車椅子と玄関段差について
玄関土間と玄関廊下に段差がある戸建て住宅が一般的でした。
理由として建築基準法施行令第22条1 「床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45cm以上とすること」とあるので、玄関土間が地面と同等の高さだと室内の床が上がるためです。
車椅子を使用されている場合、 A. 1台の車椅子を家の中と外出時の両方で使用する B. 外出用の車椅子と自宅で室内用車椅子に乗り換える に分かれますが、自走式車椅子の場合は段差なしが基本的になります。
介助式車椅子の場合は、上がり降りの動作に注目します (画像:テクノエイドHPより)
今まで設計させて頂いた住宅において思うのは、フットレストがぶつからない低さにすることが重要だということです。
キャスター上げをする際に誤って直進し、麻痺しているつま先と玄関上がり框が衝突するのを避けるためです。
段差があるメリットとして、外部からのホコリ・塵・砂などが風で室内に流れ込まないということと、健常者の家族が靴の脱ぎ履きをする際、段差に座って動作できることなので、段差無しの玄関に椅子を設けたり、ホコリ止めの工夫をすることで解消できます。
一方で、段差を逆に設けて昇降リフトを導入するのも一つです。
車椅子使用されているご本人とご家族のライフスタイルや考え方を尊重した設計を続けてまいります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?