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名まえのないひととき

まだ
夏になりきらない夏の
夕方と夜の間にある
名まえのないひとときが好きだ

青みを帯びた
うすい闇(あるいは光の残滓)

鳥がいそがしく鳴いていて
巣へ帰ろう、と言っているよう

暮れゆく静けさと
動的な気配が
心地よく混ざり合っている
このひとときが好きだ

神さまが与えてくれた
この世界の
無防備な
体温に
触れた気がして
ふと
泣きそうになるのです


◇今日、ちょうど日没のころの時間帯に感じたことを詩にしてみました。名まえのないひとときと書きましたが、マジックアワーと呼ばれる時間帯に近いかもしれません。感覚的にはそれよりも短くて、いろいろなもののあわいのひとときというイメージです。私の場合は夜も仕事をすることが多いので、まだまだ1日は終わらないのですが、なぜかこの時間帯はすこしほっとします。「今日はこんなふうに生きました」と神さまに報告し、あとは明日の朝を待てばいいような気分になるからでしょうか。

泣きながら夜を過ごす人にも 喜びの歌と共に朝を迎えさせてくださる。
(詩編30:6 聖書 新共同訳)


見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから、あい(ai_kotoba)さんの作品を使わせていただきました。ありがとうございます。

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