6月29日は聖ペトロ使徒と、聖パウロ使徒を記念する日 ~自分の罪を背負って回心の旅路を歩み続けたふたり

 カトリックの聖人カレンダーによれば、本日6月29日は、聖ペトロ使徒と、聖パウロ使徒の記念日です。新約聖書に登場する、どちらも有名な人。このふたりが同じ日なんて、なんだかすごい日ですね。

↓女子パウロ会のサイトにある聖人カレンダーのページ。月ごとや50音順に見ることができ、説明もわかりやすいです。

 私はプロテスタントのクリスチャンで、所属している教派には聖人を記念する習慣はありません。でも、家にカトリックのカレンダーをかけていて、毎日見ています。キリスト教のおもな行事が記載されているので、便利なのです。
 たとえば、キリスト教の三大祝日とされるクリスマス、イースター、ペンテコステ。このうちイースターとペンテコステは、クリスマスのように〇月〇日と決まっておらず、毎年日程がずれます。
 日本では、クリスチャンはマイノリティ(人口の1%未満と言われています)。市販の一般的な手帳やカレンダーには、イースターとペンテコステは出ていないことが多いです。そのため、私は毎年自分で「今年のイースターは何日だったかな」と調べて手帳に書きこんでいます。

 今年はカトリックのカレンダーを部屋にかけたおかげで、それを見れば教会暦が一目瞭然。おもな聖人の記念日も出ているため、自然に意識するようになりました。

 本日の聖ペトロ使徒は、イエスさまの弟子、12使徒のひとりです。けれどもイエスさまが捕縛されたとき、自分が逃れるためにイエスさまのことなど知らないと3度も嘘をつき、それを恥じて激しく泣いた人。その後は人生をかけて宣教し、殉教しました。初代のローマ教皇です。

↓ウィキペディアのリンクを貼っておきます。

 そして、本日もうひとりの聖パウロ使徒。初期キリスト教の発展に寄与した、こちらも重要人物です。「目からウロコが落ちる」の語源となったエピソードの人でもあります。
 はじめはサウロという名でキリスト教徒を迫害していましたが、あるとき「目からウロコのようなもの」が落ちて回心。キリスト教徒となって宣教に尽力し、殉教しました。「ローマの信徒への手紙」「コリントの信徒への手紙」など、新約聖書にはパウロの書簡とされる文書が複数おさめられています。

↓ウィキペディアのリンクを貼っておきます。

 ペトロはイエスさまを見捨てて逃げ、パウロはキリスト教徒を迫害しました。ふたりとも、その罪を神さま(イエスさま)に赦され、生き直した人です。赦されたあとも、その重さを背負って、回心の旅路を歩み続けたのだろうと思います。

↓回心の旅路についてはこちらの記事をご覧ください。

 ペトロとパウロが見せてくれたのは、
 人はいつからでも変われるし、方向を変えて生き直せる。でもまったく別の人になれるのではなくて、それまでの人生も抱えながら、むしろそれを抱えている人だからこそできる使命を果たして、前を向いて進んで行く。
 そういう姿が尊いし、そうやって歩むことが大切なんだということだと、私には思えます。
 その意味で、このふたりの聖名祝日(記念日)が、同じ日に定められているというのは、感慨深いですね。


◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから、hanakokoroさんの作品を使わせていただきました。ありがとうございます。

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