Duolingoが使っている書体“Feather Bold”
ビジネスに使えるデザインの話
ビジネスにデザインの知識はけっこう使えます。苦手な人も多いから1つ知るだけでもその分アドバンテージになることもあります。noteは毎日午前7時に更新しています。
Duolingo
Duolingoは、言語を主とした学習アプリで、アメリカの教育テクノロジー企業Duolingo, Inc.が運営しています。
言語以外にも、音楽、数学を学習でき、言語も主要言語のみならず、絶滅の危機にさらされている言語もカバーしています。
2024年1月の時点で、Duolingoは月間ダウンロード数に基づいて世界で最も人気のある言語学習アプリであり、同月に約1620万人のユーザーがダウンロードしました。
創業は2011年。NASDAQに上場している上場企業です。
Duolingoが使っている書体“Feather Bold”
DuolingoはMonotypeがカスタムした書体“Feather Bold”を使用しています。
Duolingoのカスタムフォント“Feather Bold”はフクロウのマスコット「Duo」にインスパイアされ、デザインされています。
大人気の語学学習ウェブアプリ、Duolingoがブランドアイデンティティを一新することになり、ロンドンを拠点としたブランド・コンサルタントのジョンソン・バンクス(Johnson Banks)がコンセプトをより洗練させるためにMonotypeと協業。両者は、Duolingoのロゴを微調整し、それを新しいカスタム書体のデザインに展開しました。
Duolingoのアイコンであるフクロウのマスコット「Duo」からインスピレーションを得たジョンソン・バンクスは、マスコットのデザインに内在する形がタイポグラフィにどのような影響を与えることができるかを模索し始めました。
それに応えて、Monotypeはフクロウのキャラクター感とその翼の形を、考えうるあらゆる字形に取り入れる方法を一緒に検討していきました。
ジョンソン・バンクスは、新しいロゴのクリエイティブ・プロセス全体と初期バージョンをMonotypeと共有し、Monotypeはプロセスを含めてコンセプトを理解していきました。
「g」の形は、ロゴデザインに不可欠であると同時に、書体全体の雰囲気の重要な要素でもあったため、この重要な文字に対して多くのクリエイティブな方向性が検討されました。
そうしてDuolingoは、2019年にキャラクターのDuo,ロゴ、制定書体を刷新しました。
Duolingoのカスタム書体`Feather Bold”
書体名:Feather Bold
カテゴリ:サンセリフ
分類:
デザイナー:Phil Garnham
ファウンダリー:Monotype
リリース:2019年
またDuolingoは、長文には、DIN Next Roundedを使用しています。
DIN Next Rounded
書体名:DIN Next Rounded
カテゴリ:サンセリフ
分類:
デザイナー:Akira Kobayashi, Sandra Winter
ファウンダリー:Monotype
リリース:2019年
DINとはDeutsches Institut für Normung(英語ではドイツ標準化協会)の頭字語(とうじご/Acronym)。この書体は1931年に発行されたDIN協会の規格番号DIN 1451から始まりました。
DIN 1451として誕生し、1931年に発行されました。この規格には、機械彫りレタリング、手書きレタリング、レタリング用ステンシル、印刷タイプ用の標準アルファベットのいくつかのモデルが含まれていました。DIN 1451は、標識、交通標識、道案内、技術図面のレタリング、技術文書の分野で使用されました。
ドイツの鉄道会社のための初期のデザインに根ざしたアルファベットは、コンパスと定規を使って簡単に再現できるように、幾何学的な形に基づいていました。1945年以降の西ドイツでは、DINアルファベットは道路標識などに広く使われるようになりました。DINアルファベットは、その工業的で、やや風変わりで、"タイポグラフィではない "ルック&フィールがデザイナーに評価され、フォントとして利用されるようになれました。1990年代以降は、より洗練されたバージョンが書籍や雑誌のタイポグラフィに使用されるようになります
DIN Nextはこの20世紀デザインの真髄をタイポグラフィ的に修正・拡張したもの。DIN Next Roundedはよりソフトで親しみやすいバージョンです。デザイナーは、小林章氏とSandra Winter。
Monotype Imaging
1887年にトルバート・ランストン(Lanston Monotype)によってフィラデルフィアにランストン・モノタイプ・マシン・カンパニーとして設立されたMonotype Imaging Holdings Inc.は、アメリカ(歴史的には英米)の会社で、コンシューマー・エレクトロニクス機器で使用するデジタル組版と書体デザインを専門としています。
デラウェア州に法人化され、マサチューセッツ州ウォバーンに本社を置く同社は、印刷技術における多くの開発、特に完全機械式の熱金属活字鋳造機であるMonotypeマシンの開発に貢献してきました。Monotype社は20世紀に多くの書体のデザインと製作に携わってきています。Times New Roman、Gill Sans、Arial、Bembo、Albertusなど、最も広く使われている書体のデザインを同社は開発してきました。
Linotype GmbH、International Typeface Corporation、Bitstream、FontShop、URW、Hoefler & Co.、Fontworksなどの買収を経て、同社はHelvetica、ITC Franklin Gothic、Optima、ITC Avant Garde、Palatino、FF DIN、Gothamなどの主要なフォントファミリーの権利を獲得しました。また、多くの独立系フォントデザインスタジオが使用するMyFontsも所有しています。同社はプライベートエクイティ会社のHGGCが所有しています。
まとめ
ランボルギーニは、Character Type Foundryという書体メーカーによりオリジナルの書体を制作していましたが、Duolingoはブランディングの刷新とともに書体もMonotypeに依頼して制作していました。またそれぞれに依頼するのではなく、ブランドコンサルティングのJohnson Banks氏とMonotypeを協業させて、統一感のあるリニューアルを行っていました。
Duolingoは、同社のブランディングを別URLをつかって詳しく解説しています。ロゴのみならず、イラストがどのようなルールで制作されているのかも解説しているので、とてもおもしろいです。今回は書体のフォーカスして割愛しますが、知りたい方はこちらのウェブサイトを参照ください。
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