無門関第二則「百丈野狐」現代語訳
公案現代語訳
本則
百丈和尚が説法をしていると、弟子に混じって一人の老人がいつも聴きに来ていた。いつもは説法が終わるとその老人も帰っていくのだが、ある日、老人は帰らずにその場に残っていた。
百丈はこの老人に尋ねてみた。「お前さんは一体誰だね?」
老人は言った。
「はい。現在の私は人間ではありません。元は、釈迦もいなかったほどの昔、この山に住んでおりました僧侶でございます。
弟子の一人が私に『修行が成って悟りを得た人も、因果の法則に縛られるのでしょうか?』と訊ねてきた