あなたの思ってる『強み』は『思い込み』?客観的検証の重要性
自社の『強み』だと思っているものが『単なる思い込み』だったら・・・
恐ろしいことですが、もし本当にそうだったら大変なことです。
勇気をもって客観的に比較して、事実を受け止める必要があります。
もし検証の結果『強み』だと思っていたものが間違っていたとしても、落ち込むことはありません。
改善すべき弱点が見つかったと思って、克服さえすればよいのですから。
今日はそんな一例を紹介いたします。
異動直後に自社の強みを聞いてみた
普段は製造業に属する企業の新米課長としての気づきや、経験、考察、組織を変えるための苦悩についてnote投稿をしている『ケツアゴ新米課長』と申します。
数年前、管理職としてではなく、その候補生くらいの立ち位置で今の部署に異動してきた時の話です。
当時の上司にこんなことを質問してみました。
責任をもって製品を開発・製造・販売してくために、自分が関わる製品について早く知りたいと考えてのことでした。
その答えはこんな感じでした。
①この道〇〇年の歴史がある
②全行程自社で製造している
この2点はその他の先輩に聞いても同じことを言っていたので、組織全体の共通認識だったんだと思います。
この強みを疑ったきっかけ
これを聞いた瞬間の感想はこうです。
なぜなら、以前読んだ本にこんなことが書いてあったからです。
"歴史を語る企業に、歴史以外の売り物無し"
つまりPRポイントとして『歴史を売り』にする企業は、それ以外に優れた点がない可能性があるという事です。
『事実』が『強み』になる理論
この『強み』としているポイントがナゼPRになるのか?
(なると思っているのか)
そのロジック(理論)は恐らくはこんな感じなんだと思います。
『事実』がお客様に『メリット』をもたらすから『強み』になるわけです。
いわゆるバリューチェーンってやつですね。
僕の中で『うそ?こんなに眠くなるのに化学物質が一切入って本当?』ランキング不動の第一位である経営学の歴史的名著・マイケルポータ著『競争優位の戦略』で提唱されたといわれる概念ですね。
この本から学んだバリューチェーンの解説はまた今度まとめようと思います。
話を戻すと、自社が持っている『事実』がお客様が求める『価値』につながるからこそ『強み』だと考えているわけです。
その『事実』は本当に『強み』でしょうか?
上司のことが嫌いで発言を疑っているわけではありません。
事業として拠り所としている『強み』が万が一にも間違っていた場合。
大変なことになるのは明らかなので、冷静に考えるために一度疑って考えてみることはとても重要です。
なぜなら人間は自分にとって都合のいい方向へ思い込みをする生き物ですから。
この『思い込み』をメンタルモデルと称して紹介した名著もリンクを貼っておきます。
これも得るものが非常に多い本なので、またどこかの機会で紹介したいと思います。
自分たちが『強み』と考えている同じ事実も、場合によってはこんな弱み(デメリット)を顧客に与えているかもしれません。
いかがでしょうか?
例えばあなたが自社と競合するライバル会社のことをお客さんに話すことを想像してみてください。
事実は同じでも、きっとこういった伝え方をするのではないでしょうか?
どうやって検証するのか?
ここまで書いてきた2通りの見方は、どちらも事実で、どちらも可能性としてあり得る話です。
自社が『強み』だと思っている『事実』が本当にお客様の価値になるのか?
それは思い込みでないのか?
実際に検証することが必要です。
検証の方法は『比較』しかありません。
企業に限らずアイドルやスポーツ選手まで、市場にさらされるほぼ全てのものは相対的な価値の比較で優劣が決まります。
(これも先述の『競争優位の戦略』に詳しいですが、詳細は別の機会に)
なので比較するのが一番です。
実際に比較して判明した衝撃の事実
自社が強みだと思っている点の『全行程自社で製造しているから安い!!』が真実なのかどうかを検証することにしました。
ギョウザ屋さんに例えて『工程』というものを解説してみましょう。
『全部の工程を自社でやっている』というのは、ここにあるすべてを自前でやっているという意味です。
全部自分たちでやるからこそ『安く』作れるのか?
これを検証するために、工程のある一部分だけを外注の専門業者に依頼して見積もりを取ってみました。
帰ってきた見積もりは衝撃的なものでした。
なんと、専門業者の利益が乗っていても、自社でやる半額のコストでこの工程ができてしまうことがわかりました。
自社の歴史〇〇年の経験で熟練した作業により1人で1時間に1000枚もの餃子の皮を伸ばす技術を自慢していたら、外注業者は同じ時間・同じ人数で3000枚の皮を伸ばす技術を持っていたという事になります。
とにかく『井の中の蛙大海を知らず』という事でした。
当然すべての工程においてヘタクソと決まったわけではないのですが、少なくとも自分たちの『強み』だと思っていたものが『都合のいい思い込み』である可能性が出てきました。
見方を変えた時こそ成長のチャンス
信じていた強みが崩れた事はショックですが、なにも悲しい事だけではありません。
克服するべき弱点が見つかったと思えばいいのです。
実際にわが社は、この外注業者に正式発注することで大幅なコストダウンをすることができましたし、新たなパートナーを見つけることができました。
今後はこの事実を受け止めて、まだまだ弱い部分は強くするか、もっと上手にできるパートナーと手を組んでいきます。
見方を変えたことで伸びしろがたくさん見つかりそうです。
まとめ
今日は自社の『強み』だと思っているものが『思い込み』ではないのか?と疑って、検証することの大切さを記事にしました。
検証の方法は、部分的にでも構わないので誰かと比較すること。
そして客観的な事実を受け止めることです。
もし検証の結果『強み』だと思っていたものが間違っていたとしても、落ち込むことはありません。
改善すべき弱点が見つかったと思って、克服さえすればよいのですから。
こちらの記事は似たテーマの記事を集めた『大企業のリアル』というマガジンにも登録されています。
大企業イメージと実情のギャップに悩みながら奮闘して改善を目指す姿を投稿していますので、もしよろしければこちらもご覧ください。
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