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実はデータ分析を裏から支える『勘とセンスと美意識』を磨く。

データドリブンマーケティングやデジタルマーケティングが浸透して以来、勘とか経験に基づくマーケティングが軽んじられてきた。しかしここ数年で何でもかんでもロジカルシンキング(左脳的思考法)な傾向が見直されて、右脳的な勘とかセンスがもう一度クローズアップされてきている。

どういうことなんだろう?
10年前くらい。まさに猫も杓子もデータドリブン時代の幕開けだった。
ビッグデータという言葉がちょうど今のAIのようなバズワードになり、データサイエンティストという職種が浸透し始めたのがこの頃。
ただその頃から僕がぶっちゃけ感じてたのは、勘とかセンス=感性のない人間がどんなにデータを操っても答え=良策は出ない!ということだ。
彼らはデータ分析の結果をどう言うか?というと、
「データはこれこれ、こういう構造にこうなっています。」
「XXX(UIとか特定サービスとか特定商品)に課題があります。」
「AAAという優良顧客とBBBというダメ顧客(言い方は違うけど)とCCCという離反客予備軍が居ます。」

といった感じなんだよなぁ。もちろん、上記が可視化されたことは前提とした上で、ホントに知りたいのは表出してる現象のことじゃなくて、

●なぜそうなっているか?
●何に根本原因(市場側?サービス側?)があるのか?
●これは改善できるモノなのか?
●モグラたたき(どっかを改善すればどっかが悪化する)にならないか?
●この状態はどうしたら化けそうか?
●ショートカットする上手いやり方は?
●未来はどうなる?じゃなくて「どうする?
のがベストか?

ビッグデータといってもその大部分は「人間というイキモノの行動データや属性データの組み合わせ」、あるいはそれに影響を与えるコンテンツデータや気象データやジオデータだ。
現象には最後の最後に人間の生物としての本能や脳とカラダの状態が関わっている。人間というもの(エモーションやパーソナリティ含む)をモデル化するセンスや感覚がなければ答えは出る由もない。
また単なる本能主導の生物でもないのが人間だし、そっちに誘導したいのは途上国の施政者くらいだろう。

まあこれも、ひとつのトレンドというやつで、ビジネストレンドのサイクルが切り替わったということ。勘とセンスだけで上手くいくわけじゃない。勘を鍛えるには地道な情報収集や観察や深いデータ分析が必要だ。

ただそのいずれも対象物=相手は人間だということ。これは忘れて欲しくないな。人間に興味が無い人はそもそも社会データとかマーケティングデータの分析は向いてないと思うよ!