シェア
小山伸二
2014年11月30日 22:17
ランブリングする十一月 秋の声が届いた図書館で借りた物語のなかで登場人物は自分のノートを破り始めるお行儀のいい生活はやめにしますこれからは本気で生きたいから言葉にならない感情を埃まみれのフラスコのなかでかき混ぜるランドセルを背負ったギャングたち爆発もなければ煙も出ない世界なんてウンコだよわざと声に出してはしゃぎながら中央線に飛び乗ってくる国立五小を卒業した
2014年11月25日 00:53
聴こえないはずの鳴き声実験室の午後のなかで遠くからはブラスバンドのチューニングの音聴こえないはずの鳴き声惑星の秋って、いつものおおげさな詩人の物言いのなかで聴こえないはずの鳴き声秋の山に鳴く鹿のように白いヘッドフォンのなかから微かに銀杏の町を歩く人の歩いて来た時代をなぞってこの季節が好きだもうじき異国の神の生誕の知らせが届くこの季節の風が好きだあやしげな影たちを追い払
2014年11月24日 21:14
ディラン・トマスの詩が、この映画のなかではずっと通奏低音のように流れていた。___________________________________Do not go gentle into that good nightDo not go gentle into that good night,Old age should burn and rave at close of day;
2014年11月1日 01:18
十月の記憶 小山伸二 夜の道は淋しい言葉にしてはいけない約束だから地面に落ちた果肉を臆病な猫たちに食べられないように用心深く拾い集める甘い蜜の秘密の壷人差し指を濡らしてしずかにかき混ぜたことを忘れない計画された道で地中に根を張る街路樹たちの影の濃淡を数えて蛇行する自転車と黒ネクタイの男たちを器用にすり抜けながら寄り添うふたりもどこかへゆら