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わたしの推し映画

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特に人にお薦めしたい映画作品をまとめたマガジンです。 「#私の推し映画」でタグをつけています。 好き=推したいとは微妙に違ったりします。このマガジンを読んでもらえば、私の趣向が… もっと読む
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記事一覧

【圧巻!これぞ本当の異世界体験】映画『デューン 砂の惑星 PART2』感想

【圧巻!これぞ本当の異世界体験】映画『デューン 砂の惑星 PART2』感想

3月15日から公開予定の『デューン 砂の惑星 PART2』。
デューンと呼ばれる砂漠の惑星を舞台にしたSFアドベンチャーで、2021年に公開された『DUNE デューン 砂の惑星』の続編にあたる作品だ。

3月8日から3日間、全国のIMAX、Dolby Cinemaの劇場で先行上映をしていたので自分も観に行ってきました。鑑賞したのはミッドランドスクエアシネマの3月8日の19時30分からの回。客入りは

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【観たらあなたも虜になる!】映画『赤い糸 輪廻のひみつ』感想

【観たらあなたも虜になる!】映画『赤い糸 輪廻のひみつ』感想

昨年の12月22日から公開されている『赤い糸 輪廻のひみつ』。
現代の台湾を舞台に、死んでしまった主人公が再び人間に転生するために、縁結びの神様「月老(ユエラオ)」になって奮闘するファンタジーだ。

この作品、観た人の感想が熱い。
年末くらいからSNSで本作の感想が流れてきたのだが、「多くの人に観て欲しい」、「本当に面白い!」などみんなのハマり具合がとにかく熱い。

経験上こういう感想が熱い作品は

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【教訓の物語として観る】映画『イノセンツ』感想

【教訓の物語として観る】映画『イノセンツ』感想

先日、『イノセンツ』のDVDが届いた。
『イノセンツ』とは昨年公開された映画で、ノルウェーの団地を舞台に超能力に目覚めた子供たちによる戦いを描いたサイキックスリラーだ。

設定など1983年に刊行された大友克洋先生の『童夢』に影響と受けており(エスキル・フォクト監督もインタビューで影響を受けたと語っている)、「北欧版童夢」という風に例えられていることが多い。

自分が昨年観た中でも特に好きだった作

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【奇妙な旅の果てに自由を得る】映画『哀れなるものたち』感想

【奇妙な旅の果てに自由を得る】映画『哀れなるものたち』感想

エロとグロに彩られたダークファンタジー
この作品を一言で表すならそんなとこだろうか。映画が始まれば性と性にまみれた2時間22分の異世界体験。見たこともない世界へ連れて行かれる。

映画『哀れなるものたち』は『籠の中の乙女』、『ロブスター』などの作品で知られる奇才ヨルゴス・ランティモス監督の新作だ。

主演は『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーン。
『女王陛下のお気に入り』につづいてランティモス監督との

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【世間知らずの坊や、社会を知る】映画『ファニーページ』感想

【世間知らずの坊や、社会を知る】映画『ファニーページ』感想

高校生のロバートは恩師と崇める先生の死をキッカケに学校を辞めてプロの漫画家(カートゥーン作家)を目指すようになるのだが…

映画『ファニーページ』は『A24の知られざる映画たち』で公開されている作品の1本だ。Youtubeで予告編を観た時から「これ絶対好きなヤツだ!」と気になっていた作品。

結果的から言うと

大好きな作品だった。ただ人にはお勧めはしない。

かなりブラックでシニカル、おまけに下

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【日常という名の幸せを】映画『枯れ葉』感想

【日常という名の幸せを】映画『枯れ葉』感想

フィンランドのヘルシンキを舞台に、生活に困窮しながらも生きる男女のすれ違いの恋を描いた映画『枯れ葉』。監督はフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ。

主演は『TOVE トーベ』のアルマ・ポウスティ。『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』のユッシ・バタネン。共演に『街のあかり』のヤンネ・フーティアイネン、『希望のかなた』のヌップ・コイブが名を連ねる。

アキ・カウリスマキは自分のベスト3に入るくら

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【2023年映画ベスト10】と総まとめ

【2023年映画ベスト10】と総まとめ

2023年も間もなく終わりますね。今回の記事では2023年に観た映画のベスト10を挙げていきます。

去年と違い今年は各作品に順位はつけていません。
面白さのベクトルが違うものを1つに並べるってそもそも難しいな…と思い、今作では特に好きな映画10本を選出しました。

