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【小説】あと46日で新型コロナウイルスは終わります。
~ポカリスエット・後編~
(【小説】あと47日で新型コロナウイルスは終わります。~ポカリスエット・前編~のつづき)
角を曲がると、はたして!そこには、ポッカ・大塚製薬の自動販売機があった。
アキナは震える手でおサイフから小銭を取り出すと、意識が遠のきそうになりながらも自動販売機にお金を入れた。
ガタンガタン。
白と青のラベルが印象的な白濁した飲料水が落ちてきた。
アキナはそれをゴクゴク飲むと、その場で1分ほど休んだ。
もっと休みたかったが、これ以上休むと仕事に遅れてしまうかもしれない。
恐る恐る歩き出してみると、先ほどとは明らかに体も脳の動きも違っていた。
(やっぱり!二日酔いなんかじゃなかったんだ。)
アキナは、熱中症を確信した。
* * *
『ポカリスエット』40周年、“青は売れない”を打破した飲料業界の異端児が大ヒット商品になるまで
2020/10/5(月) 7:30 配信 オリコン
(前回からのつづき)
■“出来損ない同士”のブレンドでできた大ヒット商品 試作品の味見を“山頂”でした理由とは
そんな『ポカリスエット』誕生までの道のりも、平坦ではなかった。
「点滴液の改良ではなく、それまで世の中になかった“汗の飲料”として開発しましたが、研究でわかったことは汗にも種類があることでした。例えば、日常における汗の塩分濃度はスポーツ発汗時よりも低い。これらの発見をもとに飲料を施策したものの、日常の汗の成分を再現した試作品は苦くて、まずかったのです。試行錯誤が続き、その試作品が1,000種類を超えた頃、たまたま研究室で同時開発していたものの行き詰っていた柑橘系粉末ジュースと、“出来損ない同士”を混ぜてみました」
これが“コロンブスの卵”となる。悩みのタネだった苦味が消えた。ここから研究は加速し、最終的に試作品は、糖質濃度(甘味)が濃いタイプと薄いタイプの2品に絞られることに。このどちらを選ぶか。研究員は「汗をかいたときに美味しく飲み続けられる味」のコンセプトのもと、自ら山登りをし、実際に汗をかいて試作品を飲んでみた。
「すると、甘味が薄いほうが飲みやすく、ゴクゴクと滑らかにのどを通ることがわかりました。こうして最終的な味が決定しました」
パッケージデザインは生命のルーツである海の青と、波を表す白を用いたクールでシンプルなもの。だが1980年の発売当時、食品・飲料ともに“青は売れない色”とされていた。ここでも、同社の業界タブーへの挑戦があった。
「『ポカリスエット』は当時、それまでにないカテゴリーの製品でした。そこで、“デザインは本質を表現するもの”というデザイナーの信念とコンセプトを伝える、という当社の強い意思によってこのデザインを採用。ちなみに、白い波型は『ポカリスエット』と真水の吸収スピードを比較したグラフの曲線を象徴化したもの。このデザインは今も変わることがありません。発売から30年以上経った2016年には、『グッドデザイン・ロングライフデザイン賞』受賞に至ったのは光栄の極みです」
(以下、省略)
(文/衣輪晋一)
* * *
アキナはフラフラになって意識が遠のきながらも、ある医師の言葉を思い出したのだ。
✔ポカリスエットの成分は、市販の類似の他社製品と比べものにならないくらい完璧な成分比率。
✔どのくらい完璧かというと、(有事や大震災で)どうしても点滴が無い場合は、ポカリスエットを点滴の代用にすべし。
✔他社の類似製品よりも、ポカリスエットは1本あたりが10~50円高いときもあるが、実は、惜しげもなく(コスト度外視で)体に有益な成分をたくさん入れているので、値段以上の価値がある。四の五の言わずポカリスエットを買うべし。
✔ポカリスエットを飲んで、味が薄く感じるか、濃く感じるかで、そのときの自分の体調がわかる。
✔熱中症には、ポカリスエットが効果てき面(ただし、医療機関の受診と十分な休息を)。
アキナは駅の改札に通じる階段を力強くのぼっていった。
(今日も、わたしには患者さんが待っている。)
新型コロナウイルスが終わるまで、
あと46日。
実体験に基づいたフィクションです。
◆自殺を防止するために厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
▼いのちの電話 0570・783・556(午前10時~午後10時)、0120・783・556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570・064・556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120・279・338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120・279・226(24時間対応)
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