加えて安定化させる技術を確立。加えたCO2をコンクリート内部に閉じ込めることでネガティブエミッションの技術として活用、これらにより全体で70%の排出を削減

Solidia Technologies Announces Possibility of Turning Concrete into a Carbon Sink for the PlanetSolidia Technologies Announces Possibility of Turning Concrete into a Carbon Sink for the Planet
https://assets.ctfassets.net/jv4d7wct8mc0/7uRDxhq1DqCEdNbZsQ3YNI/ed55aa82239ae706720b22b73dd31e0c/Solidia_TED_Carbon_Sink_Release_Final_10-15-2020.pdf

以上が本書でのセメントに関する概要となります。日本に目を向けて、日本セメント協会「セメント業界におけるこれまでの省エネの取組み並びに長期的展望について」という資料を参照すると脱炭素の取り組みは以下のようにまとめられていました。

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従来から継続する取り組みとしては、製造プロセスにおける省エネ。今後の方向性としては、廃プラなどをセメント原料として利用するなど投入原料の低炭素化を行うとしています。

ファクトとして、「なるほどなぁ」と思ったのは以下です。セメント産業というのは、そもそも他産業の廃棄物を再資源化しているリサイクル産業という側面を持っているんだな、と言うことでした。

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おわりに

このほか、当方のESG/SDGs/CSV関連の記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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