薄目でパカッ-空想会話
おいらたちビーチにいるの
至る所にね
それもすんごい数
なんだってこんなとこにいるんだよ
ついさっきまでは海水に覆われた砂の中にひっそりしていたんだよ
幸せだったんだよ
適温、適水、適砂に覆われて気持ちよく過ごして今はこの様
おいらだけじゃないよ
仲間みんな幸せに静かに暮らしていたんだよ
だけど幸せは長くは続くかない
毎度繰り返される戦いの時間がやってくるんだ
海水なくなった時が悲劇よ
俺たちを狙って浜辺に一斉に降りてくるのよ
うまいこと見つからないように奥へと行くんだけど、たまに砂が思った以上に流されちゃうことってあるのよね
敵はくちばしで砂掘るのよ
そしておいらたちを見つけるのよ
動けないのをいいことに
抵抗はするのよ
こう口をガッと閉めてね
でもダメなのよ
こなれた手つきでおいらたちの防壁のちょっとした弱い隙間を見つけてググっとググっとこじあけられて・・・・・
そんでこのあり様よ
今、おいらたちに出来ることは開かれた口をこう最後の力でほんの少し閉じて
ちょっぴり後ろめたい気持ちでにお前さんたちを見るだけよ
薄目でパカッとこちらだって見返すよ
恥ずかしい姿、そんなにじっと見ないでよ
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