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誰も羨ましくない、なぜなら私が世界で1番幸せだから

こんにちは、しのと申します。
みなさんは3月8日が何の日か知っていますか?
国連が制定した「国際女性デー」です。
イタリアでは同時期にミモザの花が咲くことにちなんで、ミモザの日とも呼ばれています。

今回はミモザの日をイタリアのボローニャで満喫しすぎた私の体験をご紹介します。

1.そもそもミモザの日って?

国際1904年3月8日にアメリカのニューヨークの女性労働者が参政権を求めてデモを行った日。このデモを受けて、1975年に国際女性デーが制定されました。現在は国連事務総長が加盟国に対して、女性が平等に社会参加できるような環境づくりを呼び掛ける日になっています。
【参考】
https://www.fiat-auto.co.jp/ciao/mimosa-2020/  
(2020年5時31分最終閲覧)

ミモザの日にはバレンタインデーのように男性が女性に敬意と感謝を込めて、ミモザの花を贈るらしく、女性たちは贈られたミモザを飾るだけでなく、日常からつかの間離れて、お出かけや外食を楽しむのだといいます。

2.目の前で広がる小説の世界

この日の午前中はイタリアの学生さんとの交流会でした。そしてまず驚いたのは登校して直ぐに生徒たちが先生にミモザの花束を渡していたこと。

「先生は僕達に知識を与えてくれる女神様のような人だから」

眩しい。
当たり前のように先生を尊み、呼吸をするように花束を渡せる彼らが。

小説の中の話だと思っていた。
そもそも私が初めてミモザの日を知ったのは小説。喧嘩をして家を何日も開けた彼女をミモザの花束を持って迎えに行く男性の心情と、泣きながら笑顔でそれを受け取る彼女に憧れた。

だから突然目の前で行われたその行為に驚いた。
この話はフィクションではなかったから。

その出来事があってから街にある花屋さんをよく見るようになった。もう1週間もイタリアにいたのに気がつかなかった。
イタリアには花屋さんが多くいつでも誰でも気軽に花束が買える環境だった。きっとそのくらい花束を渡し渡される人が多いのだ。

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街にあるマリア様の像や絵にもミモザの花が飾られていた。
街中に広がる黄色い感謝と愛を知りまた1つミモザの日が好きになった。

3.ミモザが五感に訴える

ミモザをイメージした黄色い服

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ミモザが添えられたケーキ

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ミモザのジェラート

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これはミモザの日だけの特別な味か聞きたかった私。

「this is a today's only special ?↑」

いくら英語が出来ないと言っても文法が間違っている上に断言。
語尾を上げて首を傾げて聞いていることをアピール。

ミモザの日限定だった。ありがとう。イタリアの人は心が広い、一生懸命考えてくれた。

4.ボロネーゼ発祥の地、絶対に食べたい

大阪でたこ焼き、ベルギーでワッフル、いつかフランスに行ってフランスパンが食べたいという型にハマりきった私。ボロネーゼ発祥の地ボローニャでどうしてもボロネーゼが食べたかった。
ということで友人2人と夜の街へ繰り出した。

ここでクイズです、どれがボロネーゼでしょう?

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※私の予想

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しかし2人に付き合ってもらっている以上失敗は許されない…。自信が無いので店員さんに聞いた。

「これはボロネーゼですか?(英語)」
「違うわ!(英語)」

早い、そして違った。

※正解は

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「「「 わからん 」」」

どう見ても下がボロネーゼ、ボロネーゼが下にあるのにラグーを紹介されることに納得ができない私は必死にここで生まれたトマトとお肉のパスタが食べたいことをアピール。

納得した店員さん、満面の笑みで

「これよ」

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「「「 ラグーだ 」」」

調べてみると

ラグーの本来の意味は煮込み料理
ラグーとはフランス語やイタリア語で「煮込む」という意味。
肉や魚など食材を煮込んで作る料理ならすべてラグーという名がつく。
本場ボローニャでのラグー
正式名称は「ラグー・アッラ・ボロニェーゼ」
ボロネーゼという言葉は「ボローニャ風の」という意味で、元々シンプルな料理だったパスタを、ボローニャの富裕層がフランスの煮込み料理「ラグー」を元に、肉や野菜、ワインなどを使用して作られたものが起源。
【参考】
ウチコト
https://tg-uchi.jp/topics/4484
solto  
https://www.google.co.jp/amp/s/solto.jp/pro/posts/ragout%3famp=1
(2020年5月31日 最終閲覧)

「正式名称にラグー入ってた!」
「そもそもラグーという言葉フランス発祥」
「ラグーもミートソースもボロネーゼソースももう分からないね」

言いたいことは沢山ありつつもまずは店員さんに感謝。
かなり多そうだったので、もうひとつ店員さんおすすめを頼み3人で分け合うことに。
とりわけ皿が欲しい私たち

「3枚お皿をください(英語)」
1人3つずつパスタを食べるのかと聞かれる。
(良く考えればDishは料理という考え方もあるので当然)

「3枚プレートを下さい(汗)(英語)」
本当に1人3つずつパスタを食べるのかと確認される。
(ここのパスタは前菜と共にプレートに乗っていた)

「…私たちは…セパレートしたい」
私が持っている英語ではこれが限界だった…。

「あぁ!vacant(空っぽの)dish(お皿)ね!」
(さすが私たちの天使!よくわかってくれた!!)

※みなさんよく覚えてください
「Please give me three vacant dish(empty plate).」
(空いているお皿を3枚ください)

※念願のボロネーゼ

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店員さんおすすめの、名産のトルテッリーニ

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5.世界で一番幸せになった瞬間

「今日は来てくれてありがとう、良い一日を」

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会計の時に店員さんに貰った。
まさか憧れのミモザの日をイタリアで過ごせただけでなく、きっかけの小説の世界を見るどころか体験することが出来るなんて…。
(感動してピントがあっていないことに気づいていません)

お店を後にしてホテルに戻る途中、なんだか泣きそうになった。
中高では毎回英語の追試を受け、卒業すら危ぶまれた私が異国で自分たちの力だけで外へ出て目的以上のものを得た。

子供たちの憧れがシンデレラで王子様にガラスの靴を履かせてもらうことが夢だったのであれば、私の憧れはミモザで今それを手にした事が信じられなかった。

ミモザで溢れる夜、友達に話した
「私は今、誰のことも羨ましくない。1億円が当たった人やプロポーズが成功した人が目の前にいたとしても。なぜなら私はこの世界中の誰よりも幸せである自信があるから。いつもは羨ましいと思う人の事も、どんなに嫌いな人の事でも今なら心から共に幸せを願ってあげられる。」

本当に、世界中の人がこんな気持ちになればいいのに。世界が平和になるとしたらこの方法しかないとさえ思った。

こんな大袈裟なことを言ったのに、友達は笑わずに「私もそう思う」と言ってくれた。
私の友達は本当に素敵だと思う。

6.学びとそれから

貰ったミモザはドライフラワーにして今でも時々助けて貰っている。

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言葉を綴るペンとして
素敵な言葉に挟むしおりとして
可愛くなりたい日のアクセサリーとして

特にペンは日記や自信の無い履歴書に使用しているので何代目か…?

あの時の気持ちを留めておいてもらっているので、1年経った今でもその幸せを分けてもらっている。

それと時々花を買うようになった。
バイトで褒められた日、友達と素敵なデートをした時、自動車免許に受かった時
自分で“特別だ”と思った日に花を買い、その気持ちを忘れないように形に残した。

花束を渡した事はないけれど、エピソードと共にその花を形にしたものをプレゼントしたことがある。
物としては大したものでは無いけれど、私と同じくらい幸せを感じてくれたことが嬉しかった。
自分の幸せは人と共有することが出来る。

最後にひとつ、今まで目を逸らし続けてきた英語にまた向き合おうと思う。
イタリアでの唯一の心残りはその感謝をしっかりと店員さんに伝えられなかったこと。
つたない英語でも注文や聞きたいことは聞けるけど、自分の思いは伝えることが出来ない。
ひとつの出来事をこんなにも長くかけるほどの考えや言葉は私の魅力の一つだと思っている。それを少しでも伝えられなかった事が本当に悔しい。
私は感謝を伝える言葉を「Thank you」しか知らなかった。

私はその一言に込めた気持ちを、次は絶対に届けると決めた。

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
あなたも幸せな一日を過ごせますように。

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