【詩】飛行機の詩~Twitterで書いた詩5選~ 23 蜃気羊 2021年9月10日 16:48 ドアモードをアームドにすることが機内に告げられ、さっきまで君と過ごした時間はすでに思い出になる。次、君に会うときは現実が一息ついた頃だろう。窓から見る夜の空港はオレンジで照らされ、無機質な機能美が妙な感動を生む。そっとため息をついたら、緊急脱出のビデオが始まった。#詩— 蜃気羊 (@shinkiyoh) August 20, 2021 田園の滑走路は不自然。山を切った空港は、空母のように異物だった。朝、北から飛び立ち、ボーイング737の狭い機内で一眠りしたら、もう着陸態勢に入っていた。東京湾を旋回中、見える街は完全に異国で、朝の田園は幻だと確信する。いつも、この景色を見て、慣れない人波に入る覚悟をする。#詩— 蜃気羊 (@shinkiyoh) July 2, 2020 ジェラートがゆっくり溶け、柔らかな先から桃が垂れる。ベンチに座り、青空とみずみずしい芝を眺める。そっと唇をつけると桃がおいしい季節だと強く言えるくらい柔らかな酸味を感じた。遥か上空のジェット機が、夏が終わることを知らせるように青空に白い線を残した。#詩— 蜃気羊 (@shinkiyoh) August 16, 2021 大型旅客機が轟音を立て夜空に赤白を点滅させ頭上を飛んでいった。公園をランニングしている。涼しい風を背に受け呼吸を一定にする。いくつもの白い街灯をくぐりゆるいカーブを駆け抜ける。もっと、スマートでありたい。だけど、そうあれない。だから、弱いんだよ。息が切れた。#詩— 蜃気羊 (@shinkiyoh) September 6, 2021 エアバスかボーイングかわからないジェット音が雪雲を貫く。地上は白しかなく、悪魔が凍るように囁く。周囲は死にたくなるくらい静かだから、低音が余計に孤独を作る。出来上がったばかりの白。巡り会えた奇跡を感じると、死にたくても死ねないから、雪に左手を突っ込んで目を醒ます。#詩— 蜃気羊 (@shinkiyoh) December 26, 2020 最新の詩はTwitterで公開しています。こちらをタップしてね→Twitter_蜃気羊もしよければ、閲覧、スキ、いいね、フォローしていただき、蜃気羊と愉快な羊たちの一員になろう!関連記事 ダウンロード copy この記事が参加している募集 #スキしてみて 545,850件 #眠れない夜に 71,928件 #小説 #スキしてみて #詩 #ショートショート #ポエム #Twitter #現代詩 #眠れない夜に #ショートストーリー #飛行機 23 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート