「採用率100%、離職率95%」若者にどう伝えるか。
昨年末で多くのスタッフが退職しました。そしてたった一人で水道橋店を運営することになったことは、前回ポストしました。はい。年始から約半年間、私とアルバイトスタッフのみで営業を続けました。
下ごしらえや発注、清掃、レジ締め等、不慣れな仕事に苦戦しました。でもそれ以上に私を苦しめたのは、アルバイトスタッフとのコミュニケーションでした。
弊店のアルバイトスタッフはほとんどが大学生です。社員が私一人ということは、私プラス2~3人の大学生と店舗営業をするということです。私はもう50歳になるおっさんなのです。これ、しんどくないですか。控えめに言って地獄です。
しかし、居酒屋営業はチームワークです。チームの雰囲気が店舗のオーラに直結します。スタッフ間にリスペクトがあり良いコミュニケーションがとれているお店は、お客様がいない時間帯ですら「売れるオーラ」をビンビンにだしているものです。
当然私もアルバイトスタッフを理解しリスペクトしなくてはなりません。それにはまずコミュニケーションです。50歳と20歳前後の若者です。どう考えてもおっさんから積極的に話しかけるべきです。
私は毎日、翌日のシフトを眺めながら明日何を話すか考えました。頭を悩ませました。う~ん、難しい。本当に難しいです。おっさんが若者にしてはいけない会話が三つあるそうです。「説教、自慢話、下ネタ」だそうです。無理です。絶対無理。私から自慢話と下ネタを取ったら何も残りません。本当に空っぽです。
この「何を話すか問題」は、毎晩お腹を壊すくらいに私を苦しめました。飲食業は本当に難しい。やれている気になっていただけでした。私は何もやれていなかったのです。スタッフとのコミュニケーションすらまともに取れないのですから
でも、そこはまあ、ポジティブモンスターの名をほしいままにしている私です。ある時からスッ~と楽になったんです。ヒントは社長業にありました。そうです。無理に好かれようとすることをやめました。
「鮪のシマハラ」の社長としての私は、人からどう思われてもあまり気になりません。私はこの事業に本気で取り組んでいるし、ベストを尽くした結果をどう批判されても気になりません。また恥ずかしいとも思いません。ちょっと苦戦しているだけです。楽勝は意外とつまらない。「鮪のシマハラ」が大成功することはもう決まっているのです。
ですから、ともなわない結果であっても売上や赤字決算、借金等はすべて公開しています。嘘はない。「鮪のシマハラ」では、すべてをさらけ出す覚悟を決めているのです。
それなのに、アルバイトスッタフには好かれようとしていました。多くの社員を失いたった一人で赤字店舗を運営している私を見て、いまの若者は私のことをどう思っているのだろう。びくびくしていました。何を話してよいのかすら分からなくなっていました。爆笑です。島原慶将、ちっさ過ぎです。
いまの私はアルバイトの大学生にも、すべてをさらけ出しています。「本当に社員がいませんね。」そう語りかけてくる若者に、「そうだなぁ。社長の器のせいだよなぁ。なんせ、採用率100%で離職率95%だからなぁ。」と答えています。もう爆笑です。
最高です。毎日楽しいです。やっぱり飲食業はやめられません。オリオールズの藤浪晋太郎投手の防御率のように、「鮪のシマハラ」の離職率が下がることをアルバイトスタッフにも約束しています。そしては私は今日も笑顔で、アルバイトスタッフの出勤を心待ちにしています。