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衰えた空想力

小さい頃、夢は小説家だった。

本が好きだった。それは漫画でも、小説でも、どちらとも。アニメも好きだった。創作物、というもの自体好きだったと思う。

小学生の頃、小説は青い鳥文庫が好きだった。若おかみは小学生!や黒魔女さんが通るにハマってた。中学生になるとティーン向けの小説を読むようになった。ファンタジーや学園モノ、恋愛小説に憧れ、空想の世界に夢を馳せ、毎日小説を書いていた。暇な授業は妄想や小説の内容が考えられるから楽しかった。そんな子供だった。


成長するにつれ、勉強や部活、大学受験などが始まって忙しくなってきた。中学生までは毎日書けていた小説も、高校生になると毎日書けなくなった。そして次第に書く暇がなくなった。それでも妄想や小説の構成やアイディアを考えることは辞められず、時間ができたら小説をまた書こう、大学生になったら書こうと思いながら、アイディアをストックし、日々過ごしていた。


そして私は大学生になった。大学は人生の夏休みなんて言っているが、理系の私は全くそんなこと無かった。さらに、なぜだか分からないが体育会系の部活に入部してしまい、部活に課題で私は高校よりもさらに忙しくなった。

忙しくて、忙しくて。私は趣味をする気力を失なった。漫画も、小説も、読むに暇がなくなった。本屋に行くのは好きなのに、買って積読ばかりしてしまうようになった。次第に妄想も小説について考えることもできなくなってきた。そして私は妄想も小説のことも考えなくなった。



そして今。

私の空想力は全く働かなくなっている。


なんというか、石のように硬いのだ。昔はポンポンアイディアが出てきたし、ポンポン妄想が膨らんできた。なのに今は、何も思いつかない。

何も思いつかないので昔貯めてきた小説のアイディアを昔の自分から盗作することにした。だが、矛盾点や世界観を気にするあまり、筆が全く進まなくなっていた。展開も当たり前のような展開しか思いつかなくて、構造もふんわりとしたものしか思いつかず、そして何も考えられなくなっていた。

めちゃくちゃ悔しかった。


加齢と共に現実的になったのか、それかお固くなったのかな……そう考えた。だがそれは違うとすぐにわかった。だって、世の中のすごい展開や超展開、世界観がすごいファンタジーを書いている小説家さんも漫画家さんもみんな大人なのだ。21歳の私に加齢という言い訳は通じないはずである。


じゃあ…と原因を考えてみた。

空白期間、鬱っぽくなったからではないだからではないだろうか───

私は小説は高校生から書かなくなったし、小説のことを大学生になってあまり考えなくなった。そしてその後、大学を辞めるとき、その後の専門学校に入った1.2年生の時、私は無気力状態となった。鬱状態になったのである。

大学入学当初は、「小説が書く暇がない」「妄想してる余裕が無い」だったのに、鬱っぽい状態の時は「なにもしたくない」「何も考えたくない」「そのまま消えたい」という思考しか出てこなくなった。ただ何もせず、ベットでぼーっと過ごしており、そして私は、無事に何も考えず過ごした。

いまは専門学校卒業間近で、私は実家で長期休みを満喫中である。大学中退時や、専門学校の頃のような苦しい期間は終わりを迎え、定期的に起こっていた鬱っぽい状態も、精神的な苦しみも少しずつ治ってきている。

ただ、想像力空想力はブランクが長かった。小説も漫画も読まなくなったのだ。まず妄想の材料がなかった。そして今、いざ小説を書きたくても何も書けない、何も思いつかない。

悔しい。

小説を書きたい。今書きたい。なのに、何も思いつかない自分がとても悔しい。


椎名ゆず。

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