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【ミカタをつくる広報の力学】 #38 DXネタのPRについて考える

今回は、デジタル庁発足のニュースでさらに関心が高まるDXネタのPRについて書きたいと思います。

前回、夏のPRネタとして、デジタル法案やおうち時間と関連したDXについて触れましたが、デジタル関連のネタは一筋縄ではいかないので一緒に考えていきましょう。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


なぜいま「DX」が話題なのか

全国的にDXの記事に沸いています。
毎日必ず紙面を飾り、新情報が続々と出てきます。

デジタル庁の発足や、様々なデジタル関連法の法制化という「国策」もあってのことですが、社会全体の期待感が後押ししているということもあるのだと思います。

国策の柱としてはデジタル庁の発足が2021年9月1日と決まりました。
早速note公式アカウントも開設されたようです。


デジタル庁設置以外のデジタル関連法案は以下の通り。

・デジタル改革の基本理念を定めた「デジタル社会形成基本法」
・個人情報保護や押印廃止など様々なデジタル化を定めた「デジタル社会形成整備法」
・マイナンバーと預貯金口座の紐づけに関する「公金受取口座登録法」「預貯金口座管理法」
・地方自治体のシステム標準化と政府クラウドに関する「自治体システム標準化法」

さらに厚労省管轄ではありますが、電子マネーによる給与支払いもDXの範疇に入るでしょう。

国策だけでもこれだけあるのですから、各メディアが網を張るのも頷けますが、もちろんそれだけではなく、世の中からも期待されているからこそ話題にはなるのでしょう。

では、デジタル化されると、どんなメリットがあるのか。
それは現在の社会環境、新型コロナウイルスやSDGsが大きく関係しています。


メリットはエコとコロナとQOL

現在の社会環境において、DXが進むとどんなメリットがあるのかを考えてみましょう。

まず、物理的な資源を使わなくなることによってエコロジーに貢献できるという点
例として、今まで紙で出力されていた書類をデータ管理にすることで、紙資源の削減に貢献することになります。
現在は逆に「プラスチック削減」の影響で紙製品が注目されているので何とも言えませんが、ハードをソフトに変換して活用することで省資源になるという考え方です。

次に、コロナ禍で物理的な移動や直接の面会が難しい状況においてもコミュニケーションがとれるという点
分かりやすいのはリモート会議でしょうか。
会議だけでなくデスクワークのほとんどがネット上で行えるようになったのは、2020年の大きな変革といえるでしょう。
接触を避けるという意味では、キャッシュレス決済が一段と加速したのも、コロナ禍によるところが大きいかと思います。

最後に、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)デジタル化によって生活の質が向上する点
テレワークに移行したことで、通勤にかかる時間やストレスを回避することができた人も少なくないと思います。
他にも行政手続きのデジタル化や飲食のモバイルオーダー、スマホ支払いやスマートスピーカーなど。
デジタル化による恩恵は数えきれないほどあり、それらすべてがQOLの向上に繋がっています。

ざっくりまとめましたが、この3つのどれかに当てはまるなら、デジタル化する意味があるということになりますので、記事として見る機会も多いと思います。


PR施策にはテーマ性が必要

とはいえ、上に書いたような王道パターンは既に出尽くしていて、なかなか新しい施策を見出すのは難しい。
もはや「デジタル化競争時代」と言っても過言ではないです。

新しく出来た法律を活用するという方法もあるかと思います。
押印廃止後に一番乗りで押印無しの行政手続きをした企業は記事になるかもしれませんし、マイナンバーをビジネスに活用した企業も記事になるかもしれません。ですが、どちらもかなりハードルが高く、わざわざやることでもない気がします。

では、PRに活用するには何が必要か。

考えたいのは「誰のためのDXか」ということ。
「受験生のためのDX」とか、「高齢者のためのDX」とか、「社員のためのDX」とか。
ターゲットを指定することでテーマ性とストーリーを打ち出すことができて、自社のビジネスとも絡みやすくなりますよね。
受験シーズンになると決まって受験生を応援するお菓子が店頭に並ぶのと同じです。

最も注目したいターゲットに向けてDXを導入すれば、明確なパーセプション形成ができるかと思います。
特にバリアフリーにおけるDXはまだまだ可能性がありますので、やりがいがあるのではないでしょうか。


おわりに

今回は話題のDXネタについて書きました。
法整備はこれからなので動向を見守る必要がありますが、1年後には定着してニューノーマルになっているかもしれません。

PRパーソンとしては、定着に貢献できる立場でいられるよう頑張りたいと思います(笑)


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。



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