見出し画像

ビフィズス菌と乳酸菌のスゴイ効果:ビオフェルミンの解説(1)


LB81乳酸菌事件から1ヶ月が経過して

先月に整腸剤の解説記事を書くつもりがどういうわけか「LB81乳酸菌」に目が留まり、まったく内容が理解できませんでした。

あれから1ヶ月が過ぎました。私がどれだけ理解できたのか。再びあの呪文を掲載します。


LB81乳酸菌とは
「LB81」は乳酸菌の菌株ナンバーに由来しており、「LB」は乳酸菌を意味するLactic Acid Bacteriaの頭文字で、「81」は使用菌株であるブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株の末尾番号を組み合わせたものです。良い風味をつくるLB81菌は整腸作用に優れた乳酸菌です。(ブルガリアヨーグルトより抜粋)


では解説していきます。

乳酸菌の種類は200とも300ともいわれ、LB81乳酸菌はその一つです。

ヨーグルトは牛などの「乳」と乳酸菌などを発酵させた乳製品で、ヨーグルトごとに乳酸菌は異なります。

だからLB81など個別の乳酸菌を一つ一つ理解するよりも、乳酸菌全体のはたらきを理解するほうが整腸作用においては重要です。

ちなみにここでいう「株」とは細菌の種類(菌、属、種、株)の最小単位です。


医薬品と医薬部外品の違い

整腸剤は病院でも処方されますが、分類上は「医薬部外品」の位置づけで医薬品には該当しません。

では、医薬品ではない医薬部外品とは何なのか。

お腹の調子を例にすると医薬品は「治療や予防」を目的として、下痢止めや便秘薬などで症状の治療を行います。

一方で医薬部外品は「防止や衛生」を目的として、整腸剤は「お腹の調子を整える」など穏やかな作用に留まります。

医薬品と医薬部外品は「目的」が違うということです


もう少し詳しく解説します。

医薬品は下痢や便秘などの症状を治療するために、大腸の機能に影響を及ぼす有効成分が配合された薬です。この薬は国が承認したもので、有効性や安全性が確認されています。

一方で医薬部外品は医薬品と同様の目的で使用されるが、人体に対する作用がおだやかなので、効果は医薬品より弱くなりますが、副作用も少なくなります。

整腸剤の成分は乳酸菌やビフィズス菌などの「生菌」なので、生菌が大腸の機能に影響を及ぼす、というよりも有害細菌の増殖を抑えておだやかに作用するために医薬部外品に分類されます。

整腸剤の目的は腸内環境を整えることであり、腸内環境が整うことで下痢や便秘の改善が期待されます


新ビオフェルミンS錠の製品情報


新ビオフェルミンS錠 350錠2365円(参考価格)
成分
9錠中(成人の1日服用量)中、

・コンク・ビフィズス菌末18mg:大腸に定着して乳酸と酢酸を産生して整腸効果を高めます。
・コンク・フェーカリス菌末18mg:小腸に定着して善玉菌を増やします。
・コンク・アシドフィルス菌末18mg:小腸に定着して乳酸を多く産生して有害菌を抑えます。

用法用量
次の量を食後に、1日3回服用してください。

・15歳以上1回3錠
・5歳以上14歳以下1回2錠

効能
整腸(便通を整える)軟便、便秘、腹部腹部膨満感

その他不明な点は医師や薬剤師にご相談ください。

乳酸菌の3つの特徴

乳酸菌とは主に小腸に生息して、糖を発酵して「乳酸」を作る細菌の総称です。乳酸菌の主な特徴は以下のとおりです。

・乳酸菌が乳酸を作ることで腸内が「弱酸性」になり、悪玉菌の増殖を抑制する
・体内の免疫細胞の5割が生息するといわれる「小腸」で、乳酸菌が免疫細胞を活性化させる
・乳酸菌は悪玉コレステロールを抑制する作用がある

乳酸菌のはたらきで特に注目すべきは、

乳酸菌によって免疫細胞が活性化すること


体内に侵入したウイルスや細菌などの病原菌は胃酸でほとんど殺菌されますが、殺菌されなかったものが次にやってくるのが「小腸」です。小腸に集まる免疫細胞のはたらき次第では病気になることもあります。この免疫細胞を活性化するのが「乳酸菌」であり、エビデンスも多数報告されています。

乳酸菌のはたらきについてどれだけの理解ができているかわかりませんが、乳酸菌が身体に良いことの情報は多くの人が知っています。

乳酸菌のみを摂取するなら整腸剤を買わなくても、ヨーグルトなど乳製品で摂取できます。毎日食べる習慣をつけることで、乳酸菌のはたらきによってかぜなど感染症の予防に期待できます。


ビフィズス菌と酢酸、短鎖脂肪酸のはたらき

ビフィズス菌は酸素を嫌うので酸素のある小腸では生息できず、酸素の少ない「大腸」に生息しています。

ビフィズス菌の主なはたらきは「乳酸」と「酢酸」の産生です。

酢酸とは文字通り「お酢」です、お酢の成分です。

ダイエットや健康に関心がある人はお酢のはたらきをすでに知っているかもしれませんが、お酢と酢酸には決定的な違いがあります。

お酢など食品に含まれる酢酸は大腸まで届かない


大腸に生息する酢酸のほとんどは「腸内細菌」が産生したものです。そしてこの酢酸こそが現在注目されている、

短鎖脂肪酸です


短鎖脂肪酸とは、ビフィズス菌など善玉菌が食物繊維やオリゴ糖を発酵して作る「代謝物」です。

短鎖脂肪酸は腸管内では腸管のエネルギー源になり、吸収されて全身に運ばれると全身のエネルギー源になります。腸管内でのその他のはたらきは以下のとおりです。

・腸管上皮細胞のエネルギー源
・水分やミネラルの吸収促進
・粘液分泌促進によるバリア機能の強化
・粘膜など上皮細胞の新陳代謝の活性化
・食欲抑制ホルモンを分泌して満腹感を持続させての肥満予防効果、など

次に短鎖脂肪酸の一つである酢酸のはたらきです。

・腸管内を弱酸性に傾けて悪玉菌の増殖抑制
・腸管を刺激して大腸のぜん動運動促進
・強い殺菌力を発揮して大腸菌など病原菌からの感染予防
・吸収され全身に運ばれると脂肪の蓄積を抑制する、など


このように乳酸菌には乳酸菌の、ビフィズス菌にはビフィズス菌のはたらきが、それぞれのはたらきより重要なのが、

その菌があなたの身体に合っているかどうか

製薬会社がどれほど優れた菌を開発しても、整腸剤には「合う、合わない」があります。ビオフェルミンが合う人がいれば合わない人もいる、その違いは何かといえば、

腸内環境は人によって異なるからです

腸内環境によって合う合わないが出てきます。その判別が1ヶ月、あるいは錠剤を使い切る期間であり、腸内環境が整うまで時間がかかります。

先にも触れましたが整腸剤は薬ではないので、副作用の心配はほとんどないのでヨーグルト同様に毎日摂取することができます。

お腹の調子を崩して下痢や便秘で悩んでいる人は、整腸剤を試してみることで腸内環境が整ってお腹の調子が改善するかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?