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こんにちわ と Grammar Police

こんにちわ、こんばんわ、の書き出しを見てそこで読むのをやめてしまうことが多々あります。
皆さんは気になりますか? 私は心の狭い読み手なんでしょうか。

私も日本語力が完璧だとはもちろん言えませんが、“こんにちわ”(自動変換でどうしても わ が は に変わり、5、6回タイプし直しました)には、この文章はもう読みたくないな・読まなくてもいいな、と思わせる魔法がかかっているようです。
素晴らしい内容が続くのかもしれないので、もういいや、とそこで読む意思を削がれるのはもったいないことです。

こんにちわ民 は多分 “今日 は”と、名詞+助詞ではなく “こんにちわ” というひと塊の言葉として認識していると想像がつきますが、そうするとその人たちは “わ” とは何だと思っているのか気になります。今日(こんにち)今晩(こんばん)ぐらいは知っているでしょうから、その後に続く “わ” は何やろ? と疑問に思わないのでしょうか。そこらへんがちょっとムズムズします。

以前アメリカ人の生徒たちに日本語では、 は助詞として使う時にはWAと発音するよと教えた時にこう言われました。

That’s stupid.  Why can’t they just write  わ, then? (じゃあ って書けばいいじゃん)

まぁ、それもそうだと思いつつ、書く言葉と話す言葉は全く違うものと言語学の授業で習いましたのでその通りに伝えると

That’s so unreasonable!(そんなの理不尽じゃん)との答え。

スペイン語民の皆様ならともかく、英語民の君たちが何を言うか。

Listen (Tは言いません)
Doubt (ドウブト、ではなく ダウト)
Knowledge (クナウレッドジ、ではくナレッジ・ノレッジ)
Receipt (レシート、Pは言いません)
Colonel(カーネル、LではなくRの音で)
Food / Wood ( ooが長音と短音)
Shoe / Chloe (シューとクロエ)
Though / Through (ゾォウとスルー)

ちょっと考えただけでもスペルと音が紛らわしい言葉がこんなに出てきます。
英単語は語源がどの言語に属するかでスペルに影響が出ますので、聞いただけでは書き取れない単語は多いです。スペル通りに発音すると間違いの単語が多いのです。

それから考えると  は発音も表記も簡単ではないですか。しかもちゃんとルールもはっきりしています。毎日使う こんにちは は間違ってはいけないと思うのです。

アメリカでも聞くと同じ、意味は違う単語の書き間違いは嫌になる程遭遇します。
あまりにひどいのでそれをモチーフにしたポスターやマグカップが売られるほどです。

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Your-You’re
Their -There – They’re
It’s -Its
Then-Than
Lose - Loose などなど

こちらではそう言う間違いをいちいち指摘する人をGrammar police(文法警察)もしくは Grammar Nazi(文法ナチス)と嫌います。
確かに学生でもなく論文を書いているわけでもない、メールやツイッターなどでの指摘はうざったいかもしれませんね、知っていても間違うことはありますから。

私は書くことを教える人間なので、そして生徒たちが将来 “この人の文章は読まなくていいや” と思われないよう、ザックザックと赤ペン(実際には緑ペン、赤ペンはストレス倍増になるらしいので)を入れます。
今間違っていてもいい、これを機会に書く時に気をつけたらいい、推敲をする癖をつけたらいい、との愛のザックザックなのです。が、去年はこんなプレゼントをもらいましたので、生徒たちは本性を見抜いていたと言うことです。

I'm silently correcting your grammar (あなたの文法ミスを頭の中で直してます)

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何も言わない時も添削しているのはバレバレのようです。

*表題の写真は I hope the guy who invented Auto Correct burns in Hell/ Hello! 自動訂正を発明したやつが地獄(HELL) で焼け死にますように、が ”HELLO!で焼け死に”・・・と自動訂正されていると言うジョークです。

シマフィー

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