SEASON
つら……と思うことはよくある。ままならない人生だ。荷物の少ない人生の筈だった。
長らく会っていない古い友人が、フィッシュマンズの佐藤さん手書きの『My Life』の歌詞をTシャツに刷って友だちに渡しているのだそうだ。それを私にも送ってくださると申し出てくれたが、
「今は辺境にいて物が届きません。きっと春を過ぎれば状況は変わります。その時またぜひ!」
と返さねばならない人生、どうしてこんなことになったんだろうと思う。
その人は『SEASON』のロンTも作りたいと言った。私は目を輝かせて「『SEASON』一番ほしい!」と即答したが、『頼りない天使』もいいなあと後から考えた。
この2曲を思い出した自分の胸は熱く、ある情景が呼び起こされる。それは過去であり現在であり未来であるが、どの場所というのは持たない、私の風景であり人の風景である。何かしらを転覆させてしまうほどの力が湧き立つと同時にとても切ない。世界に愛が溢れているようで、物事の果ては一人ぼっちの気分だ。
孤独が愛を凌ぐことがある。これからもこんな風に生きて行くんだろうと思うと気が滅入る。とはいえ生きねばなるまい。死ぬには惜しい人生だ。幸せなんだ。どうか生きさせてほしい。
やり切れない時、自分の文章を読むと少し元気が戻ってくる。昨日の文章も明日の文章も今の私には書けない。その時をかたちに留めるのはなんと素敵な作業だろう。
引き続きこれからも書き溜めれば、それらから力をもらい、私は愛と孤独の世界を生き永らえるだろうか。
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