キャリア相談でも活用できる!? Solution Focused Approach(解決志向ブリーフセラピー)を学んでみた
以前から気になっていたSolution Focused Approach(解決志向ブリーフセラピー)。
少し前になりますが、こちらの本で学びました。
解決志向ブリーフセラピーの「解決志向」とは、「問題」ではなく「解決」に焦点を当ててクライエントを支援する考え方です。
著者らは、心理療法やカウンセリングのひとつとして学校現場などで実践をしています。『解決志向ブリーフセラピー』(森俊夫・黒沢幸子著、ほんの森出版発行)の中では、相談室を訪れる小中学生や親などとの面接において、「問題」ではなく「解決」に注目するとはどういうことなのか、それによりどんなことが起こるのか、具体的な面接のやり取りなども紹介しながら説明されていて、そのやり取りを読むのも勉強になります。
この「問題」ではなく「解決」に注目するというのは、例えば下記のようなことです。
この例は一見すると極端に感じますが、私自身、キャリアコンサルティングにおいて下敷きになっている理由・原因を訊ねていないか、ギクリとしました。
異なる例では、こんな記載もあります。
キャリアコンサルティングでは、こういう原因の特定の場面は多くないかもしれませんが、「どうしたら問題が解決できるのだろう」「目の前の相談者には、問題を解決するチカラがあるはずだ」みたいなことは、つい考えがちかもしれません。
もちろんそれが悪いというわけではありませんが、解決志向では、解決後の姿は相談者と支援者で一緒に「構築」しますが、問題の特定にはこだわりません。
では、問題を特定せずに、どうやって「解決」するのか。
私なりの理解で、ごくごく単純化するとこういうことです。
①問題を抱えるCLが相談に訪れる
②解決像(北極星)を思い描き具体的なゴール(電信柱)を設定する
③課題を設定して取り組む
④相談者が変化する(変化しなければ相談を重ねる)
⑤相談者が解決したと自覚する
本書では、②の解決像と具体的なゴールの設定に有効な質問も本書では以下の5つが紹介されており、学ぶことができます。
・ミラクル・クエスチョン
・「例外」探しの質問
・スケーリング・クエスチョン
・治療前変化を見つける質問
・コーピング・クエスチョン
相談者の状態にもよりますが、ミラクル・クエスチョンや「例外」探しの質問は、キャリアコンサルティングの場面では相談者の自己理解の支援にも使えそうな気がします。
これまで私が学んでいたキャリアコンサルティングに関する知識やスキルと共通するのはこの3点。
①相談者の力を信じること
②与えるのではなく相談者の内側から湧き上がるのを支援すること
③「言葉」により構築する協働作業であること
キャリアコンサルティングとも親和性は高そうですが、小手先の技として使うのではなく、何よりもキャリアコンサルティングの場で「問題」ではなく「解決」に注目するとはどういうことなのか、それが相談者にとって真の支援となるのか、しっかり考えながら実装していきたいと思います。
さて。そんな本書を読んでみて、私なりにポイントだと思ったところを自分の勉強用に整理してみました。
noteの記事として文章で書くより、視覚的に構造の全体像を眺めた方が理解しやすいと思います。特に、一度でも本書を読んだことのある方は。
これをまとめながら、だいぶ解決志向ブリーフセラピーの全体の構造が理解できました。読んだ本、すべてでこの作業をするのは難しいですが、何らかのスキルに関するものなど、全体の構造を一旦捉えたうえで理解した方がいいような場合は、また描いてみてもいいかもしれませんね。
★個別キャリア相談受付中★
「このモヤモヤについて相談したいな~」と思ったら、いつでもご連絡ください。国家資格キャリアコンサルタントとして、モヤモヤ解消のお手伝いをしています。
★ご案内★
2021年2月に初の著書を出させていただきました。
主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という想いで、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。
そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。
よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。
また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。
★連絡先★
原稿の執筆や勉強会の講師、仕事や働き方のお悩み相談(キャリアカウンセリング)等のご相談・ご依頼については、下記のフォームからご連絡ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?