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面白かった本だけを厳選して紹介!!(001)

『監督の財産』(栗山英樹 著)


全部で848ページあります。読むのが速い方だと思う私でも丸2日かかりました。なぜエンジニアの私がこの本を紹介したいと感じたかを、いくつかご紹介します。

① 大谷翔平に関する話
・プロの世界に入ってくるような選手たちは、みんな才能豊かな者ばかりだが、入ったあとのことで言えば、本当にがむしゃらにやれる時期、一番伸びしろのある期間というのは意外と短い。
・大谷は仲間がクリスマスを楽しんでいるであろう時に、何をしていたか。小さな努力の積み重ねが、誰もが驚く成果(二刀流の成功、52-52(2024年9月21日現在))につながっていくと思うと、自分がやっているつもりになっている努力とは努力のレベルが違うなと思い知らされる。

②スポーツチームに関する考え方
・プロ野球は、自分の子どもの運動会みたいなところもある。子どもが一等賞を獲るために一所懸命努力していて、その頑張る姿を観に行って、声を嗄らして応援している。
・私は大阪生まれ、大阪育ちの巨人ファンだが、私が小学生の頃にはまだ王貞治が現役で活躍していた。王貞治は見る者に感動を与えたが、「ファン」という存在が無ければ、彼は何を成し遂げたことになるだろう。スポーツチームは、ファンが存在するからこそ成立することをあらためて考えさせられる。

③「監督」という職業について
・プロ野球における「監督」について書かれたものであるが、スポーツの世界でなくても共通すると感じる部分がほとんどである。一般企業においても、人を育てることがいかに重要であるかが実感できる。
・しかし、特に日本の大手企業においては、その考え方がうまく機能していないことが見えてくる。「人を育てたい」と本気で考えるか、「自分の実績を上げるため」に人に仕事をさせるか、根本的な部分が異なるために日本の企業は悪循環が繰り返されるのだと気づかせてくれる。本当の意味で「人が育つ」環境が作れれば、その組織は衰退することはない。

他にも学ぶべき点が多い書籍でした。WBCで日本を世界一に導いた栗山さんの集大成とも言える、内容の濃い書籍です。


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