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心理的安全性と仮説検証・共感・抽象化の関係 #恐れのない組織 への旅

ども、しのジャッキーです。本記事は、マネージャーとしての能力開発に関する学びの記事です。

2021年2月に出た「恐れのない組織」についての学びを書いていきたいと思います。この書籍は、某食品メーカーの経営企画の方から、おすすめされていて、2021年の年末に、Kindleのセールになっていて、やっと年始に読みました。

本書では、組織の学習・イノベーション・成長において心理的安全性が重要であり、それが担保された組織を「恐れのない組織(Fearless Organization)」と呼び、多くの失敗事例・成功事例を紹介した上で、恐れのない組織をつくるための方法について解説されています。

以下、前回は、恐れのない(フィアレス)組織を作るためのリーダーのツールキットを紹介した上で、3つあるカテゴリーのうち、「土台をつくる」に関して、自身の経験や書籍「嫌われる勇気」からの学びをまとめました。

フィアレスな組織をつくるためのリーダーのツールキット

以下は、前回の再掲です。今回は、2つ目のカタマリの「参加を求める」について学びを抽出したいと思います。

参加を求める

「完璧でないことを認め、謙虚さを示すこと」「探究的な質問をすること」「聴くこと」「仕組みとプロセスを確立すること」を挙げています。

完璧でないことを認め、謙虚さを示すこと

日本の教育って、正解主義なので、先生は正解を知っている人、もしくは世の中のことには正解が必ずある、というマインドセットがあるような気がします。その延長線上で、上司に答えを期待してしまっているように思います。実際、私自身、社会人になってしばらくそういう時期があった自覚があります。

しかし、2015年に、人材公募制度を利用して、新事業開発部門に異動してその考え方は覆されました。そこでは、一人ひとりがリーダーであることが求められました。他部門の自分よりも職位が上の人たちの実行している新事業開発案件に、新事業開発プロセスのプロとして、伴走することが仕事でした。

当然、異動したばかりで、プロであるはずはありません(苦笑)必死で、本読んで勉強したり、同じ部門の人に聞いたり、部内会議でほかの人のプロジェクトの共有を聞いて、シミュレーション学習をしたりして、どうにかこうにかやってきました(汗)

そんな経験を経て、絶対の正解なんて言えるものがある方がレアで、大抵は、制限された認知の中から、それっぽいものを選択していくプロセスの連続なんだと思うようになりました。まぁ、それが新事業開発の基本である高速で仮説検証を回せ、という基本ではあるのですが。

でもこれって、フィアレスな組織をつくるための「参加を求める」の基本となる「完璧でないことを認め、謙虚さを示すこと」につながるんだなぁ、というのが面白いと思いました。

仮説検証は、完璧なんてないことを前提にしています。その時のベターを選択する。そしてときには失敗もする。でも、だからこそ失敗からも学ぶ。そうすれば、その失敗は、もはや失敗ではないのだと思います。そういうことをオープンにしておくが大事なのだと、思いました。

聴くこと

「聞く」ではなく「聴く」であることもポイントです。本書の帯の推薦文を書いている篠田真貴子さんも参画されているオンライン1on1サービスを提供しているYeLLのサポータープログラムを受講しましたが、そこで、この2つの「きく」の違いについて伺いました。

そこで印象的だったのは「聴く」はwithout judgementできくことが重要だということでした。人の話を聞いているとき、自分はその話に対して、何を「言おうか」と自分の頭の中のコンテンツにアクセスしていることが多いのです。そのために、その話の内容に「良い」「悪い」など判断(judgement)をしながら「聞い」ているのと説明されました。

それに対して、「聴く」は、「良い」も「悪い」もジャッジせず、相手の気持ちに寄り添うことだといいます。その人は、いま嬉しそうなのか?怒っているのか?悲しそうなのか?楽しそうなのか?自分自身も相手が感じているであろう気持ちに身を置き、相手の「言っていること」とその「気持ち」に共感すること、それが「聴く」ということだと、自分は理解しました。

これは、以前に、EQ(エモーショナル・インテリジェンス)について学んでいたときに、「なるほど、そういうことか」と思ったことと共通していて、かなり腹落ちしました。そのときの学びをまとめたnoteが以下になりました。

探究的な質問をすること

さて、「聴く」について整理したところで、「探究的な質問」ということで、探究とは何でしょうか?goo辞書によれば以下となります。

探求(たんきゅう)の意味
[名](スル)物事の意義・本質などをさぐって見きわめようとすること。「真理の―」「生命の神秘を―する」

goo辞書「探求」

意義・本質に近づくために質問をする、ということですね。「聴く」において、相手のいま感じている「感情」に近づくための質問をすることも「探究的な質問」であるといえるのでしょう。

意義・本質というのは、個別具体の事象を見るのではなく、「ようは」それはどういうことなのか?という概念化・抽象化をしていくということだと思います。

もっとも簡単な探究的な質問は「なぜ?」でしょう。でも、「なぜ?」と問うてもなかなかその先が続かないことも多いと思います。そういうときは「もし~だったらどうなるか?」という問いも、新事業開発においては定番の質問としてあります。その派生では「もし10倍にできるとしたら?」「もしゼロにできるとしたら?」といったものもあります。

また、マネジメントという意味では、そういった「そもそも論」をしてもよいんだ、という空気を作ることも大切ということなのでしょう。上司は完璧ではない、という前提に立ち、本質を問う機会をチームメンバーに対してオープンな姿勢を示すということが大切なのだと思いました

ちなみに、抽象化の力というのは、開発できるものであるということと、その威力を感じつつあるのは2021年の私の個人的な学びでもありました。それについては、以下のnoteに書きましたのがでご参照ください。

仕組みとプロセスを確立すること

さて、最後は、「仕組みとプロセス」です。「意見を募る仕組みと議論のガイドラインを示す」ことが重要だと説明されています。書籍の中では、例として、従業員同士で学びあうことを挙げています。

本書の学びのnoteの初回で横1on1という取り組みを私のチームで実施したことを書きました。これは通常は上司と部下で行う1on1を部下同士でやってもらうことによって、互いに経験学習を助け合うという取り組みで、本書を読む前に、知人から口頭で紹介を受けたときに、思い付きでやってみたものでしたが、まさに「仕組みとプロセス」にリンクする取り組みだったんだな、と認識しました。(といっても、現在は、工数の関係で停止中です。。。)

本書の他のまとめ記事

<全四回のまとめの構成>
第1回 横1on1をやってみての学び
 →読み始める前に思っていたこと。
第2回 承認欲求に頼らない組織の土台づくり
 →リーダーのツールキットの「土台をつくる
第3回 仮説検証・共感・抽象化の関係 ★本記事
 →リーダーのツールキットの「参加を求める
第4回「叱ってもいけない・褒めてもいけない」の関係
 →リーダーのツールキットの「生産的に対応する

おわりに

以上、今回は、フィアレスな組織をつくるリーダーのツールキットから「参加を求める」からの学びを書いてみました。次回は、「生産的に対応する」からの学びを抽出してみたいと思います。

以下の新任マネージャーの心得というマガジンにこういった記事をまとめているので、もしよかったらのぞいてみてください。本記事への「スキ」やアカウントのフォローをしてもらえると励みになります!

「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標にnoteを更新してますしのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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