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わたしの文字を消したとき。



わたしの手と指から生まれた文字

それらは、

書きたいから書いたものもあれば、

書かずにいられなかったのもあれば、

書くことで自分を救ったものあれば、

書くことで喜んでくれた人が
間違いなくいたものもある。


書いたもので、
読んだ人が傷ついた。

書いたもので、
真実を語りすぎてしまった。

書いたことで、
黙り込んでしまった人がいる。


そんなときも、間違いなくあった。


そんな、
今までわたしの内から生まれ続けた
数えきれない文字



書いたものを

自ら消すことがありますか?



ただの下書き

書きなぐって気が済んだもの

どこかのサイトに
思いつきで書き込んだ感想

消してしまったアカウントのつぶやき


そんなふうに、もうとっくの何処かへ消えた文字がある。



自分のすべての文字を残すなんて、
膨大すぎて不可能に近い。

それに、残そうと思って生きてこなかったので、残っていないものの方が多いに決まっている。

残せなかったものも、
自ら消したものも、
わたしの前から消え去って
書いたときの思いを
二度と味わえなくなることには違いない。


そういう意味では、
文字を自ら消すことに、
それほど躊躇いを持っても仕方ない。


どうしても、
愛着のあるものだけ残せばいい。


これからのわたしに不必要だと思ったら、消してしまえばいい。



わたしがこの世に送り込んだわたしの文字を消した時、その文字が、誰かの心で生きていることはあるだろうか。


見知らぬ誰かの、何かの気持ちを埋めているのだろうか。


いいことでも。

悪いことでも。


わたしという人から生まれた文字が、
誰かの心に止まっていられるのだろうか。



そんなことを考えながら、
今日も思いを文字としてこの世に送る。


誰かのためになるものなのか

誰かを墜としめてしまうものか

わたしを勇気づけるものになるのか

わたしを後悔させるのか


ひとつ、言えるのは、


正直に、書きたいときは
正直に、書きたい。


誰かからの評価のためではなく、
わたしが思っていることを
正直に表したい。


そんなものを書いたときは、
きっと、
消すことも後悔はしないだろう。









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