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キャリア相談でも活用できる!? Solution Focused Approach(解決志向ブリーフセラピー)を学んでみた


以前から気になっていたSolution Focused Approach(解決志向ブリーフセラピー)。

少し前になりますが、こちらの本で学びました。


解決志向ブリーフセラピーの「解決志向」とは、「問題」ではなく「解決」に焦点を当ててクライエントを支援する考え方です。

◆Solution-Focused Approach=解決に焦点を当てるアプローチ
◆「解決」=「新しく何かが構築されること」「より良き未来の状態を手に入れること」
◆Problem solving(問題解決)ではなくてSolution building(解決の構築)

<森・黒沢のワークショップで学ぶ>解決志向ブリーフセラピー』(森俊夫・黒沢幸子著、ほんの森出版発行)


著者らは、心理療法やカウンセリングのひとつとして学校現場などで実践をしています。『解決志向ブリーフセラピー』(森俊夫・黒沢幸子著、ほんの森出版発行)の中では、相談室を訪れる小中学生や親などとの面接において、「問題」ではなく「解決」に注目するとはどういうことなのか、それによりどんなことが起こるのか、具体的な面接のやり取りなども紹介しながら説明されていて、そのやり取りを読むのも勉強になります。


この「問題」ではなく「解決」に注目するというのは、例えば下記のようなことです。

「なぜ、あなたはここで下敷きになっているのか?」という質問から得られる情報は、援助とはほとんど無関係です。

<森・黒沢のワークショップで学ぶ>解決志向ブリーフセラピー』(森俊夫・黒沢幸子著、ほんの森出版発行)

この例は一見すると極端に感じますが、私自身、キャリアコンサルティングにおいて下敷きになっている理由・原因を訊ねていないか、ギクリとしました。

異なる例では、こんな記載もあります。

不登校のケースで、「それはやっぱりお母さんの育て方がいけなかったんですよね。その結果の不登校です。育て方が原因です」という内容のことを言われることがよくありますよね。本当にお母さんの育て方が原因だと特定できたとしても、そんなふうに言われたお母さんはどうすればいいのでしょうか。そんなこと言われても、もう育てちゃったわけですから。

<森・黒沢のワークショップで学ぶ>解決志向ブリーフセラピー』(森俊夫・黒沢幸子著、ほんの森出版発行)

キャリアコンサルティングでは、こういう原因の特定の場面は多くないかもしれませんが、「どうしたら問題が解決できるのだろう」「目の前の相談者には、問題を解決するチカラがあるはずだ」みたいなことは、つい考えがちかもしれません。
もちろんそれが悪いというわけではありませんが、解決志向では、解決後の姿は相談者と支援者で一緒に「構築」しますが、問題の特定にはこだわりません。


では、問題を特定せずに、どうやって「解決」するのか。

私なりの理解で、ごくごく単純化するとこういうことです。

①問題を抱えるCLが相談に訪れる
②解決像(北極星)を思い描き具体的なゴール(電信柱)を設定する
③課題を設定して取り組む
④相談者が変化する(変化しなければ相談を重ねる)
⑤相談者が解決したと自覚する


本書では、②の解決像と具体的なゴールの設定に有効な質問も本書では以下の5つが紹介されており、学ぶことができます。

・ミラクル・クエスチョン
・「例外」探しの質問
・スケーリング・クエスチョン
・治療前変化を見つける質問
・コーピング・クエスチョン

相談者の状態にもよりますが、ミラクル・クエスチョンや「例外」探しの質問は、キャリアコンサルティングの場面では相談者の自己理解の支援にも使えそうな気がします。


これまで私が学んでいたキャリアコンサルティングに関する知識やスキルと共通するのはこの3点。

①相談者の力を信じること
②与えるのではなく相談者の内側から湧き上がるのを支援すること
③「言葉」により構築する協働作業であること

キャリアコンサルティングとも親和性は高そうですが、小手先の技として使うのではなく、何よりもキャリアコンサルティングの場で「問題」ではなく「解決」に注目するとはどういうことなのか、それが相談者にとって真の支援となるのか、しっかり考えながら実装していきたいと思います。



さて。そんな本書を読んでみて、私なりにポイントだと思ったところを自分の勉強用に整理してみました。

個人学習用につくった1枚資料


noteの記事として文章で書くより、視覚的に構造の全体像を眺めた方が理解しやすいと思います。特に、一度でも本書を読んだことのある方は。

これをまとめながら、だいぶ解決志向ブリーフセラピーの全体の構造が理解できました。読んだ本、すべてでこの作業をするのは難しいですが、何らかのスキルに関するものなど、全体の構造を一旦捉えたうえで理解した方がいいような場合は、また描いてみてもいいかもしれませんね。




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