【超短編小説】 稲光
早朝、空に走る稲妻。
遅れてやってくる。
光が地面に届いた音。
耳に続く心地よい雨音。
雷雨の後の空気は澄んでいて好きだ。
連日猛暑で暑く悪くなった土地を浄化してくれるのだ。
清めてくれる。
空が発光する。
稲妻が走る。
地響きが鳴る。
振動と共に体に届く。
まるで和太鼓の演奏を聞いたときのような感覚が体に走る。
あぁ、生きてるなぁと思う。
連日熱帯夜。
浄化の朝。
稲光が目覚めの合図。
体に染み渡る雨音と共に身体を起こす。
風も雨も、そして雷も。
私を癒やしてくれる自然の力。
自然は何気ない日常と共にある。
本当にありがとう。
君たちのお陰で、私はまた幸せを感じられる。
心を呼び起こすことができる。
"今ここ"に生きていることを感じられるのだから。