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祖母と母へのプレゼントと私の自意識

最近はあまりnoteに顔を出せて(?)いませんでしたが、何とか日々を過ごしております。

転職をしてからまた少し体調を崩してしまい、会社から少しお休みを頂いています。
その中でパソコン作業のリハビリも兼ねて、作曲をしていました。

最近のインターネットは素晴らしく、曲を作って演奏できるソフトが何と無料で手に入ります。
インストールや個人情報の登録など色々細かな手続きが必要でしたが、初めて曲が出来た時の喜びは今でも思い出されます。

もう作曲を始めて1年半になります。変な曲を作ってはYouTubeやニコニコ動画にアップロードしていますが、やはりアップロードするからには、自分の作った曲や歌詞を皆さんに聞いて頂きたい、という雑念(邪念?)が首をもたげてきます。
変な曲といえども一生懸命作った大切な作品ですから、愛着もあります。自分が好きで作った曲を誰かにも好きと言ってほしい、という思いは時に私の心を蝕み、時に創作の原動力となり、私は作曲を始めてから色々な感情や気持ちを経験しました。
それでも私はまだ作曲を続けるでしょう。これはやっと見つけた自分の表現方法なのですから。

話は変わりますが、私の母はバイオリンを習っています。祖母は歌を習っています。5月に祖母の歌のお教室の発表会があり、そこで祖母と母が共演するのです。伴奏は歌の先生に弾いてもらい、母がバイオリンを弾き、祖母が歌うという事でした。

その話を聞いてから、私の脳裏からある考えが離れませんでした。それは「自分の作った曲を祖母と母に演奏してもらいたい」という願望でした。
私はすぐに、歌詞を考え始めました。折角なので祖母と母が喜ぶ歌詞が良いと思い、月下美人という植物をモチーフにしようと思いつきました。
母は以前、祖母は今でも月下美人の鉢植えの世話をしており、私にもなじみ深い植物です。月下美人の花は夜に咲くのですが、咲いた時には祖母は毎回写真を送ってきてくれます。

月下美人について、インターネットで調べていたら、月下美人は暖かい地方のサボテンの一種で、コウモリが受粉の手伝いをするらしいのです。
なので
「妖しく香る月下美人の 白く優美な花に吸い寄せられた 私は蝙蝠小さな蝙蝠 月の下で一夜限りの語らい」という少々ロマンチックな歌詞になりました。

夜にだけ咲く大輪の優美な白い花に、吸い寄せられるように近づく一匹の小さなコウモリの歌が出来ました。歌、バイオリン、ピアノ伴奏のみのシンプルな曲です。

しかし、今私が抱えている問題は、この出来た曲を祖母と母に聞かせるのが途轍もなく恥ずかしいということです。相手の顔が見えないインターネット上では簡単に(それでも最初は緊張しましたが…)曲を公開できるのですが、今回初めて、良く知る人物に自分の作品を聞いてもらう、という難題に直面し、二の足を踏みまくっている状態です。
祖母も母も、決して私の作品を貶したりはしないでしょう。しかしこの山より高く海より深い自意識から私は逃げられないのです。

私は5月の発表会までに腹を括らなければいけません。下手だから、と曲を見せない言い訳は簡単に出来ます。しかし、祖母と母に喜んでもらいたい、と思いながら曲を作っていた時の私の気持ちを、私は無下にしたくないのです。

でもやっぱり恥ずかしいから、今はじっと曲を温めておきます。5月にこの曲が祖母と母に受け入れてもらえる日まで。

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