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高齢出産をした私が思った事 ④高リスク多すぎ

最近、義理の妹が、めでたいことに!出産しました!
無事に出産できて、本当によかった!とホッとしています。
そして、そろそろ、こちらの投稿を再開しようかと思い当たりました。
2015年の体験記になりますが、出産や育児など何かのお役に立てればと思います。

産婦人科の医院を受診し、妊娠を確認できた喜びも束の間、今後の分娩する病院を決めなくてはならない。
私が妊娠した時には、産科セミオープンシステムが採用されていました。

頂いた共通診療ノートより一部引用します。2015年、妊娠当時の物で、今は変わっていたり、地域によって異なる事があるかもしれません。

産科セミオープンシステムとは普通の妊婦健診は近くの診療所で、お産は医療体制の整った総合病院(分娩施設)で安全・安心な出産を行うというシステムです。妊娠前期および中期の妊娠健診は基本的に健診施設(診療所)で行い、妊娠10週および20週頃の2回は分娩施設(病院)を受診する。この時に、リスクが高いと判断された場合には、以後の管理は分娩施設で行う事になります。

共通診療ノート

妊娠リスクスコアというものがあります。こちらも共通診療ノートより抜粋します。

安全なお産を求めるには、それぞれの妊婦さんが自分のリスクをあらかじめ理解しておく事が重要です。妊娠リスクの自己評価表にて、妊娠初期と20週以降に自身で自己採点してみて下さい。もしリスクスコアが2点以上のときは担当医に相談してください。

初期妊娠リスク自己評価表は、年齢、お産の経験、身長、体重、タバコやお酒、薬の服用、既往歴の有無、など18項目があり、合計点数で評価されます。

0−1点:現在のところ大きな問題はなく心配いりません
2−3点:ハイリスク妊娠に対応可能な病院と密接に連携している施設での妊娠健診、分娩を考慮してください
4点以上:ハイリスク妊娠可能な病院での妊娠健診、分娩を考慮してください

妊娠リスクスコアが低リスク(0−1点)、中リスク(2−3点)、高リスク(4点以上)と三段階にわかれています。高リスクになるほど、帝王切開率(予定+緊急)、低出生体重児率(2500g未満)、早産率(36週以前)、分娩児大量出血率、NICU入院率などが20%以上の高確率で発生しています。

初期妊娠リスク自己評価表を見てみると、驚愕の事実を知った。

1、あなたがお産をするときの年齢は何歳ですか?
16−34:0点 35−39:1点 15歳以下:1点 40歳以上:5点

1問目で、医師に相談することになってしまった。

私は、40歳以上に該当する。
39と40と1歳違うだけで、点数が跳ね上がる事に驚いた。その他の項目も合わせて、合計7点だった。4点以上でハイリスク妊娠に対応可能な病院での妊娠健診、分娩を考慮してください、とある。医院ではなく、医療体制が整った病院で、健診をしてもらわなければならなくなった。

40歳というだけで、5点。子宮筋腫も4センチくらいが何個かゴロゴロとあって、そして血液型も不規則抗体マイナスであった。

予定日に合わせて分娩が混み合っていると、病院は受け入れてくれないかもしれない。条件に合った病院が受け入れてくれるか分からず不安だったが、何とか家の近くにある、私が希望していた総合病院に決まり、ほっと一安心した。

母子手帳の交付をしてもらい、「わたし妊娠したんだな」と実感。


「若いうちに出産したほうがいいよ」
「うっせいわ!余計なお世話だ」
その気持ちもよくわかる。他人が、どうこういう話ではないと。
以前、高齢出産にたいして 羊水が腐る という不謹慎かつ非情な発言で炎上したアーティストもいたけれども、妊娠出産については、とてもとても繊細な問題だと思う。

