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行かないでおくれ。
毎朝6:30、寝ぼけまなこで私の部屋に入ってきて、ぐるりと一周だけして出ていく犬。どういう規則性か分からないが、やるときとやらないときがある。
7:10、ご主人との散歩から帰ったあと、「ムシャムシャ」と音を立てながら朝ご飯を食べる犬。本当に「ムシャムシャ」と聞こえてくる。
7:15、朝ご飯を食べ終えたら、階段を全速力で駆け上がり、また私の部屋に戻ってくる犬。今度はどうやら明確に「おはよう」といっている模様。
「撫でて」と前足で人の手を取ろうとする犬。「はいはい」。タイピングができない。
また「撫でて」と人の手を取ろうとする犬。「はいはい」。またタイピングができない。
もっと「撫でて」と人の手を取ろうとする犬。「はいはい」。もっとタイピングができない。
この繰り返しである。「撫でてオートメーション」と私は呼んでいる。
このたびそんな愛犬に、新しい機能が実装された。
ご主人はもういない8:45。私が洗面所で身支度をしていると、足元にやって来て私と反対に向き直り、背中をグッとすり寄せてくるようになった。
なんじゃこれ、かわいい。
この愛犬との生活は、私が実家に戻って来て以来、約1年と1ヶ月。
昨年の9月までは私が在宅ワークをしていたので、四六時中同じ時を過ごした。
10月からは私が当時の仕事を辞め、朝から出歩くことが多くなったが、それでも一緒に過ごす時間は長かった。
しかし11月の半ば頃から私が新たに出稼ぎに出るようになり、共に過ごす時間が激減。
そのためか、毎晩連れて行く散歩では、以前に比べて1.2倍増しでテンションが高いのである。たぶん、家でポツンと一人(一犬?)、寂しい思いをしていたからだろう。
ああ、そうか。
私が規則正しく身支度をすることが、イコール「家を出て行く合図」だと認識するようになったのだ。このワンコくんは。
「行かないでおくれ」
人の手を取ったり訴えかけたりすることなく、ただただ、背中をへばりつかせて語っているらしい。
うーん、かわいい新機能だ(笑)。
人間の習慣が変われば、犬の感情や習慣も変わってくるものなのですね。
犬は間違いなく習慣で生きているので、不規則性の塊である人間として、学ぶところがある。
そういえば最近は以前にもまして、膝を占拠してくる回数が増えてきた気もする。私の胸元にドンッと背中を押しつけてくるとき、私はだいたいスマホを触っているので、
「そんなんやめて相手してくれ」
と訴えかけているのだと思います。
手厳しい習慣。しかし、ういやつじゃ(笑)。
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