ちなみに劇場で観た総数は59本。数はだいぶ減りましたが、観たいと思ったのは大抵観れたから良かったかな。

なお、ベスト10ですが特に

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【この話は陰キャによく刺さる】映画『ショーイング・アップ』感想

【この話は陰キャによく刺さる】映画『ショーイング・アップ』感想

新年最初の映画感想の記事はこちら『ショーイング・アップ』の感想を。

「新年最初」とあるが今年最初に観た作品ではない。
2023年に感想を挙げきれてなかった作品の1本だ(ちなみに後3作品挙げれてない映画があります)。

監督はアメリカインディーズ映画で有名なケリー・ライカート。
奇しくも現在公開中の『ファースト・カウ』と公開時期が被ってるけど製作された時期は離れている。
日本での公開にタイムラグが

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2024年公開を心待ちにしてる新作映画10本

2024年公開を心待ちにしてる新作映画10本

新年明けましておめでとうございます。
ヴィクトリー下村と申します。これまで付き合いのある方も初めましての方もよろしくお願い致します。

新年早々、正月気分どころではないことが起きてますね…被害に遭われた方は心よりお見舞い申し上げます、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

さて、新年最初の記事は2024年公開予定の映画で特に楽しみにしてる映画10本を挙げてみました!

巨匠の新作を中心にさま

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【そこに確かに存在した】映画『ファースト・カウ』感想

【そこに確かに存在した】映画『ファースト・カウ』感想

西部開拓時代のオレゴン州を舞台にドーナツ作りで一攫千金を狙う2人の男の姿を描いた映画『ファースト・カウ』。

『リバー・オブ・グラス』、『ウェンディ&ルーシー』などアメリカのインディペンデント映画界で高く評価されるケリー・ライカート監督が2020年に製作した作品である。

情報を知ってから1年半、公開まで長かった…
ケリー・ライカートは自分の大好きな監督だけに首を長くして待っていた。

※ちなみに

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【ネオンカラーの冒険譚】映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』感想

【ネオンカラーの冒険譚】映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』感想

目があった人間を操ることができる特殊能力を持った主人公モナ・リザの逃亡劇を描いた映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』。

監督は『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』のアナ・リリー・アミールポアー。主演は『バーニング 劇場版』、Netflixオリジナル映画『ザ・コール』、『バレリーナ』などで知られるチョン・ジョンソ。

共演に『あの頃ペニー・レインと』、『ライフ・ウィズ・ミュージック』

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【中国の新たな才能】映画『ロング・ショット』感想【東京国際映画祭】

【中国の新たな才能】映画『ロング・ショット』感想【東京国際映画祭】

東京国際映画祭4本目に観たのは中国映画『ロング・ショット』。中国の地方都市を舞台に工場の警備係として働く男の生き様を描く。

これは痺れた、傑作。これ日本で劇場公開されるんじゃないだろうか。それくらい多くの人に受け入れられそうな作品だと思った。特に男臭い映画が好きな人ならこの作品は気に入ると思う。

監督は今作が長編デビュー作品となるガオ・ポン。なお本作は第36回東京国際映画祭にて最優秀芸術貢献賞

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【騒々しく切なくて美しい】映画『ルナ・パパ』感想

【騒々しく切なくて美しい】映画『ルナ・パパ』感想

6月3日から全国で順次公開されている『再発見! フドイナザーロフ ゆかいで切ない夢の旅』。タジキスタン出身のバフティヤル・フドイナザーロフ監督の作品を特集した上映イベントとなる。

フドイナザーロフ監督の名前は知らなかったが『ルナ・パパ』という名前は聞いたことがあった。映画友達に主演のチュルパン・ハマートバを凄く好きな人がいて、その人が話していたのがこの作品だったと思う(ちなみにその人のオールタイ

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【チリの語られざる歴史】映画『開拓者たち』感想【東京国際映画祭】

【チリの語られざる歴史】映画『開拓者たち』感想【東京国際映画祭】

東京国際映画祭2本目『開拓者たち』。
チリ出身のフェリペ・ガルベス監督の長編デビュー作となる作品だ。

舞台は20世紀初頭のチリ南部のパタゴニア地方。
島の領主から先住民を殺害する命令を受けた軍人。相棒はメキシコから呼ばれたハンターと先住民と白人の混血の青年。3人は先住民が暮らす場所へ旅立つが…というあらすじ。

大好きな作品だった。今回の映画祭の中では一番好き。
冷たさを感じる色使いもエンニオ・

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