これは、あくまでも、私個人が経験して感じたことです。

果実が熟して朽ちていくように、やはり私たち人間も老いて朽ちていく。20代の卵子と40代の卵子では、同じ卵子だけれども全く同じ卵子ではない、と思っています。

女児は生まれた時点で、卵巣内に将来卵子になる細胞(卵母細胞)をもっています。妊娠16~20週の時点では、胎児の卵巣には600万~700万個の卵母細胞が存在します。卵母細胞の大半は次第に消失していき、出生時までに100万~200万個程度にまで減少します。出生後に新たに作られる卵母細胞はありません。思春期を迎える頃には、30万個程度まで減少していますが、それでも女性の一生涯の妊よう性を維持するには十分な数となります。
卵子に成熟する卵母細胞の割合はわずかにすぎません。それ以外の膨大な数の卵母細胞は成熟することなく退化していきます。退化は閉経前の10~15年間に急速に進行し、閉経時にはすべての卵母細胞が消失しています。
通常通常は1回の月経周期につき1個の卵子が放出(排卵)され、女性の生殖期間全体で卵巣から排出される卵子はわずか400個程度です。排卵前の卵子は、細胞分裂が途中で停止した状態で卵胞内に保持されています。つまり、卵子は体内で特に寿命の長い細胞であるといえます。
卵休止期の卵子では通常の細胞内で起こる修復プロセスが機能しないため、年齢を重ねるにつれて、卵子に損傷が起きる機会が増えていきます。そのため、女性が高齢になってから妊娠するほど、染色体や遺伝子の異常がみられる可能性が高くなります

MSDマニュアル家庭版 卵巣にある卵子の数 より

詳しくは良くわかりませんが、ES細胞、IPS細胞にて卵子や精子を作れる事がマウスでは実証されている、そうです。それが事実であるならば、老いていきながらも卵子を作る事はできる。
倫理の問題もあるし、実用化はされないのかも知れませんが。
何十年何百年後の未来では、妊娠出産という形は、今とは大きく変わっているかもしれないですね、SFのように。
余談でした。気になる方は検索してみてください。

20代のうちに、妊娠出産しても、仕事が続けられて、お金も保障されて、男女共に分け隔てなく、義務として育休が取れる。そんな世の中に変わると、若い頃に妊娠出産を諦める女子は少なくなるかもしれない。

そして、育児に携わることのない人たちにも、同じような保障が与えられるべきだと思う。例えば、育児休暇のように介護休暇も簡単に取得できるようにするとか。育児と同じように介護に苦しんでいる方もたくさんいらっしゃる。そして、子供はいないが介護の必要な親はいる、という人の方が、もしかしたら長寿大国の日本では多いかもしれない。
介護休暇、育児休暇で休んでいる人達を助けてくれてありがとう休暇、仕事を分担してくれている方々の給料を少し上げるなど、何とか休暇が取れない人たちにも恩恵があるべきだと思う。

独身の頃、結婚していても子供がいなかった頃、育休を取る人達を快く思えなかった。結局、休まれた分の仕事の皺寄せは、全て独身、子育てから無縁のこちら側に回ってくるのだから。
いずれ結婚して子供が出来れば、同じように育休が取れるからお互い様。とはならない場合も最近は多いと思う。独身が増えているし、ジェンダーの問題もある。結婚、妊娠で損得がないような社会構造を構築していかない限り、出生率は上がらないし、男性の育児休暇の取得は増えないのではないかと思う。

一生懸命に仕事をして、楽しんで、人生に余裕ができて、いざ子供を作ろうと思った時には、卵子を作れなくなっていた。と後悔する事もあるかもしれない。

恥ずかしながら私は、妊娠するまで、卵子の数が減る一方だとは、知らなかったのです。

子供を産む産まない、それを決めるのは自由です。
妊娠する事は有限である事、年齢が上がると母子共にリスクが高くなる事を、若い人達は必ず知っておくべきだと思う。
その上で、産む産まないを選べるように。
性教育と同時に学生の頃から卵子が有限であり、高齢出産に危険が伴う事実も教えるべきではないか(教えているのかな?教えていたら、すみません)。もし、病気や怪我で生殖器がなくなったとしても、性別が変わったとしても、事前に知っていれば、卵子や精子を残しておくという準備や選択もできる。

妊娠リスクスコアにて、高スコアの人に起こるだろう、早産、低出生体重児、NICU入院を、高リスクの私は、もれなく経験した。
高齢という事だけが、原因ではないのかもしれないけれども、母子ともに危険が高まる事は事実なのだ
この事実は、若い人ほど、妊娠する前の人ほど、やはり知っておくべき事だと思う。


妊娠ライフを楽しむ?
私は、あまり楽しめなかった。
座っていても、立っていても、寝ていても、辛くて、痛くて、不安がよぎる。優雅にお散歩なんて出来なかったし、妊娠して幸せ、そんな気分には、中々なれなかった。


ここまで、貴重なお時間を!ありがとうございます。あなたが、読んで下さる事が、奇跡のように思います。くだらない話ばかりですが、笑って楽しんでくれると嬉しいです。また、来て下さいね!