第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-008
8_健康にとって良い食べ物とは?
新型感染症の到来によって、世界的なパンデミックが生じました。
各国政府は移動制限時に、スーパーマーケットへの買い出しと、
医療機関への受診を許可しました。
私たちはいつまで続くかわからない移動制限という機会を利用して、いくばくかの保存食も買い込みました。万が一、食べるものがなくなれば生きてはいくことができないと想定したからです。
その一方で、
定期的にスーパーマーケットへ行って新鮮な食材を買い求める。
それを調理することによって家族と共食をする。
体の求める適切な運動をする。
家族とのコミュニケーションを楽しむ。適切な睡眠時間を確保する。
家を隅々まで掃除をする。
通勤通学がストップしたことによって、新たなるテレワークやオンラインでのコミュニケーションを取る試みを開始しました。
これらは各々が感染対策を心がける行為に過ぎませんが、
結果的にはそれぞれの健康の源(みなもと)に立ち帰るきっかけを
作ったのです。
脳や腸そしてこころは、このことによって限りなく
健康を取り戻すことになりました。
そして健康であるがゆえの、大事なトライアンドエラーを始めることができるようになったのです。
このような中、こんな話を耳にしました。
普段何気なく間食用として食べていた保存食は、
あくまで保存食として備蓄しておくだけで良い、と。
目の前に積まれた保存食を久方ぶりに食べてみると、
それは常食として食べるものではなく、
あくまでも非常食のための食べ物であることに気づいたのです。
また他の添加物を含んだ栄養価の低い加工食品を食べると、
一から料理した食事からは考えられない人工的な独特の味に気づきました。
これらもわざわざ口にしなくても良いと、判断を下したのです。
そもそも食べ物情報を体に入れるトライアンドエラーによって、脳と腸そしてこころは何かしらの反応を示すように、食べて生きるための最低条件をクリアーするためプログラムが組み込まれているのです。
健康な体を取り戻したことによって、
保存食は保存食、加工食品は加工食品であることを、
改めて自分でチェックする力を復活させることができたのです。
私たち人間は、食べるものが原点となって、健康・不健康問題を生じる動物であることを、ぜひ忘れないでいただきたいと思います。
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